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2020.05.16

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コメント

では添削しますね。

>東京大学 1995年大門1

>設問A
>(1)ヴォルガ川 (名称が出てこずこれは解答を見ました)

これはなかなか名前が出てこないと思いますよ。答えを見ることは悪いことではありません。適切です。


>(2)上中流域では亜寒帯で冬季に川は凍結するが下流域では乾燥帯であるステップ気候が卓越する。また、地形では安定陸塊の構造平野が広がり平坦なため、流れが非常に緩やかとなっている。(86/90字)

いいですね。自然環境といえば「地形」と「気候」です。この2つについて説明することが求められています。うまく書けていますね。

まず気候については「上中流域→冷帯、下流域→ステップ気候」としっかり述べられています(なお、亜寒帯は一般的な言い方ではないので「冷帯」でいいと思いますよ)。より詳しくいえば、上中流域「冷帯・冷帯湿潤気候(Df)」、下流域「乾燥帯・ステップ気候(B S)」ですが、この辺りの記述内容は字数制限と相談ですね。

さらに地形ですが、その通り、「構造平野」で間違いありません。構造平野は安定陸塊に含まれる地形ですので、「安定陸塊の構造平野」という言い方も適切です。安定陸塊や構造平野の意味について説明する必要はありませんが(字数的にも無理ですもんね)、「平坦」とその特徴を一言で言い切っているのも適切です。「流れ〜」以降もいいですね。

これら「気候」と「地形」に関する内容が過不足なく書かれており、十分に合格点です。


>(3)降水量が減ったという副次的要因もあるが主には周辺で行われている綿花などの農業のためにアムダリア川・シルダリア川を大量に周辺の住民が灌漑した結果、湖への河川流入量が減少し、湖面からの蒸発量より湖への流入水量が少なくなったから。(113/120字)

こちらもいいですね。「降水量」という言葉が使いにくかったと思いますが、よく工夫されていると思いますよ。本問のポイントとなる語句は、「綿花」「灌漑」だったと思います。これらを使用して、無理なく状況が説明されています。合格点です。


>設問B
>(1)自動車の排ガス。自動車の排ガスに含まれる二酸化窒素は自動車走行台数の増加に伴って増えていると考えられるから。(56/60字)

素晴らしい解答です。完璧だと思いますよ。エンジン車はエンジン内で高温高圧により酸素を酸化させるため、どうしても窒素酸化物(二酸化窒素)が排出されます。このことがきちんと理解されていますね。おそらく自動車の通行量の多い路肩に設置された観測装置なのでしょう。「自動車の排ガス=窒素酸化物、化石燃料の燃焼=硫黄酸化物」ですね。

>(2)かつては工場などの固定発生源が主な大気汚染物質を出していたが、産業構造の高度化や脱硫装置の普及により今では人口集中による都市での物流のための輸送が主な大気汚染物質発生源である。(89/90)

これもいいですね。「脱硫装置」を指摘している点が出色です。これ、とてもいいと思いますよ。石炭に不純物として硫黄が含まれているため、この燃焼によって硫黄酸化物が排出されるわけですね。しっかり内容が理解されています。

二酸化硫黄は工場など固定発生源からの排出が深刻だったが今は産業構造の変化や脱硫装置の設置により緩和。二酸化窒素は人口集中が著しく物流の活発な都市部で自動車走行量が多く排出量も増加。(90字)

「二酸化硫黄」と「二酸化窒素」を使って文章を作ってみました。おそらくこのような解答は求められていないとは思いますが、参考までに。字数内に無理やり詰め込んだので、日本語としてスムーズでない部分にありますが、地理は「現代文」ではないので、文章力は大きく問われることはありません。また「産業構造」については「高度化」としてしまうと、「第1次産業(農業)から第二次産業(工業)、そして第三次産業(商業)」への変化といったような「ステージ」の上昇を示すことが一般的となり、特別な意味をもちます。ここは単に「産業構造の変化」とシンプルに(曖昧にぼかす?)書いてしまったほうが適切です。これならば「重化学工業(エネルギー多消費型の重厚長大産業)から知識集約型の先端産業」への変化を意味することができます。こちらの意味の方が本問については適切ですよね。

>p.s:
>自分は高校2年で今年のうちに地理を完成させたいのでこれから毎週月曜日に東大の大門1つを今回のようにやり、ちょうど1年ほどで東大25年分(サプリ論述編で既に解いたのは除く)を終えようという予定です。ですので毎週送らせていただきますがぜひ添削よろしくお願いします!

素晴らしいですね、いいではありませんか。走れば100メートルでも息が切れ、さらに筋肉の怪我を生じることもありますが、歩けば1000メートルの道のりでも楽しく無理なく進むことができます。「ゆっくり」取り組むことはとても大切だと思いますよ。1年以上の時間をかけてじっくり勉強を進めましょう。私も楽しく添削させてもらいますね。こちらこそヨロシクです。

  • 2020.05.22 19:49
  • たつじん

東京大学 1995年大門1
設問A
(1)ヴォルガ川 (名称が出てこずこれは解答を見ました)
(2)上中流域では亜寒帯で冬季に川は凍結するが下流域では乾燥帯であるステップ気候が卓越する。また、地形では安定陸塊の構造平野が広がり平坦なため、流れが非常に緩やかとなっている。(86/90字)
(3)降水量が減ったという副次的要因もあるが主には周辺で行われている綿花などの農業のためにアムダリア川・シルダリア川を大量に周辺の住民が灌漑した結果、湖への河川流入量が減少し、湖面からの蒸発量より湖への流入水量が少なくなったから。(113/120字)

設問B
(1)自動車の排ガス。自動車の排ガスに含まれる二酸化窒素は自動車走行台数の増加に伴って増えていると考えられるから。(56/60字)
(2)かつては工場などの固定発生源が主な大気汚染物質を出していたが、産業構造の高度化や脱硫装置の普及により今では人口集中による都市での物流のための輸送が主な大気汚染物質発生源である。(89/90)

p.s:
自分は高校2年で今年のうちに地理を完成させたいのでこれから毎週月曜日に東大の大門1つを今回のようにやり、ちょうど1年ほどで東大25年分(サプリ論述編で既に解いたのは除く)を終えようという予定です。ですので毎週送らせていただきますがぜひ添削よろしくお願いします!

  • 2020.05.18 17:31
  • かい

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