ブログ

2025.02.21

1941

  2024年度たつじんオープン添削投稿フォームになります。第50回・第51回の分をこちらに投稿してください。

ハンドルネームは毎回固定にしてください。金曜日にお題発表し、翌週の木曜までに解答を投稿してください。夜は21時までを厳守です(21時を過ぎた分については添削しません)。遅くなってしまう場合は翌日の朝5時以降に投稿してください。
人数が増えるかもしれないので添削は簡易になります。ご了解ください。その代わり、みなさんの質問には答えますので、解答の後に「質問」がある場合はそれを添えてください。
対象は東大志望生以外でも構いません(ただし論述が問われる大学に限る)。東大以外の場合は志望校も書いておいてくださいね。参加資格は「最後まで投稿を継続すること」、この一点です。勉強を積み重ねていきましょう。

コメント


ドゥーチェさんこんにちは。では添削いたします。

>21 第1問

>設問A
(1)
気温上昇で動植物生息域変化など生態系に影響。(22字)
海では海氷融解。輸送距離短縮に繋がる北極海航路利用や海底資源採掘に寄与。(36字)
陸では永久凍土融解。地盤陥没・メタン放出で建物倒壊・温暖化促進。(32字)

いいですね。本問は限られた字数の中に考えうることをひたすら詰め込むタイプの問題でしたね。
なるほど、組み立てとしては最初の文で「全体に生じること」を述べ、二つ目で「海」、三つ目で「陸」としているわけですね。よく工夫されています。

>(3)
乾燥が強まり干ばつや森林火災頻発。農作物不作で飢餓の恐れも。(30字)

なるほど、こちらは「飢餓」を加えているのですね。「災害」縛りではあるのですが、それを含めたうえでいろいろなことに言及できる問題だったと思います。(1)と同様に「箇条書き」スタイルを意識する問題でした。

>(5)
両国ともエネルギー需要が高いが、(16字)
石炭中心の中国ではCO2排出抑制のため太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギー利用を、(43字)
石油・天然ガス中心の米国ではシェールガスの開発・利用を、推進。(31字)

こちらも全体を包括する文を最初に挙げ、そこから中国と米国についてそれぞれ論述する形としていますね。構成の巧みさが際立っており、わかりやすいと思います。なかなかこの形式で書くことのできる受験生はいないと思いますよ。素晴らしい組み立てです。

>設問B
(2)
前者は河川上流から運搬された土砂が河口に堆積。(23字)
後者は海水面の上昇や陸地の沈降により河谷の発達した起伏の大きな山地が沈水。(37字)

いいですね。三角州は河川の作用(運搬と堆積)がキーワード、溺れ谷は山地の沈水がキーワードですね。

>(3)
牡蠣の養殖業。水深が深く波静かで栄養分も適度。(23字)
沿岸大都市の経済活動で生活排水・工業廃水流入。閉鎖的湾内で水質汚濁・赤潮。(37字)

これは素晴らしいですね。ここまで書き切ることができましたか。私の予想では一部を省略しないと字数制限にひっかかるかなといった印象だったのですが、極めて「濃い」内容に仕上がっていますね。本番でもこの構成力を発揮してくださいね。

>【余談】
2024年度の第1問を解いてみました。(完全に私の趣味なので添削は不要です。)

>設問A
(2)
乾燥気候で農耕に適さず羊等の遊牧が盛ん。飲用水も乏しい。(28字)
必要な栄養素や水分を家畜の乳から摂取する過程で身体が乳糖に適応。(32字)
(3)
大陸性気候下で夏の高温を利用し、乳を加熱・発酵。この際、乳糖が分解。(34字)
バター・チーズ・ヨーグルト・馬乳酒など乳製品に加工。(26字)

>(4)
高温多雨で稲作が盛ん。他の穀物よりアミノ酸スコアの高い米が主食。(32字)
乳・乳製品を摂取せずとも、必須アミノ酸が十分に得られる。(28字)

