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2021.06.19

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コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性があります。その際は他のフォームに再投稿していただけますでしょうか。お手数ですが、よろしくお願いいたします。(従来のDMによるお問い合わせは取りやめといたしました。ご理解くださいませ)

コメント

では添削いたします。

>東大2009
>第一問

>設問A

本問はスタディサプリ「地理論述編」でもとりあげていますので、詳しくはそちらを参考にしてくださいね。こちらでは簡単な添削になります。ご容赦くださいませ。

(1)aには硬木で、多様な種類の常緑広葉樹である熱帯雨林が分布。bには軟木で、純林で針葉樹であるタイガが分布。

いいですね、過不足なく解答できています。満点解答です。

>(2)アフリカ大陸北部とオーストラリア中央部。一年中、下降気流を生じさせる亜熱帯高圧帯の影響下にあり、降水量が少ないから。

これもいいですね。もちろん「亜熱帯高圧帯」がキーワードですが、「下降気流」という言葉を添えて、意味を深めています。

>(3)インド南西部と中国南東部。季節風による降水が多いため、降水量の季節差が大きく、森林の成長には適さない環境だから。

これはどうでしょうか。湿潤な気候であるため、森林にはなるのですよ。もちろん乾季に落葉することもあるとは思いますが(雨緑林)。

ここは人為的な影響によって森林の伐採がなされたことを想像するべきではないでしょうか。

>設問B
(1)標高の高い地域は傾斜が急で土砂の侵食•運搬作用が強くて深い谷ができるが、低い地域では土砂の堆積作用で傾斜が緩やか。

いいですね。「傾斜が急」、「傾斜が緩やか」など対比的に言葉が用いられている点がとくにいいと思いました。

私はこう書いてみました。

「高所は急斜面。風雨による侵食や崩落で谷が形成。低所は緩斜面。侵食や崩落で生じた土砂が運搬され堆積。農地としても利用。(58字)」

氷河の侵食谷ならば椀状となるので(カールですね)、本図の範囲には該当しないため、これには触れていません。同じく河川の流れもみられないので、これもカット。侵食が生じた原因を「風雨」としています。また一部に崖の記号もみられるので「崩落」も加えてみました。

最後の農地に関する部分は完全に蛇足ですが、字数が余ったので付け加えています。減点にはならないでしょう。

>(2)Yは鳥海山に隠れて岩木山が見えにくいが、 Xはどちらも見える。

いいですね。具体的な山の名前が示されている点が興味深いです。

>(3)標高が高く寒冷で傾斜があるためスキー場傾斜があって山の壮観な景色があるためロープウェイというように気候と地形を利用。(58字)

ちょっと文章がわかりにくいですね。

「標高が高く寒冷で傾斜があるためスキー場、傾斜があって山の壮観な景色があるためロープウェイというように気候と地形を利用。」

もしかしてこの部分に読点が入るのでしょうか。それならば多少はわかりやすくなりますが。

本問はいろいろなことが書けたと思いますよ。私は以下のようにしてみました。

「急斜面であり積雪が多く巨大リフトを備えたスキー場の開発。火山の景観や高山の自然を楽しむための道路やロープウェーの整備。」(59字)」

スキー場にリフトがあるのは当たり前なので、ここでは「巨大リフト」としてみました。地形図上でもはっきりと確認できるので、かなり大きなリフトでしょう。

また後半では「高山の自然」も加えてみました、漠然とした内容ですが、それがゆえに間違った内容ではなく、字数稼ぎにはちょうどいいでしょう。

また、よくみると観光用に整備されたであろう登山道路の終点にロープウェーの駅がみえます。山頂まで達していますね。これに触れるのも一つのアイデアです。

>第二問
>設問A
>(1)アーフランス イーイギリス ウースペイン

いいですね。問題ありません。

>(2)イギリスは寒冷なため野菜生産は少なく、じゃがいもなどの芋類の生産が多いから。スペインは温暖なため野菜生産が多く、イベリコ豚などのブランド化した肉類の生産が多いから。(82字)

