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2021.06.19

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では添削いたします。

本問はスタディサプリ「地理・論述編」でも取り上げていますので、詳しくはそちらを参照してくださいね。

>東大 2010

>第一問
>(1)サバナ気候に属する前者では高日季の降水を使った水力発電、ツンドラ気候に属する後者は氷の融解による洪水を防ぐ目的。

なるほど、良い解答ですね。水力発電はクラスノヤルスクダムでも行われていますので、本来あまり適切な解答ではないのですが、間違いではありませんので、問題ないでしょう。

せっかく雨季と乾季の違いに注目できたのですから、「乾季の灌漑用水の確保」とした方がベターだったと思いますよ。

>(2)中部•四国地方は急峻な山々が連なり傾斜が急で、侵食作用が強いが、中国地方では緩やかな地形であり、侵食作用が弱いから。

悪くありません。降水量にも注目できれば更に良かったでしょう。

>(3)ダムが貯蓄できる水量が減り、確保できる水資源量も減少。上流部から海岸への肥沃土の供給減で、三角州縮小や漁獲量減少。上流で河床が上昇することで、上流での洪水が増加する。

いいですね。箇条書きスタイルで多くの事象について説明できています。得点が稼ぎやすい形ですね。

(4)流域が森林なのはC。急激な大雨でも、森林とその土壌が持つ水源涵養能力によって水を保持し、それを徐々に排水する事で、大雨による洪水を防げるという機能がダムに似ているから。

いいですね。完璧な解答に思いますよ。「水を保持する」という保水能力について述べていますね。

私も書いてみました。

「森林地域の土壌はよく雨水を浸透させ地下水が涵養される。雨水は少しずつ流れ出し、河川の流量変化は穏やかなものとなる。洪水を防ぐ治水効果があることから緑のダムと呼ばれる。」

「地下水の涵養(かんよう)」とは地下水を養う、つまり地下へと水が浸透し、地下水が育まれることです。土壌が水を保つことについて、言葉で説明してみました。

>(5)緑のダムは洪水を防ぐものだが、白いダムは水資源を流出しない氷•雪の形で保存する役割。その融解水により、周辺地域では渇水が心配される季節でも水資源が確保できる。(78字)

こちらもいいですね。水資源の利用という「利水」能力について述べています。

私も書いてみました。書くべき内容に比べ文字制限が大きいので何を書こうか迷うのですが、その辺りもテクニックで補ってくださいね。

「冬の間に積雪や氷河として標高の高い山岳部に蓄えられた水は、春先に融け出し、周辺地域へと流出する。田植えの時期など水需要の多い季節や夏の渇水期などに農業・生活用水として利用される。」(89字)

上が私の解答例です。「夏の渇水期」がちょっと気になりますが。。。これはアルプス山脈に沿う南ヨーロッパを想定した内容ではあるのです。田植えもアジア限定であり、決して一般論ではないのですが。上でも述べたように、字数制限の長さゆえに「余分なこと」を書かないといけないのが難しいですね。


>第二問
>設問A
>(1)ウー台湾 エーフィリピン 

惜しかったですね。アが台湾、イが中国、ウがフィリピン、エがインドです。

人数が多く商用メインのイが中国であるのはわかりやすいと思います。中国より多いので、アは台湾ですね。こちらは主に観光目的となります。

残ったウとエについては、距離の遠さ、貿易や企業進出といった経済的なつながりの弱さから、フィリピンとインドになりますね。ウは親族訪問の割合が高く、これは日本国内にフィリピン人が多いことの影響でしょう。エのインドは商用目的が多いですが、IT産業と結びつければいいですね。

>(2)台湾は人口が少ない上、日本の旧植民地で在日台湾人が多いから。フィリピンは女性が日本に来てサービス業に多く従事するから。

(1)が不正解だったので、こちらも適当でない文章になってしまっていますね。

なお、私はこのように書いてみました。

「距離が遠く経済的な問題から旅行者が少ない。フィリピンは日本に在留者が多く親族訪問が主。IT産業の発達したインドは商用が主。」(60字)