>設問B
(4)
政情不安な中東への依存度が高い石油に対し(20字)
天然ガスの輸入先は北米のほか日本に近く生産量急増中のアジア太平洋地域など各地に分散。LNG船による海上輸送を行う。(56字)
エネルギー安全保障面で有利。(14字)

ありがとうございます。とてもよく書けています。素晴らしい回答に思いますよ。もうご覧になっているかと思いますが、「たつじんチャンネル」内に2024年の問題についても分析動画を上げていますので、ぜひ参考にしてくださいね。

[大学受験地理]東京大<第1問>(1)国公立問題解いてみました<たつじん地理>#地理#地理#東京大 https://youtu.be/yGgA6_0jvFU?si=zUEaGG2mNVEB0NWw @YouTubeより


>個人的に、東大地理の第1問は2022年度から傾向が少し変わったように感じています。「人獣共通感染症(’22)」「人新世(’23)」「乳糖耐性(’24)」など聞き馴染みのない用語を軸に話が展開され、設問も「定番問題」の割合がそれまでの年度に比べ減ったことでとっつきにくいものが増えたためです。

なるほど、鋭い分析ですね。たしかに面食らう言葉が多く登場しています。とくに「人新世」などは造語ですよね。入試問題としてはおどろくこともありますが、これが一般の文章ならばとても興味深く面白く読める文章です。「乳糖」もなるほどと思いました。西アジアに肥満が多いのもこういったそもそもの生物としての違いが背景にあるのかなとも思っています。体質の違いがその地域の文化にどういった影響を与えているか考えてみたいところですね。

>ただ過去問分析を進めていくなかで、扱われている(馴染みのない)事象の多くが、実は(散々と見慣れた)「地形」や「気候」といった「自然地理」と繋がっているのに気づきました。(現に2024年度第1問設問Aは、問題文を見ると一瞬面食らってしまいますが、実はすべて「気候」と絡んでいる単純な問題だと思います。)

そうなのですよ。動画のコメント欄にも「乳糖耐性は全く知らない言葉でパニックになりました」と実際の受験生の言葉がありましたが、正直なところ、東大受験生としてそのメンタルの弱さはいかがなものかと感じたのも事実です。しっかり東大の問題を研究している受験生ならばドゥーチェさんのように明快な思考が得られます。入試問題とは「知っているか、知らないか」ではなく、「解けるか、解けないか」の視点で考えを進めます。試験は「ギャンブル」や「戦い」ではなく、あくまで「確認」作業であり、自分の能力の中で考察を行うものです。入試に対する考え方の違いが明瞭に現れる問題が問われているのが東大に思います。他の大学とは求められる人材が違うのでしょうね。

>このように考えると、傾向が変わった2022年度からは、「自然地理」の知識だけで解く問題が減り、「自然地理」と「系統地理」を関連付ける能力がより重視されるようになったということでしょう。
本番でも、点と点が繋がる感触を確かめながら設問を解こうと思います。

なるほど、確かにその通りかもしれませんね。地理は他科目ほど露骨ではありませんが、やはり「センター試験→共通テスト」、「地理AB→総合・探究」の変化が多少は私大や国公立入試にも反映されているのかも知れませんね。我々が新聞やニュースで目にする内容、あるいは他科目を勉強しながら得られる知識が、実は地理と密接に結ぶついていたという「発見」が重視されているのかも知れません。ドゥーチェさんが先日言っていたように「世界史選択者でも地理の問題が完璧に答えられた」ということもそうかも知れませんね。さまざまな事象に、あえて地理的な視点を加え、地理的な解釈によって地理的な立場から回答していく。そういった科目横断的なアプローチがみられるような気がします。

