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2022.01.27
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コメント
では添削いたします。
こちらの問題はスタディサプリ「地理・論述編」第5講[2]でも取り上げていますので、不明点があればそちらをご覧ください。
>2012年度第1問
>設問A
>(1) 西部で隔海度が小さいほど海から吹く偏西風の影響で冬の気温が上昇。東部は冬に高気圧が発達し気温が著しく低下するため。
「海の方向から吹く」ことは降水量には関係しますが、気温には関係しませんよね。ここは「暖かい」とするべきでしょう。さらにモンゴルは高原であり、全体に気温が下がることも重要です。
>(2) カ-Y, キ-Z, ク-W, ケ-Z
>カ・Z、キ・Y、ク・W、ケ・X ですね。
羊がポイントになります。乾燥地域を多く含む国では羊の飼育が主となります。慎重に考えれば必ず解けますよ。
>(3) 深い淡水湖Sは工業用水が排出され水質が汚染された。乾燥気候の浅い塩湖Tは綿花の栽培による灌漑など人為的要因で縮小した。
本問の難しいところは書くべき内容に対して字数制限が短いことですね。端的に述べることが求められています。
「sは深い淡水湖で周辺は冷帯林。製紙業で水質汚濁。tは乾燥気候で浅い塩湖。綿花栽培の過剰灌漑など人為的原因で湖水減少。」(58字)
とりあえず削れるところか削って、ひたすら要点を詰め込んでみました。決して褒められた日本語ではありませんが、「冷帯」「製紙」「綿花」などキーワードは多く含まれています。
こういった解答の作り方も参考にしてくださいね。
>
(4) W-カトリック派キリスト教、Z-チベット仏教
正解です。
>設問B
>(1) a-3, b-4, c-5, d-1, e-2
aは人口でわかりますね。カリフォルニア州に次いで人口が多いのがテキサス州です。
bはコーンベルトに位置する州であることはわかるでしょう。人口が大きく、大都市であるシカゴを含むイリノイ州となります。
cも人口が多いことがポイントにあり、大都市デトロイトを含むミシガン州です。しかし農業はふるいませんね。
dは小麦の生産が際立って多くなっており、小麦地帯の①と②に絞られますが、とうもろこしの生産も比較的多く、寒冷な①は該当しません。②のカンザス州ですね。
eは逆にとうもろこしが少なく、こちらが①のノースダコタ州になります。
アメリカ合衆国の州については位置を一通り覚えてしまった方がいいですよ。名称と位置が一致すると、こうして過去問を解きながらその特徴がスムーズに頭に入るようになります。
>(2) 金融危機で全国的に失業率が上昇。影響が小さかった農業中心の中西部に対し、自動車産業中心の五大湖周辺で著しく雇用が悪化。
上手い書き方ですね。まず全体の失業率が上昇していることを述べ、後から農業地域と工業地域とで差があることを説明しています。この組み立てはなかなかできるものではないと思いますよ。見事は構成力です。
失業率は全体に上昇していますが、その度合には地域ごとの違いも現れています。上昇率の高低で州を分けてみます。
(高)ミシガン・オハイオ・ケンタッキー・テネシー・イリノイ・インディアナ
(中)ペンシルベニア
(低)テキサス・カンザス・ノースダコタ
こういった感じでしょうか。
「五大湖沿岸では失業率の上昇が顕著。重工業の衰退による。農業を基盤とする小麦地帯に位置する州では失業率の上昇は緩やか。」(58字)
「地域的特徴」を明確にしています。五大湖沿岸の工業地帯と、小麦を中心とした農業地帯。また、リーマンショックを取り上げてしまうと、製造業のみでなく商業やサービス業を含めたアメリカ合衆国全体の産業への影響を論じることになり、今回は無理に登場させる言葉でもなかったような気がします。