>(3)地理的に近く、安価に行ける地方中枢都市の福岡。本国にあまり見られない降雪や海産物を観光資源としている北海道。

なるほど、いいですね。これはどの都道府県を選んでも良かったですね。九州への観光客は韓国からが多いのですが、とくに知っておくべきことでも無かったかも知れません(そもそも2022年入試で海外旅行がテーマの問題は問われないでしょう)。

一方、台湾から北海道への観光客は多いようですね。「雪」は台湾人にとって大変魅力的です。

私はこう書いてみました。

「北海道。スキー体験や温泉、雄大な自然を楽しめる。千葉。テーマパーク訪問。東京に近く買い物に便利。」(48字)

ちょっと外して千葉県にしてみました。台湾人に限らず、海外からの観光客全てにとって東京圏は人気スポットでしょう。

>(4)イは所得水準が低く、日本へ旅行できる金銭余裕がないから。イから日本への入国基準がその逆に比べて厳しいから。

これもいいですね。問題ないでしょう。

仰せのように「入国基準」の問題があります。かつては(この問題が出題された2010年の段階では)中国では海外旅行について所得制限があり、富裕層にのみ海外への観光旅行が許されていました。

例えば我々日本人からすると、中国人の観光客には「爆買い」のイメージがありますよね。なぜ、賃金水準の低い中国人があんなに高いものを多く買えるのだ?と疑問に思ったことはありませんか。実は、そもそも中国の富裕層のみが日本にやってきていたからなのです。

ただし現在はこのような縛りは緩和され(というか、撤廃されたのだと思います)、経済的に余裕がない人々も日本へとやってくるようになりました。以前は「貧乏旅行」の代名詞でもあったバックパッカーのほとんどは欧米人の若者でしたが、現在は中国人のバックパッカーも増えていますし、低予算で宿泊できる民泊を利用する中国人も多いですよね。

というわけで、とりあえず私も書いてみました。

「経済水準を比較し、中国人にとって日本への旅行はコスト高だが日本人にとって中国への旅行は割安感がある。日系企業も多く進出。」(60字)

あえて「入国制限」に関する内容を外しておきました。近年変化が大きいことですし、そもそもコロナ禍で観光に関する問題が問われる可能性は低いです。一般的な内容のみ、解答の中で述べています。

>設問B
>(1)Aー北京 Bー東京 cーソウル Dー台北

いいですね。Dは気温で判定できます。低緯度の台北。Cは降水量の少なさで北京。以前は冷帯気候に含まれていましたが、現在はBSと捉える場合が多いようです。Aはシベリア高気圧の影響でとくに冬の降水量が少ないことから朝鮮半島のソウル。Bは東京ですが、最暖月平均気温25℃、最寒月平均気温5℃と直接覚えておいてもいいかもしれませんね。ソウルとは異なり、冬でも月に50ミリ程度の降水はあります。

>(2)ソウル。地方からソウルへの出稼ぎのための移住を規制して人口集中を抑制。政府機関を他地域に移転したり、南部の臨海部で製鉄所や造船、自動車などの工業開発をして所得水格差を是正。(86字)

いいですね。字数が多いので、何を書いていいやら悩んだはずです。とりあえずで構いません。ソウルや韓国について知っていることをひたすら詰め込めばオッケイだったと思います。十分合格圏の解答になっていますよ。

私はこのように書いてみました。

「ソウル。国内人口の2割が集まる大都市だが、過度な集中を避けるため開発が規制される。行政の一極集中を避けるため、テジョンに政府機関の一部が移転。格差是正のため地方の工業開発も積極的。」(90字)

ソウルに総人口の2割が集まっていることや、具体的な都市名としてテジョンも挙げています。とりあえず知っていることを詰め込んだ感じですね。

>(3)労働集約的工業の繊維工業や単純労働機械工業が盛んだったが、賃金上昇による生産コスト高で国際競争力が弱まったため、精密機械やICなどの技術集約型産業に転換して国際競争力を取り戻した。