>最終回(?)ですが、よろしくお願いいたします。

今年の添削について最も熱心に投稿してくれたのがドゥーチェさんでしたね。とても感謝しています。生徒さんの意欲が高いと、私としてもしっかりとした分析をしないといけないという使命感が大きくなり、動画作成へのモチベーションになります。

ドゥーチェさんも途中でいろいろなことがあり大変だったとは思いますが、しかし大きな成長の実感もあったのではないでしょうか。あとはどんな問題が出るのか期待しながら、試験開始のベルを待ってくださいね。

  • 2025.02.24 16:23
  • たつじん

‘21 第1問

設問A
(1)
気温上昇で動植物生息域変化など生態系に影響。(22字)
海では海氷融解。輸送距離短縮に繋がる北極海航路利用や海底資源採掘に寄与。(36字)
陸では永久凍土融解。地盤陥没・メタン放出で建物倒壊・温暖化促進。(32字)

(3)
乾燥が強まり干ばつや森林火災頻発。農作物不作で飢餓の恐れも。(30字)

(5)
両国ともエネルギー需要が高いが、(16字)
石炭中心の中国ではCO2排出抑制のため太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギー利用を、(43字)
石油・天然ガス中心の米国ではシェールガスの開発・利用を、推進。(31字)

設問B
(2)
前者は河川上流から運搬された土砂が河口に堆積。(23字)
後者は海水面の上昇や陸地の沈降により河谷の発達した起伏の大きな山地が沈水。(37字)

(3)
牡蠣の養殖業。水深が深く波静かで栄養分も適度。(23字)
沿岸大都市の経済活動で生活排水・工業廃水流入。閉鎖的湾内で水質汚濁・赤潮。(37字)


【余談】
2024年度の第1問を解いてみました。(完全に私の趣味なので添削は不要です。)

設問A
(2)
乾燥気候で農耕に適さず羊等の遊牧が盛ん。飲用水も乏しい。(28字)
必要な栄養素や水分を家畜の乳から摂取する過程で身体が乳糖に適応。(32字)
(3)
大陸性気候下で夏の高温を利用し、乳を加熱・発酵。この際、乳糖が分解。(34字)
バター・チーズ・ヨーグルト・馬乳酒など乳製品に加工。(26字)
(4)
高温多雨で稲作が盛ん。他の穀物よりアミノ酸スコアの高い米が主食。(32字)
乳・乳製品を摂取せずとも、必須アミノ酸が十分に得られる。(28字)
設問B
(4)
政情不安な中東への依存度が高い石油に対し(20字)
天然ガスの輸入先は北米のほか日本に近く生産量急増中のアジア太平洋地域など各地に分散。LNG船による海上輸送を行う。(56字)
エネルギー安全保障面で有利。(14字)

個人的に、東大地理の第1問は2022年度から傾向が少し変わったように感じています。「人獣共通感染症(’22)」「人新世(’23)」「乳糖耐性(’24)」など聞き馴染みのない用語を軸に話が展開され、設問も「定番問題」の割合がそれまでの年度に比べ減ったことでとっつきにくいものが増えたためです。
ただ過去問分析を進めていくなかで、扱われている(馴染みのない)事象の多くが、実は(散々と見慣れた)「地形」や「気候」といった「自然地理」と繋がっているのに気づきました。(現に2024年度第1問設問Aは、問題文を見ると一瞬面食らってしまいますが、実はすべて「気候」と絡んでいる単純な問題だと思います。)
このように考えると、傾向が変わった2022年度からは、「自然地理」の知識だけで解く問題が減り、「自然地理」と「系統地理」を関連付ける能力がより重視されるようになったということでしょう。
本番でも、点と点が繋がる感触を確かめながら設問を解こうと思います。

最終回(?)ですが、よろしくお願いいたします。

  • 2025.02.24 10:06
  • ドゥーチェ

コメントフォーム

カレンダー

«2月»
      1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28  

ブログ内検索

フィード

スタディサプリスタディサプリ/たつじん地理

検索

ページの先頭へ