いいですね。これは分かりやすいですね。前半イギリス、後半スペインのバランスもいいです。

細かいところまで考察してみましょう。

まずイギリスの特徴について。「寒冷」あるいは「冷涼」であることが挙げられますね。さらに(氷河に削られ)地力に乏しいこともポイントになるかもしれません。これらは、やせた土壌や厳しい環境にも適応するジャガイモの生産と関連づけられます。

さらに、こちらが実は非常に重要になるのですが、イギリスは世界で最も生産性の高い農業を行っている国の一つです。農業就業人口割合が極めて低い(1%)であることはよく知られていると思います。省力化が進み、労働生産性が高くなります。

さらに大規模化が進み、農業従事者当たりの農地面積も広いものとなります。以前は小麦を輸入していましたが、現在は輸出国となっています。EUの共通農業政策の恩恵を最も受けた国といえます。ただ、本問の時点では穀類の自給率は「99%」であり、輸出については触れない方がいいかもしれませんね。穀物生産が増加し、農業収益が上がったイギリスは、今度は農業後進地域への援助金の負担を強いられることになります。農業支出金の負担増も、この国のEU離脱の一つの要因でした(このような国際政治に関する話題は、東大論述では問われないので、簡単に知っておけば十分です)。

以上のことを踏まえてまずイギリスについて記述しましょう。

「イはイギリス。大規模で生産性の高い小麦栽培が行われる。冷涼な気候でイモ類の生産も多い。」(43字)

後半はスペインですね。スペインは豚の世界的な飼育国ですから、これに触れるのは適切です。気候区分は地中海性気候が特徴的ですが、今回はそれは無視し、単に「温暖」であることを取り上げたらいいですね。「温暖=野菜」です。野菜を栽培する農業形態は「園芸農業」であり、これは都市周辺で行なわれる「近郊農業」と遠隔地で行なわれる「輸送園芸農業」の二つがあります。スペインはヨーロッパの主要部(オランダやフランス北部、ドイツ西部)からは遠く、「輸送園芸農業」が該当するでしょう。もしくは農業区分に関する記述は避け、単に「温暖な気候で野菜が栽培される」だけでも構いません。

このような書き方はどうでしょう。

「ウはスペイン。温暖な気候を利用しての輸送園芸農業、養豚が盛ん。野菜や肉類は輸出される。」(43字)

自給率が100を超えているので、ここではあえて「輸出」を強調してみました。。

以上の2つをつなげてみると、こんな感じになりますね

「イはイギリス。大規模で生産性の高い小麦栽培が行われる。冷涼な気候でイモ類の生産も多い。ウはスペイン。温暖な気候を利用しての輸送園芸農業、養豚が盛ん。野菜や肉類は輸出される。(86字)」

いかがでしょうか。わかりやすいと思いますよ。

>(3)南部の丘陵地で野菜の園芸農業や芋類の生産が盛んな一方、北部の干拓地では酪農が行われているため肉類生産が盛ん。

ホイットルセー農牧業区分のキーワードが使用されている点が素晴らしいです。「園芸農業」と「酪農」です。これだけで完璧だと思います。

ただ、一つ惜しいところがあり、園芸農業については沿岸の砂浜海岸や砂丘で行われているのですよ。

オランダでは「干拓地=穀物栽培には適さない=牧草地として利用=酪農」、「海岸砂丘=水はけがよい=球根や野菜の栽培=園芸農業」です。とくにオランダは人口過密地域であり、都市出荷用の野菜(鶏卵や生乳を含む)が生産されるため、園芸農業の中でもとくに「近郊農業」と考えてしまっても構いません。

私も書いてみました。こんな感じでしょうか。

「海面下の干拓地が広く、牧草地として利用され酪農が行われる。海岸沿いには砂丘が広がり、野菜栽培など園芸農業が行われる。」(58字)

酪農と園芸農業を強調しています。「国土の特性」のみに注目し、気候に関する記述は外しています。

>(4)これらの道県では米の生産が盛んだが、米は日本の主食であり安価なため、熱量の割に生産額が低い作物であるから。

どうでしょう。「主食であり安価なため」という部分が引っかかりますね。この部分は2通りの解釈ができます。一つは「主食であるため安価である」ということと、もう一つは「主食であると同時に、安価でもある」という意味です。しかし、前者は因果関係としておかしいですし、後者ならばとくに今回わざわざ言うべきことでもありません。