これも素晴らしいです。キーワードの使い方も上手です。

細かくみていきましょう。

>労働集約的工業の

ここは「労働集約型」ですかね。

>繊維工業や単純労働機械工業が盛んだったが、

韓国の高度経済成長は1970年から始まり、1980年代をピークとするわけですが、その時期は日本からの工場進出も多かったのです。当時の最大の輸出品目は衣類ですからね。「繊維工業」に目をつけたのは正解です。

さらにもちろん労働集約型の工業として「機械組立工業」もありますね。「単純労働機械工業」という言い方は聞いたことがありませんので、ここはきちんと「単純労働力に依存する機械工業」とするか、「機械組立工業」とすると良かったでしょう。

>賃金上昇による生産コスト高で国際競争力が弱まったため、

ここはとくに上手いですね。「国際競争力」という言葉の使い方も適切です。

>精密機械やICなどの技術集約型産業に転換して国際競争力を取り戻した。

ここもいいですね。上手いとおもいます。「技術集約」より「知識集約」の方が一般的な言い方とは思いますが、指定語句となっているのでもちろんこちらの言葉を使いましょう。大変よくできていると思いますよ

私はこう書いてみました。

「1980年代以前は賃金水準の低さから衣類や機械組立など労働集約型工業が中心。賃金水準の上昇によりその分野の国際競争力が低下し、精密部品や電子機器など技術集約型工業へ産業構造が転換。」(90字)

それぞれの工業について具体的な工業種を挙げてみました。それゆえ、字数がかなり苦しくなってしまったわけですが、何とか制限内には収まったかなという感じです。ラストは「産業構造の転換」という言葉で締めくくりました。意味はわかりますよね?こういった結び方もあることを知っておいてくださいね。

>第三問
>設問A
>(1)かつては鉱山資源や燃料を大量消費する素材型産業が主で、それらを運ぶ海運が多かったが、石油危機後の先端技術•軽薄短小産業への移行やジャストインタイム方式が広がり、自動車輸送が増加。

十分な合格圏の解答とは思うのですが、もう少し工夫ができたと思いますよ。なぜ素材型産業は海運で、先端技術やジャストインタイム方式は自動車輸送なのですか?


先に言葉の定義から入りましょう。「ジャストインタイム」方式が聞き慣れない言葉だったと思います。

Wikipediaでは「生産過程において、各工程に必要な物を、必要な時に、必要な量だけ供給する」システムだと説明されていますね。在庫を減らして、無駄をなくす供給体制です。完成までに多くの工程と部品を必要とする自動車工業において一般的に行われ、トヨタがこれを導入することで生産性を上げていったことはよく知られています。ただ、大企業には有利なシステムではあるものの、関連工場にとっては負担が大きく、二次や三次の下受け企業にとっては過酷な生産体制を強いることになります。知識として知っておきましょう。「ジャストインタイム=即時」に部品を供給することです。

本問のポイントは間違いなく工業立地です。「臨海」と「内陸」の違いです。臨海部の工業地域がメインである時代は船舶による輸送、内陸部に工業地域が伸びていった時代には自動車による輸送がメインになります。このような「解答の柱」に沿って、指定語句を組合せていけばいいわけです。

内陸部へ工業の中心が移ったことこそ、船舶の割合が低下したことの一つの要因であるはずです(日本では河川を使った内陸水運はみられませんので)。

以上のことを意識して、文章をつくってみますね。

「高度経済成長期は臨海立地の素材型工業が主で資源等大量輸送に適した内航海運が重用。石油危機以降は自動車工業など内陸部に工業地域が拡大しジャストインタイム方式に適した自動車輸送が発達」(90字)

いかがでしょうか。90字という字数は長く感じますが、実際に解答をつくってみるとかなり厳しいことがわかります。大きく2つのこと(高度経済成長期と現在)を説明する必要がありますから、実質的な字数制限は「45字」ですよね。さらに「ジャストインタイム」という言葉だけで全体の1割の字数を占めてしまうのです。内容的には難しいとは思いませんが、いかに整理して効率的に文章を作るのかが課題の問題でした。

