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2021.10.13
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コメント
では添削いたします。
>東大 2012年
>第1問
こちらの問題はスタディサプリ地理・論述編第5講でも取り上げていますので、詳しくはそちらをご覧ください。
>A
>(1) ア-b イ-c ウ-a
西岸は海洋からの偏西風の影響で気温が下がらない。この傾向は東に行くと弱まる。比熱が小さい内陸は寒冷となる。(53字)
いいですね。的確に述べられています。
>(2) カ-Z キ-Y ク-W ケ-X
適切です。
>(3) Sは世界最深な淡水湖で、周辺の工業開発によって水質が悪化。Tは乾燥「気候下」の塩湖で、灌漑などの「人為」的要因で水位が低下。(58字)
こちらもいいですね。文字数が限られているので、端的にポイントのみを述べることが大切でした。
>(4) W-カトリック Z-ラマ教
正解です。
>B
>(1) a-③ b-④ c-⑤ d-② e-①
aは人口でわかりますね。カリフォルニア州に次いで人口が多いのがテキサス州です。
bはコーンベルトに位置する州であることはわかるでしょう。人口が大きく、大都市であるシカゴを含むイリノイ州となります。
cも人口が多いことがポイントにあり、大都市デトロイトを含むミシガン州です。しかし農業はふるいませんね。
dは小麦の生産が際立って多くなっており、小麦地帯の①と②に絞られますが、とうもろこしの生産も比較的多く、寒冷な①は該当しません。②のカンザス州ですね。
eは逆にとうもろこしが少なく、こちらが①のノースダコタ州になります。
アメリカ合衆国の州については位置を一通り覚えてしまった方がいいですよ。名称と位置が一致すると、こうして過去問を解きながらその特徴がスムーズに頭に入るようになります。
(ちなみに私は中国の省は覚えていませんが、アメリカ合衆国の州については頭に入っています。意外によく出題されます)
>(2) 金融危機の影響で全国的に失業率が上昇した。農業中心の西部よりも、金融業や製造業が発達する北東部で雇用の悪化が顕著である。(60字)
「西部」がちょっと惜しいかなと思います。プレーリーからグレートプレーンズにかけての小麦地帯ですよね。ここの表現をちょっと工夫してほしかったかなと思います。
詳しくみていきましょう。
まず「金融危機」ですが、これは具体的にはリーマンショックを表しているかと思います。リーマンショックは2008年ですよね。この影響が2009年のデータに現れるのは納得です。ただ「2005年以降」という言葉を文字通り捉えるならば「2006年」や「2007年」も入るわけで、これらはリーマンショックは関係ありませんよね。
そうした金融危機は関係なく、産業構造的に継続した変化(重工業の衰退)が生じている様子を言及する必要があったかと思うのです。
失業率は全体に上昇していますが、その度合には地域ごとの違いも現れています。上昇率の高低で州を分けてみます。
(高)ミシガン・オハイオ・ケンタッキー・テネシー・イリノイ・インディアナ
(中)ペンシルベニア
(低)テキサス・カンザス・ノースダコタ
こういった感じでしょうか。
「五大湖沿岸では失業率の上昇が顕著。重工業の衰退による。農業を基盤とする小麦地帯に位置する州では失業率の上昇は緩やか。」(58字)
「地域的特徴」を明確にしています。五大湖沿岸の工業地帯と、小麦を中心とした農業地帯。また、リーマンショックを取り上げてしまうと、製造業のみでなく商業やサービス業を含めたアメリカ合衆国全体の産業への影響を論じることになり、今回は無理に登場させる言葉でもなかったような気がします。
「金融」についても触れていませんが、メガロポリスを構成するフィラデルフィアを含むペンシルバニア州で失業率がさほど上昇していないことを考えると、やはり「金融」ではなく、自動車を中心とした「重工業」にターゲットを絞ってしまって良かったように思います。ミシガン州にはデトロイトが位置し、さらにオハイオ州も日系の自動車工場が多く進出しています。