本問のポイントは間違いなく「雪」です。雪国が多く「水田単作地帯」になっていることを強調するべきです。つまり、「米の生産が盛ん」であることについて、なぜ米の生産が盛んなのか、そこで理由付け(因果関係)をしっかりしておくべきなのです。

「熱量に比して価格の安い米の生産が盛ん。降雪に見舞われるため冬季の農業に適さないため、水田単作地帯となっている。」(55字)

こういった形はどうでしょう。前半で「熱量は大きいが価格が安い」ことについて述べて、いったん文章を切っています。その後で改めて「冬に農業ができない」ことを説明しています。「水田単作地帯」については中学地理でも登場するキーワードですので、ぜひ使って欲しいところです。北海道は水田単作とは言い難いですが、とくに問題ないかと思います。

>(5)山梨では寒冷な高地気候で抑制栽培、宮崎や高知では温暖な気候で促成栽培など、野菜を単価に高い端境期に出荷しているから。

こちらもどうでしょうね。日本地理の学習をすると、山梨県の農業生産において果実の割合が極めて高いことを知ることができます。山梨は果実県ですので、今回の話題からは外した方がいいでしょう。果実は野菜とは異なり、カロリーが高いです。

ポイントは、野菜が米とは対照的に「価格に比して熱量が低い」ことですよね。この部分を強調し、そして「野菜県」の特徴(なぜ野菜の生産が多いのか)を付け加えることです。

こんな形でどうでしょう。

「熱量に比して価格の高い野菜栽培が盛ん。大都市圏から遠方にあり、温室での促成栽培を中心とした野菜の輸送園芸農業が行われる。」(60字)

ホイットルセー農牧業区分を国内の農業において持ち出すことは不要ですが、本問ではあきらかに「関東地方=近郊農業」「四国・九州=輸送園芸農業」の対比がなされています。なお「園芸農業=近郊農業+輸送園芸農業」です。四国や九州の野菜栽培を表すキーワードとして使いやすいと思います。

(4)と(5)の問題について思うのですが、まず問題に対する回答(受け答え)を明確にしている点は素晴らしい(価格と熱量の関係。米は価格に比して熱量が高く、野菜は反対)のですが、そこからの理由付けがちょっと苦しかったようです。常に因果関係を意識し、「原因→結果」の流れを文章内に取り込むようにしてください。

>設問B
>(1)アータイ いーベトナム ウーインドネシア エーフィリピン

人口最大のインドネシアが米の生産も最大になります。基本的な統計知識ですね。私の動画などみてしっかり復習しておいてくださいね。

>(2)ドイモイ政策により外国の技術を取り入れ、高収量品種の導入や品種改良が進んで収穫量が増大する緑の革命が起きたから。

さすがに不正確すぎないでしょうか?

まず「ドイモイ政策」はベトナムです。ベトナムは社会主義国ですので、ドイモイ政策という市場経済化や外資導入に関する政策を実施する必要があったのですね。他の国にはもちろん該当しません。

また「高収量品種の導入や品種改良が進んで収穫量が増大する緑の革命が起きた」という言い方もどうかと思いますよ。「緑の革命によって、高収量品種の導入がなされ、化学肥料や農薬の使用も進んだ」というのが正しい流れです。「結果」として緑の革命が起きたのではありません。

また、そもそも「高収量品種」は「品種改良」によるものですから「高収量品種の導入と品種改良」を並べたらおかしいですよね?全体的に言葉の使い方に慎重さが足りず、雑になってしまっているようです。因果関係を考え、文章の流れを意識し、丁寧に論じてみましょう。時間が足りなかったのでしょうか。仮にそうだとしたら、限られた時間の中で少ない問題数で構いませんから慎重に解いてください。多くの問題を雑に解くと、妙な癖が付いてしまいますよ。10問の問題を雑に解くのではなく、1問をしっかり解いた方がベターです。