(参考)海運は輸送コストが安く、安価なモノを大量に運ぶのに適していますね。一方、自動車輸送はコストが高く、高付加価値の工業製品を輸送するのに利用されます。字数がもっとあれば、こういったコストの違いについても言及できました。

>(2)輸送量あたりの輸送費が他と比べて抑えられるから。輸送量あたりのCO2など有害物質排出量が少なく、環境負荷が小さいから。

「輸送量あたりの輸送費」とは結局「輸送費」のことではないですか?「自動車に比べ輸送費が安い」だけでいいのではないでしょうか。

また「輸送量あたりのCO2」もより正確に「輸送量あたりのCO2排出量」とするべきでしょう。さらにCO2を「有害」とするのは流石に極端な気もします。単に「CO2」だけでいいと思います。むしろ「など」は何のことでしょうか。ここを詳しく述べればっよりよい解答になったはずです。

「輸送費が安い。輸送量当たりのCO2排出量が少ない。大気汚染物質である窒素酸化物も排出せず、環境負荷が小さい。」(54字)

こういうことを言いたいのではなかったでしょうか。窒素酸化物は自動車から排出される大気汚染物質で酸性雨の原因となります。

私はこう書いてみました。

「鉄道輸送は自動車輸送に比べ大気汚染物質の排出量が少なく環境負荷が小さい。エネルギー当たりの輸送量が大きく効率的である。」(59字)

できれば「から。」で結びたかったところですが、省略しています。意味的に理由を示しているのは十分にわかるでしょう。

ここでは「エネルギー当たりの輸送量」が大きく、効率がいいことも理由として挙げてみました。エネルギー当たりの輸送量が最も大きいのは船舶なのですが、ここでは話題とされていませんので、これでいいでしょう。

「環境負荷」という言葉は便利なので「大きい・小さい」という言葉を組み合わせて使えるようしておくといいですよ。まだまだ時間はありますので、数多くの問題に当たることにより、こうした言葉のストックを増やしていきましょう。

ここでは「大気汚染物質」と曖昧な表現にしていますが、より字数に余裕があるならば二酸化炭素(温室効果ガス)や窒素酸化物を挙げても良かったでしょう。もちろん化石燃料資源が有限であることにも触れられたでしょう。あるいは鉄道のメリットとして時間が正確であることも指摘できたかも知れません。書くべきことはたくさんありますから、いかに余分な表現をカットするかも大きな課題となります。

>設問B
>(1)周辺には工業地帯がある上、有名自動車企業の本社があるため、そこで生産された自動車を船舶で港から外国へ輸出するから。

いいですね。自動車工業が発達していることだけ強調できれば十分です。


自動車工業の特徴は「集積立地」することです。周辺に関連工場が多く分布し、それら部品を調達しやすい中間地に工場が立地します。例えばアメリカ合衆国のデトロイトの周辺には、ゴム工業(タイヤですね)の都市やガラス工業の都市が立地しています(都市名は忘れましたが、アクロンとかトレドとかそういった都市だったような)。日本でも愛知県にはアイシンやデンソーといった自動車関連部品を製造するメーカーが集まっていますね。

自動車工業の場合、こうした関連工場の存在が必須になりますので、工業地域の移転が比較的難しいものとなっています。アメリカ合衆国における日系の自動車メーカーはオハイオ州などデトロイトから比較的近いところに主に進出していますが、これはもちろん部品の供給が受けやすいからであり、日本国内でも電気機械が中心だった阪神工業地帯が凋落が著しいのに対し、自動車工業が中心の中京工業地帯は現在でも高い出荷額を維持しています。

「主な輸出品目は自動車である。自動車工業は集積立地であり、周辺に部品工場や組立工場など集中し、自動車生産が盛ん。」(55字)

