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2021.10.21

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コメント

では添削いたします。

>東大 2008年

>第3問

>A

>(1) a-アメリカ合衆国 b-イギリス c-タイ

いいですね。人口移動については「1人当たりGNIの高い国へと移動」が大原則ですね。aがアメリカ合衆国であるのは間違い無いとして、bはイギリスなのです。

確かにタイについては日本企業の海外現地法人(日系企業)数については「中国>アメリカ合衆国>タイ」の順であるように、経済的なつながりは強いのですが、人口移動については別の要因も作用します。留学を考えれば、1人当たりGNIの高い先進国における日本人の長期滞在者が多いのも納得ですよね(特にイギリスなど英語圏は語学留学生が多いはずです)。

残ったcがタイになります。

>(2) 治安のよい温暖な観光地である。そのため、円高で滞在費が安くなった時期、退職した年金生活者が誘致政策に応じて多く移住した。(60字)

いいですね。いろいろな書き方があったかと思いますが、「治安のよい温暖な観光地である」とまず理由(要因)を言い切っている点がとてもわかりやすいと思います。それ以降の文もうまくまとめられていますね。

>B

>(1) 円高による製造業の「国際競争力」低下や、バブル景気で不足した低賃金労働に従事する「未熟練労働力」を補う必要があった。出入国管理法を改正し、かつてブラジル等に渡った日系「移民」の2世・3世を受け入れることを認めた。(100字)


なるほど、もう少し工夫できたかなと思いますよ。

まず最初の文ですが、ちょっと形式的にぎこちない印象です。「円高〜低下」が主語なのでしょうか。

「円高による製造業の国際競争力低下」と「バブル景気で不足した低賃金労働に従事する未熟練労働力」を「補う必要があった」、ということでしょうか。

やや意味が通りにくいと思いますし、そもそもこの場合は「補う」という述語は適当だったのでしょうか。

「国際競争力低下を補う」という言い方がわかりにくいかと思います。

おそらくチョウセイさんはこの「国際競争力」という言葉の使い方でかなり悩んだのではないでしょうか。

「国際競争力低下を補う」のならば、シンプルに「国際競争力を高める」という形にして、これを文章のどこかに入れてみてはどうだったでしょう。

90字という長い文字数制限ですから、じっくりと文章を組み立てる必要性があったと思いますよ。

たとえば私はこのように書いてみました。

「労働力不足の解消、安価な労働力の利用で国際競争力を高めるため、日系人に限り未熟練労働力の受入が法的に可能になった。日本からの移民が多く日系人の人口が大きいブラジルからの流入が急増。(90字)」

チョウセイさんと同様、まず冒頭で理由の説明をしています。ただ、私の場合はここで「労働力不足の解消、安価な労働力の利用で国際競争力を高めるため」というように、よりシンプルな形でまとめてしまいました。その分だけ、文章の後半の自由度が高く、説明を丁寧にしています。

移民については「日本からの移民」としました。実は「日系移民」という言い方は不適当なのですよ。

こういった国際的な人口移動に関する話題の場合、「日本人」は日本の国籍を有する人のことで、「日系人」は外国人です。親が日本人でありながら、ブラジルの地で生まれたら、彼らは日系ブラジル人となります。

つまり「日系移民」と言ってしまうと、これは外国人のことを指す言葉になってしまいます。これ、おかしいですよね。日本人がブラジルに移民し、そこで日本人として暮らしています。統計をみてわかるようにブラジルには日本人の永住者が多くなっています。彼らは移民先でも国籍は日本なのです。「日本からの移民」などように表現するべきでしょう。

法律の名称(出入国管理法)という言葉を使ってみたかったのですが、うまくいきませんでした。ちょっと残念なところです。

なお、この書き方でわかるように、受け入れ対象の日系人はもちろんブラジル人に限定されるわけではありません。たとえば同時期にペルー人の流入も急増しています。ただ、そもそもの日系人人口が多いブラジルだからこそ、ブラジル人の数がとくに多くなっているわけですね。短い字数でここまで表現することは困難ではあるのですが、できる範囲で工夫してみてくださいね。

>C

>(1) 4都市は全て世界金融センターである。現地に「進出」していた「銀行」等の日系金融機関が、「金融危機」の影響で規模の縮小や撤退を行った。
(60字)

いいですね。こちらの「日系」の使い方は適当に思いますよ。「世界金融センター」という言い切りもいいと思います。

(2) 上海は、豊富な「人口」・「後背地」を擁す経済発展の一大拠点である。そのため、「工場」建設や「都市開発」に向けて日本企業の「進出」が相次いだ。(60字)

こちらもいいですね。おそらく本問では「後背地」の使い方がポイントの一つだったと思います。使うことが求められていたと思います。後背地とはつまり「背後の土地」のことですが、その都市を支える経済的な基盤がその背後に広がっていることを述べるとさらに良かったとおもいます。

上海は中国最大の都市であるだけでなく、港湾都市として華中地域の経済を支えます。上海の背後には多くの都市が近接し、巨大な経済圏を形成しています。これらの支えがあってこそ、さらに上海は発展するわけです。

「都市開発が進み人口も多い上海は広い後背地を有し経済力も大きい。日本から企業進出が急増し、工場も多く設けられた。」(55字)

こんな感じでしょうか。「中枢管理機能」はちょっと使いにくい言葉だと思います。むしろ中枢管理機能は首都のペキンの方が発達しているかもしれません。

さらに演習を続けましょう。

  • 2021.10.30 17:25
  • たつじん

東大 2008年



第3問


A

(1) a-アメリカ合衆国 b-イギリス c-タイ

(2) 治安のよい温暖な観光地である。そのため、円高で滞在費が安くなった時期、退職した年金生活者が誘致政策に応じて多く移住した。(60字)


B

(1) 円高による製造業の「国際競争力」低下や、バブル景気で不足した低賃金労働に従事する「未熟練労働力」を補う必要があった。出入国管理法を改正し、かつてブラジル等に渡った日系「移民」の2世・3世を受け入れることを認めた。(100字)


C

(1) 4都市は全て世界金融センターである。現地に「進出」していた「銀行」等の日系金融機関が、「金融危機」の影響で規模の縮小や撤退を行った。
(60字)

(2) 上海は、豊富な「人口」・「後背地」を擁す経済発展の一大拠点である。そのため、「工場」建設や「都市開発」に向けて日本企業の「進出」が相次いだ。(60字)

  • 2021.10.22 18:05
  • チョウセイ

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