また、かいさんはタイをAと考えていたわけで、この問題もタイについて記述しているわけですよね。タイの農業について「緑の革命」は該当しません。タイは、そもそもの米の生産に余裕がある国ですので、生産性を上げるような試みは不要なのですよ。一部では伝統的な浮稲栽培もみられますし、灌漑設備も他の国に比べさほど発達していません。「穀物増産によって食料自給率を上げる」ことが緑の革命ですが、タイは以前より米の輸出国であり、自給率は100%を越えています。

Aはインドネシアであり、この国は当初は自給率が100%を下回っていました。プランテーションが多くつくられた地域であるため、かつては商品作物の生産が優先されていました。近年は自給作物の生産にも力が入れられています。そういったことを記述したら良かったと思いますよ。

例えばこういった形です。

「かつては商品作物の生産が優先されており、穀物自給率は低かった。品種改良や化学肥料、農薬の普及により、米の増産が図られた。」(60字)

「緑の革命」は主にインドのキーワードであり、今回は不使用としました。もちろん緑の革命に類するものは(タイを除く)東南アジア各国やメキシコなどでも実施はされているのですが、インドほど明確なものではなく、キーワードとしては適当でないような気がします(この言葉を使っても間違いというわけではないでしょうが)。

>設問C
国内で所得水準上昇や食生活の変化で肉類の需要が高まり、その飼料作物の大豆の需要も高まって不足分を輸入に頼ったから。(57字)

これはいいですね。「所得水準上昇」や「食生活の変化」は適切です。大豆を「飼料」として用いていることに着目できている点も満点です。

>第三問
>設問A
>(1)aー医療系 bー宿泊業 cー輸送用機械器具製造業 eー食料品製造業

非常に難しかったと思いますが、よくできています。適切です。


>(2)高齢化で増えた高齢者への社会福祉や介護の需要が高まったから。バブル崩壊の後のデフレで、建設需要が減ったから。

前半は完璧です。後半も内容的には正しいですが、気になるのは「バブル経済後のデフレ」でしょうか。かいさんはデフレについて正しく説明できますか?そういった経済の専門用語を使うより、ここは単に「不況」とすれば良かったと思いますよ。地理のジャンルを外れた専門用語はあまり使うべきではありません。その言葉の用い方が正しかったとしても得点は上がりませんし、仮に誤った使用法の場合、そこを突っ込まれることがあります。「ハイリスク・ノーリターン」なんですよ。

とはいえ、こちらで十分に合格圏の解答に思います。いい解答ですよ。

一応、以下は参考までに。

本問については、総合工事業の減少について答えさせるという点がおもしろかったですね。仰せの通り、これは国の工業事業費の削減が主な原因ですね。それまでの日本では、道路や施設など地方を対象とした公共事業が盛んに行われていました。これは「バラマキ」と批判されたこともありますが、地方へとお金を回すためには実は有効な経済対策でもあったのです。

そもそも「総合工事業」という言い方がわかりにくいですもんね。我々からすると、建設だけでなく、土木も含まれるのだなとピンとくるのです。

同様に我々年代ですと、かつては公共事業によって地方の経済活性化が行われていたことを知っており、さらにそれらが地方への「ばら撒き」と揶揄されたり、「ハコモノ」と呼ばれた公共施設の利用者が少ないことを批判されたりなどの状況も見聞きしていますからね。

かつての自民党政権は「地方」の農村票が支持の基盤でした。ゆえに地方へとふんだんに予算を割き、それは公共事業費の拡大によって表されました。しかし21世紀の日本においては東京への一極集中が顕著になり、地方が顧みられることが少なくなりました。こういった背景が「総合工事業」の縮小につながっているような気もしますね。

とはいえ、いずれにせよ「地理」の範囲からは逸脱している印象です。細かい理解は不要でしょう。

>設問B
>Aでは経済活動が活発で税金により財政が安定するが、Bでは老年人口の多い年齢構成であり、税収が少なく財政が悪化。そのため市町村合併を進めて公共サービスを効率よくして経費削減をするため。

おもしろいですね。Bについて述べればいいので、Aに言及する必要はありませんが、与えられている字数が多いので、Aについて説明する余地はありましたよね。悪くないかと思います。内容的には全く問題ありません。多い字数制限をいかに埋めるかというテクニックが際立ちます。