こういった形でしょうか。問題の要求に答え、まず例(自動車)を示し、その特徴として「集積立地」を挙げています。後半はそれに付随する説明ですが、むしろ字数稼ぎでしょうか(本問は書くべき内容に対し、字数制限が長いように思います)。自動車工業は臨海立地ではありませんので、「臨海」という言葉は用いないよう注意してくださいね。。

自動車など機械工業において潮風は大敵なんですよね。金属の腐食や塗装の剥げの原因となります。なおデトロイトは湖岸であり潮風の影響がないのが立地に有利だったのです。

>(2)イでは周辺に石油化学工業が盛んな京葉工業地域があるため、外国から石油などの燃料を多く輸入。エでは周辺に食料品の加工場があり、外国から農産物や水産物を輸入している。

やや事実誤認があります。「千葉=京葉工業地域」で石油化学工業が発達しているのは正しいのですが、「苫小牧=北海道」は主にパルプ工業です。木材チップを輸入してパルプに加工しています。もともとは北海道で産出される木材資源を利用してのパルプ工業でしたが、高度経済成長期に木材輸入が自由化され、海外からの木材供給が増加しました。苫小牧のパルプも海外産に依存する度合いが高くなっています。

また、苫小牧は石油関連産業の立地もみられます。巨大な原油の備蓄基地もあり、化学工業も発達しています。これに関して言及することはなかったと思いますが、苫小牧港が日本5位の港である背景には原油の取り扱いがあることも知っておいてください。

日本地理はこうした細かい知識も出題されますので、再確認しておいてくださいね。

>設問C
(1)aールール bーライン cーフランクフルト dーミュンヘン eーベルリン

適切です。問題ないでしょう。


(2)ウが通る大阪では、金属工業が盛んな工業地域が古くからあって人口が多く、東京、名古屋と東海道メガロポリスを形成するから。

どうなのでしょう?「大阪」だけ、「金属工業」だけにこだわる必要はないかと思います。というか、大阪が含まれる阪神工業地帯はかつては繊維工業、やがて電気機械工業が発達したところで、金属工業に特色があるところでもないと思いますよ。臨海部より内陸部の機械工業が主体です。

もちろん「東海道メガロポリス」は適切です。高度経済成長期に、東京圏、名古屋圏、大阪圏で産業が発達し、人口が流入したことで都市化が進んだ様子を記述すればいいでしょう。

「東京圏、名古屋圏、大阪圏は工業地域として発達し、人口が流入。大都市が連続する東海道メガロポリスが形成された。」(54字)

こういうことですよね。内容的には難しいことは言っていません。東京、名古屋、大阪といった具体的な都市名が肝要です。

>(3)ドイツは人口や都市が分散するが、日本は少数に集中する。ドイツでは連邦制により地方分権的な国家で、大戦後に東西に分裂していたから。日本は中央集権国家のため都市機能を集中させたため。

惜しいですね。事実誤認がありますよ。ドイツが「小都市分散」型の国土になっているのは、そもそも小さな国がいくつも合わさることによって現在のドイツとなったからです。プロシア、ザクセン、サクソンなどの小国、そしてブレーメンやハンブルクなどの自治都市。こういった長い間の歴史があってこそ、ドイツの独特の形態がつくられたのです。中世以来の長い歴史の中でこうした国土構造がつくられてきたのです。

こうした分散型の国土を持つ国の例としてドイツの他にイタリアもあります。やはり中世に小国が分立し、それが近代になって統一されました。

ただ、こういった歴史的背景は書く必要はなかったと思いますよ。単に「連邦制」であることにのみ注目し、そこから内容を膨らませていったらいいのです。

例えばこういった形でしょうか。

「連邦制のドイツは州ごとの独自性が強く、都市機能が諸都市に分散。各都市の規模もさほど大きくはない。日本は中央集権的な傾向が強く、東京が突出して巨大であり、世界都市としても重要。」(87字)

ドイツは「州」、日本は「世界都市」といった「意味のある余分な言葉」も付け加えてみました。さらに都市の規模(ドイツは「規模は大きくなく」、日本の東京は「巨大」)にも言及しています。要するに「ドイツ=連邦制」、「日本=中央集権的性格が強い」ということさえ述べれば良かったわけです。

