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2021.06.26
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コメント
では添削いたします。
>東京大学 2018年 第1問 (記述のみ抜粋)
>設問A
>(1)人間の呼吸や化石燃料に伴う二酸化炭素の排出
どうでしょうか。排出のみでなく吸収にも注目してほしかったところです。
大気中の二酸化炭素濃度が上昇している理由を二つ挙げることが求められています。一つは「排出量が増加した理由」、一つは「吸収量が減少した理由」ですね。本問の最大のポイントは字数制限が短いことです。端的にポイントだけを挙げる論述スタイルを意識しましょう。
排出量が増加した理由についてはもちろん「化石燃料」の使用量の増加を上げましょう。吸収量については「森林の減少」ですね。とくに疑問となる部分はないと思います。
例えばこのような形になります。
「化石燃料の使用量増加。森林伐採による二酸化炭素吸収量の減少。」(30字)
参考にしてください。
>(2)春から夏にかけて植物による光合成が活発になる一方で、秋から冬にかけては光合成量が少ないため
→初見の問題でしたが光合成に注目して考えてみました
いいと思いますよ。字数に余裕があるので、もうちょっと工夫して説明を増やして欲しかったところですが、内容的には問題ありません。
グラフの正しい読解が重要になる問題です。グラフの動きをよく見ると、1年間のサイクルの中で数値の増加と減少を繰り返していることがわかります。こちらも(1)と同様に「排出」と「吸収」の二つの要因から推理を進めるのがコツとなっています。
季節が要因となるのは理解できますね。「夏」、「冬」という書き方でも構いませんが、ハワイのような低緯度地域では「高日季」、「低日季」という表現を用いるのが一般的です。
二酸化炭素の吸収について、植物の「光合成」を考えてみましょう。光合成が盛んな季節は二酸化炭素の吸収量が増加するわけですね。「常夏」のハワイとはいえ、やはり季節による植物の成長の度合いの違いはあるはずです。これについてしっかり言及すればいいでしょう。
一方、二酸化炭素の排出が季節によって変化する要因としては、「暖房」用のエネルギーの使用があります。ただしハワイの場合、低日季(冬)とはいえ暖房が必要となるほど冷え込むわけではなく、これについては触れない方がいいかも知れませんね。字数制限が60字とやや余裕があるので2つのトピックに触れたくなりますが、本問については1つのトピックのみについてしっかり回答するべきかも知れませんね。
「高日季は植物の成長が旺盛で光合成が活発。二酸化炭素の吸収が多く値が低下。低日季は光合成が不活発で吸収が減少し値が上昇。」(59字)
こういった形となります。
>(3)Aでは地球温暖化の対策をせず、気温がどんどん上昇していきDではエネルギー消費を抑えられ、それが固定されていくシナリオである
→固定を用いるのが難しかったです
たしかに「固定」は難しいですね。この機会に使い方を覚えておくといいですよ。
植物を増やし、体内に二酸化炭素を取り込みます。このことを「二酸化炭素の固定」というのですね。
「Aでは経済成長を優先し化石燃料の使用を制限しない。二酸化炭素濃度が上昇。Bでは温暖化対策が取られる。省エネルギーや新エネルギーの開発、植林による植物への二酸化炭素の固定量の増加。」(89字)
どうでしょうか。こちらも字数に余裕があるので具体的な事例を挟み込みながら、字数を稼ぐことが必要になります。
設問B
(3)海水温が比較的低く、高度による風向・風速の差が大きいから
曖昧な問題です。私もこの問題には頭を悩ませました。熱帯低気圧はとりあえず水温が高くないと発生しませんよね。南米では東岸を暖流が流れているのですが、なぜ熱帯低気圧の発生がみられないのでしょう。私にもわかりません。とりあえず、日本海流やメキシコ湾流ほどには水温が高くないのではないでしょうか。不確かではありますが、これしか書くことがないんですよね。
とりあえずこのようにしてみました。
「西岸を寒流が流れるなど低緯度海域でも全体に水温が低いから。」(29字)
水温だけ書いたらいいと思いますよ。風向についてはとくに関係ないかと思います。南米だけ他の大陸と風の吹き方が違うということはないでしょう。
>(4)地球温暖化が原因で熱帯低気圧が増加し、それに伴い都市部への人口密度が上がり、ヒートアイランド現象が活発になるため
→難しかったですが自分なりに考えてみました
いいですね。難しい問題であってもとりあえず自分の言葉で文章を書き綴ってみることは大切です。部分点狙いでもいいと思いますよ。非常に興味深い問題であり、受験生の実力差が出やすいでしょう。
字数制限は60字ですが、「理由」について「自然」と「社会」の2つの側面から答えることが求められることになり、2つのトピックが必要となります。これ、なかなか字数的に厳しいですよね。短いながらも「濃い」文章をつくりましょう。
比較的回答が簡単なのは「社会」的変化の方でしょう。「被災する」可能性が高い地域へと住居が拡大し、被災人口が増えるわけです。
一方で「自然」的変化は難しいかも知れません。一般的に(そして今回の大問のテーマになっている)地球温暖化によって低緯度地域における大気中の水蒸気量が増えたり、上昇気流の作用が活発化することで熱帯低気圧そのものが巨大化することが予想されていますが、しかし本問では「熱帯低気圧と強度や発生頻度が増大しなくても」という文章が加えられています。熱帯低気圧そのものに言及できません。
ですので、ここは同じく地球温暖化に注目し、それによる海面上昇で、かつて高所であって災害に強い土地であったものが標高が下がることにより水害に対し脆弱になる様子を指摘したらいいのではないでしょうか。
とにかく文章制限が厳しいので、詳しく書くことはできません。曖昧でいいので、簡潔に言い切ってしまえばいいでしょう。
「地球温暖化による海面上昇で浸水被害を受けやすい土地が広がった。人口増加で低地や斜面など災害を受けやすい土地へ住居が拡大。」(60字)
問題そのものが難しいので、この程度の解答で十分だったかと思います。参考にしてくださいね。
全体の印象として「字数」の使い方にもうちょっと工夫が必要かなと思いました。字数制限が緩ければ、より多くの内容を詰め込み、さらに「濃い」文章を目指して下さい。逆に字数制限が厳しい場合は、短い中に多くのトピックを詰め込んでください。
自分なりに考える姿勢は素晴らしいと思います。内容的には十分かと思います。これからは形式にも注意した解答を作成しましょう。
- 2021.06.28 19:52
- たつじん
東京大学 2018年 第1問 (記述のみ抜粋)
設問A
(1)人間の呼吸や化石燃料に伴う二酸化炭素の排出
(2)春から夏にかけて植物による光合成が活発になる一方で、秋から冬にかけては光合成量が少ないため
→初見の問題でしたが光合成に注目して考えてみました
(3)Aでは地球温暖化の対策をせず、気温がどんどん上昇していきDではエネルギー消費を抑えられ、それが固定されていくシナリオである
→固定を用いるのが難しかったです
設問B
(3)海水温が比較的低く、高度による風向・風速の差が大きいから
(4)地球温暖化が原因で熱帯低気圧が増加し、それに伴い都市部への人口密度が上がり、ヒートアイランド現象が活発になるため
→難しかったですが自分なりに考えてみました
添削よろしくお願い致します。
すみません、1つ質問失礼致します。9月以降、2次の地理に時間をかけたいため、夏休みはセンター地理を10年ほど解こうと思っているのですがどうでしょうか?
- 2021.06.27 21:04
- ふぐふぐ
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