「経費削減」という表現もおもしろいと思いますよ。「財政悪化」に呼応して「財政健全化」などという言い方もできたでしょうが、全く問題ありません。むしろ個性的でいいと思います。

私も書いてみました。

「地方圏のB圏の人口構成は高齢者に偏り、経済を支える若年労働者の割合が低く財政基盤が弱い。公共サービスの拡充と財政健全化を目指し、中心市による周辺町村の編入や市町村合併が進行した。」(89字)

「若年労働者が少ない」ことにも言及しています。根本的な疑問として、合併したところで人口構成が変化するわけでもなく、果たして問題解決につながるのかということもあるのですが、本問ではそこまで厳密な回答は求めていないようですね。あっさりとまとめてしまえばそれで十分だったでしょう。

>設問C
>(1)アー郊外 イー都心 ウー中間

いいですね。非常に「モダン」な問題と思います。2010年代以降の日本の社会情勢をうまく示した問題です(もっとも、本問の出題は2009年ではありますが)。現代の日本の人口変化の特徴は、「郊外のニュータウンにおける高齢化の進行」と「都心への人口回帰」ですからね。トレンドに沿っています。

>(2)郊外ではニュータウン建設で一時的に生産年齢人口が増えたが経年で居住者が高齢化し、老年人口が急増している。都心では地価の高騰や居住環境悪化で一時的に生産年齢人口が減ったが、バブル崩壊による地価下落、再開発、高層住宅建設で生産年齢人口が増加。(119字)

前半で「郊外」について、後半で「都心」について、それぞれ60字程度で説明しています。組み立てとしては完璧です。

>郊外ではニュータウン建設で一時的に生産年齢人口が増えたが経年で居住者が高齢化し、老年人口が急増している。

いいですね。「経年で居住者が高齢化し」という表現はとても上手いと思います。意味が正しく伝わります。わかりやすいですよ。そのとおり、ニュータウンは今や「老人の町」になっているわけですね。的確に問題点をあぶり出しています。

>都心では地価の高騰や居住環境悪化で一時的に生産年齢人口が減ったが、バブル崩壊による地価下落、再開発、高層住宅建設で生産年齢人口が増加。

こちらもいいですね。「生産年齢人口」に限らず、総人口が減少したと思われますが、グラフから判定できるのは生産年齢人口だけですからね。グラフの読解が正しくできています。後半の「地価下落」、「再開発」、「高層住宅」と書き並べた点もいいと思います。キーワードがヒットすれば得点になりますから、ポイントになりそうな言葉はどしどし詰め込んでいきましょう。

以下は参考です。私がどういったアプローチで問題に取り組んだかを説明しています。

それぞれのグラフの動きから都心と郊外の特徴について考察してみます。

ア(郊外)については、生産年齢人口も老年人口も1980年以降増加しています。しかし、生産年齢人口は1995年から停滞そして減少しているのに対し、老年人口は伸び方がさらに急になっています。

イ(都心)についてはトータルとして人口が減少し続けてきました。しかし、2000年以降は人口が増加し、とくに生産年齢人口の伸び方は顕著です。

ウ(中間)はおそらく地方都市などでしょう。非大都市圏に位置する。人口に大きな変化はありませんが、日本全体の人口動態の特徴である「微減」「老年人口の増加」をそのまま反映しています。本問ではこの「中間」の人口動態は問われていないので、あくまで参考というかたちです。

以上を考慮して、さらに考えを進めていきます。

都心(イ)と郊外(ア)の典型的な人口動態は以下のとおりです。

都心・・・最初は人口が減少しているが、現在は急増。
郊外・・・人口は増加しているが、現在は高齢者の割合が高まっている。

その原因について「住宅供給」と合わせて考えてみます。都心では、まず高い地価によって人口が減少していたものの、現在は「再開発」により多くの集合住宅が建設されたことが背景にあるはずです。郊外ではニュータウンの建設でしょうか。ただしそれは本図から考えるに1980年代までが中心であり、現在は住民構成の高齢化が際立ちます。

まず都心から。

「都心では高地価で人口が郊外に流出したが、近年は再開発によって多くの集合住宅が建設され、とくに若年層の人口流入が目立つ。」(59字)