工業地域と農業地域との対比が本問の最大のポイントだったのではないでしょうか。
>(3) 第1期は、低賃金で用地や資源が得やすいサンベルトへの工業進出で、南部や太平洋岸で被雇用者数が増えた。第2期は、新興工業国の台頭でサービス経済化が進展し、全国的に被雇用者数が減った。(90字)
こちらも良問ですね。やはり統計を分析する力が求められています。
まず第1期。
A(変化なし)
B(低下)
C(やや低下)
D(変化なし)
E(やや上昇)
F(変化なし)
G(やや上昇)
H(変化なし)
I(やや上昇)
こういった形でしょうか。BとCでの低下、E、G、Iでの上昇が明確です。
北東部や五大湖沿岸の旧来の工業地域(鉄鋼業や自動車工業など重工業が発達)で低下しています。サンベルトである南部、そして太平洋岸で上昇しており、こちらは知識産業の発達が見られる地域です。
では第2期について見てみましょう。
A(やや低下)
B(低下)
C(変化なし)
D(やや上昇)
E(変化なし)
F(変化なし)
G(やや上昇)
H(やや上昇)
I(変化なし)
なるほど、Iにおける上昇の度合いが低下した程度でしょうか。あまり第1期と大きな違いはないようです。
よって、こちらは「実数」に注目しましょう。アメリカ合衆国は比較的人口増加率の高い国であり、労働者の数も増えているはずです。しかし、第2期は「18950」から「12781」へと極端に数が減っています。こちらについて論じたらいいのではないでしょうか。
与えられている文字数制限は90字です。二つのトピックについて書くのですから、45×2が目安ですね。
「第1期。重工業の衰退により北東部や五大湖沿岸で数値が低下。知識産業の発展によりサンベルトや太平洋側で数値が上昇。第2期。製造業被雇用者数が大きく減少。産業構造の変化が顕著。」(86字)
このような文章にしてみました。第1期では製造業の範囲内における業種変化(重工業→知識産業)を、地域の違い(北東部など、サンベルトなど)に関連付けて論じました。第2期では全体の被雇用者数について言及しています。文字数が限られているため。「産業構造の変化」という言葉のみで片付けています。
チョウセイさんの解答でも気になったのは実はこの部分で「新興国の台頭」は悪くないにしても、それについての説明がなく、因果関係が見えにくいのです。「新興国の台頭」→「製造業の移転」→「アメリカ合衆国内での製造業の衰退」→「サービス産業化」ということだとは思います。
それならば、シンプルな決まり文句として「産業構造の変化によって」で十分だったのではないでしょうか。新興国の成長に関係なく、アメリカ合衆国で知識産業が活性化し(GAFAM)、そうした産業構造の変化が第3次産業の雇用増大を生んだのだと思います。
では次回も期待してます。
- 2021.10.26 20:45
- たつじん
東大 2012年
第1問
A
(1) ア-b イ-c ウ-a
西岸は海洋からの偏西風の影響で気温が下がらない。この傾向は東に行くと弱まる。比熱が小さい内陸は寒冷となる。(53字)
(2) カ-Z キ-Y ク-W ケ-X
(3) Sは世界最深な淡水湖で、周辺の工業開発によって水質が悪化。Tは乾燥「気候下」の塩湖で、灌漑などの「人為」的要因で水位が低下。(58字)
(4) W-カトリック Z-ラマ教
B
(1) a-③ b-④ c-⑤ d-② e-①
(2) 金融危機の影響で全国的に失業率が上昇した。農業中心の西部よりも、金融業や製造業が発達する北東部で雇用の悪化が顕著である。(60字)
(3) 第1期は、低賃金で用地や資源が得やすいサンベルトへの工業進出で、南部や太平洋岸で被雇用者数が増えた。第2期は、新興工業国の台頭でサービス経済化が進展し、全国的に被雇用者数が減った。(90字)
- 2021.10.20 11:32
- チョウセイ
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