「金融」についても触れていませんが、メガロポリスを構成するフィラデルフィアを含むペンシルバニア州で失業率がさほど上昇していないことを考えると、やはり「金融」ではなく、自動車を中心とした「重工業」にターゲットを絞ってしまって良かったように思います。ミシガン州にはデトロイトが位置し、さらにオハイオ州も日系の自動車工場が多く進出しています。
工業地域と農業地域との対比が本問の最大のポイントだったのではないでしょうか。
>(3) 第1期は重化学工業が盛んな北東部で産業の空洞化により雇用減少。サンベルトで宇宙産業やIT産業が発達し雇用増加。第2期は金融・サービス業などが成長し、全国的に製造業が低迷し雇用減少。
なるほど、北東部の「産業の空洞化」という表現は悪くないと思いますよ。ただ、厳密にはこの表現は「海外への工場転出」においてよく使う言葉ですので、ここはシンプルに「重工業が衰退」で良かったかと思います。それに対し、後半は「産業構造の変化」という言葉が使えたかと思います。他はよく書けていますよ。
本問は良問だと思います。統計を分析する力が求められています。
まず第1期。
A(変化なし)
B(低下)
C(やや低下)
D(変化なし)
E(やや上昇)
F(変化なし)
G(やや上昇)
H(変化なし)
I(やや上昇)
こういった形でしょうか。BとCでの低下、E、G、Iでの上昇が明確です。
北東部や五大湖沿岸の旧来の工業地域(鉄鋼業や自動車工業など重工業が発達)で低下しています。サンベルトである南部、そして太平洋岸で上昇しており、こちらは知識産業の発達が見られる地域です。
では第2期について見てみましょう。
A(やや低下)
B(低下)
C(変化なし)
D(やや上昇)
E(変化なし)
F(変化なし)
G(やや上昇)
H(やや上昇)
I(変化なし)
なるほど、Iにおける上昇の度合いが低下した程度でしょうか。あまり第1期と大きな違いはないようです。
よって、こちらは「実数」に注目しましょう。アメリカ合衆国は比較的人口増加率の高い国であり、労働者の数も増えているはずです。しかし、第2期は「18950」から「12781」へと極端に数が減っています。こちらについて論じたらいいのではないでしょうか。
与えられている文字数制限は90字です。二つのトピックについて書くのですから、45×2が目安ですね。。
「第1期。重工業の衰退により北東部や五大湖沿岸で数値が低下。知識産業の発展によりサンベルトや太平洋側で数値が上昇。第2期。製造業被雇用者数が大きく減少。産業構造の変化が顕著。」
このような文章にしてみました。第1期では製造業の範囲内における業種変化(重工業→知識産業)を、地域の違い(北東部など、サンベルトなど)に関連付けて論じました。第2期では全体の被雇用者数について言及しています。文字数が限られているため。「産業構造の変化」という言葉のみで片付けています。
良かったら参考にしてください。
- 2022.02.03 04:45
- たつじん
2012年度第1問
設問A
(1) 西部で隔海度が小さいほど海から吹く偏西風の影響で冬の気温が上昇。東部は冬に高気圧が発達し気温が著しく低下するため。
(2) カ-Y, キ-Z, ク-W, ケ-Z
(3) 深い淡水湖Sは工業用水が排出され水質が汚染された。乾燥気候の浅い塩湖Tは綿花の栽培による灌漑など人為的要因で縮小した。
(4) W-カトリック派キリスト教、Z-チベット仏教
設問B
(1) a-3, b-4, c-5, d-1, e-2
(2) 金融危機で全国的に失業率が上昇。影響が小さかった農業中心の中西部に対し、自動車産業中心の五大湖周辺で著しく雇用が悪化。
(3) 第1期は重化学工業が盛んな北東部で産業の空洞化により雇用減少。サンベルトで宇宙産業やIT産業が発達し雇用増加。第2期は金融・サービス業などが成長し、全国的に製造業が低迷し雇用減少。
よろしくお願いいたします!
- 2022.01.27 10:34
- いぇい
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