さらに郊外について。

「郊外ではニュータウン建設によってとくに若い世代の入居が多かったが、現在は年齢構成の上昇により高齢者が増加している。(57字)

どうでしょうか。とくに難しい言葉は使っていませんが、無理のない説明にはなっていると思います。120という長い文章ですが、トピックを分化させ、さらに「出題者が求める内容」を意識して(今回は「住宅」ですね)文章を構築するのがコツです。

2つの文をあわせて、以下のようになります。

「都心では高地価で人口が郊外に流出したが、近年は再開発によって多くの集合住宅が建設され、とくに若年層の人口流入が目立つ。郊外ではニュータウン建設によってとくに若い世代の入居が多かったが、現在は年齢構成の上昇により高齢者が増加している。」(116字)

どうでしょうか。120字という長い文章ですが、トピックを分化させ、さらに「出題者が求める内容」を意識して(今回は「住宅」ですね)文章を構築するのがコツです。


全体的にとても良かったと思いますが、日本の県のキャラクター(日本海側=水田単作地帯、山梨県=果実など)の掴み方がちょっと弱かった印象です。日本地理も徹底しておきましょう。

  • 2021.07.02 05:53
  • たつじん

東大2009
第一問
設問A
(1)aには硬木で、多様な種類の常緑広葉樹である熱帯雨林が分布。bには軟木で、純林で針葉樹であるタイガが分布。

(2)アフリカ大陸北部とオーストラリア中央部。一年中、下降気流を生じさせる亜熱帯高圧帯の影響下にあり、降水量が少ないから。

(3)インド南西部と中国南東部。季節風による降水が多いため、降水量の季節差が大きく、森林の成長には適さない環境だから。

設問B
(1)標高の高い地域は傾斜が急で土砂の侵食•運搬作用が強くて深い谷ができるが、低い地域では土砂の堆積作用で傾斜が緩やか。

(2)Yは鳥海山に隠れて岩木山が見えにくいが、 Xはどちらも見える。

(3)標高が高く寒冷で傾斜があるためスキー場傾斜があって山の壮観な景色があるためロープウェイというように気候と地形を利用。

第二問
設問A
(1)アーフランス イーイギリス ウースペイン

(2)イギリスは寒冷なため野菜生産は少なく、じゃがいもなどの芋類の生産が多いから。スペインは温暖なため野菜生産が多く、イベリコ豚などのブランド化した肉類の生産が多いから。

(3)南部の丘陵地で野菜の園芸農業や芋類の生産が盛んな一方、北部の干拓地では酪農が行われているため肉類生産が盛ん。

(4)これらの道県では米の生産が盛んだが、米は日本の主食であり安価なため、熱量の割に生産額が低い作物であるから。

(5)山梨では寒冷な高地気候で抑制栽培、宮崎や高知では温暖な気候で促成栽培など、野菜を単価に高い端境期に出荷しているから。

設問B
(1)アータイ いーベトナム ウーインドネシア エーフィリピン

(2)ドイモイ政策により外国の技術を取り入れ、高収量品種の導入や品種改良が進んで収穫量が増大する緑の革命が起きたから。

設問C
国内で所得水準上昇や食生活の変化で肉類の需要が高まり、その飼料作物の大豆の需要も高まって不足分を輸入に頼ったから。

第三問
設問A
(1)aー医療系 bー宿泊業 cー輸送用機械器具製造業 eー食料品製造業

(2)高齢化で増えた高齢者への社会福祉や介護の需要が高まったから。バブル崩壊の後のデフレで、建設需要が減ったから。

設問B
Aでは経済活動が活発で税金により財政が安定するが、Bでは老年人口の多い年齢構成であり、税収が少なく財政が悪化。そのため市町村合併を進めて公共サービスを効率よくして経費削減をするため。

設問C
(1)アー郊外 イー都心 ウー中間

(2)郊外ではニュータウン建設で一時的に生産年齢人口が増えたが経年で居住者が高齢化し、老年人口が急増している。都心では地価の高騰や居住環境悪化で一時的に生産年齢人口が減ったが、バブル崩壊による地価下落、再開発、高層住宅建設で生産年齢人口が増加。

添削よろしくお願いします!

  • 2021.06.30 08:26
  • かい

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