全体としてとてもよく書けていたと思います。知識が足りなく正解がおぼつかなかったところは気にしないでください。論述問題は知識を問うているわけではありません。問題の問いかけに対し、適切に反応(レスポンス)できているかが問われているのです。問題内容を把握し、それに答える形で解答をつくってみてくださいね。『少ない知識で十分な解答を作成する』。こういった意識があると、さらにいい文章が書けると思いますよ。

  • 2021.07.03 02:04
  • たつじん

東大 2010

第一問
(1)サバナ気候に属する前者では高日季の降水を使った水力発電、ツンドラ気候に属する後者は氷の融解による洪水を防ぐ目的。

(2)中部•四国地方は急峻な山々が連なり傾斜が急で、侵食作用が強いが、中国地方では緩やかな地形であり、侵食作用が弱いから。

(3)ダムが貯蓄できる水量が減り、確保できる水資源量も減少。上流部から海岸への肥沃土の供給減で、三角州縮小や漁獲量減少。上流で河床が上昇することで、上流での洪水が増加する。

(4)流域が森林なのはC。急激な大雨でも、森林とその土壌が持つ水源涵養能力によって水を保持し、それを徐々に排水する事で、大雨による洪水を防げるという機能がダムに似ているから。

(5)緑のダムは洪水を防ぐものだが、白いダムは水資源を流出しない氷•雪の形で保存する役割。その融解水により、周辺地域では渇水が心配される季節でも水資源が確保できる。

第二問
設問A
(1)ウー台湾 エーフィリピン 

(2)台湾は人口が少ない上、日本の旧植民地で在日台湾人が多いから。フィリピンは女性が日本に来てサービス業に多く従事するから。

(3)地理的に近く、安価に行ける地方中枢都市の福岡。本国にあまり見られない降雪や海産物を観光資源としている北海道。

(4)イは所得水準が低く、日本へ旅行できる金銭余裕がないから。イから日本への入国基準がその逆に比べて厳しいから。

設問B
(1)Aー北京 Bー東京 cーソウル Dー台北

(2)ソウル。地方からソウルへの出稼ぎのための移住を規制して人口集中を抑制。政府機関を他地域に移転したり、南部の臨海部で製鉄所や造船、自動車などの工業開発をして所得水格差を是正。

(3)労働集約的工業の繊維工業や単純労働機械工業が盛んだったが、賃金上昇による生産コスト高で国際競争力が弱まったため、精密機械やICなどの技術集約型産業に転換して国際競争力を取り戻した。

第三問
設問A
(1)かつては鉱山資源や燃料を大量消費する素材型産業が主で、それらを運ぶ海運が多かったが、石油危機後の先端技術•軽薄短小産業への移行やジャストインタイム方式が広がり、自動車輸送が増加。

(2)輸送量あたりの輸送費が他と比べて抑えられるから。輸送量あたりのCO2など有害物質排出量が少なく、環境負荷が小さいから。

設問B
(1)周辺には工業地帯がある上、有名自動車企業の本社があるため、そこで生産された自動車を船舶で港から外国へ輸出するから。

(2)イでは周辺に石油化学工業が盛んな京葉工業地域があるため、外国から石油などの燃料を多く輸入。エでは周辺に食料品の加工場があり、外国から農産物や水産物を輸入している。

設問C
(1)aールール bーライン cーフランクフルト dーミュンヘン eーベルリン

(2)ウが通る大阪では、金属工業が盛んな工業地域が古くからあって人口が多く、東京、名古屋と東海道メガロポリスを形成するから。

(3)ドイツは人口や都市が分散するが、日本は少数に集中する。ドイツでは連邦制により地方分権的な国家で、大戦後に東西に分裂していたから。日本は中央集権国家のため都市機能を集中させたため。

添削よろしくお願いします!!

  • 2021.06.30 08:27
  • かい

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