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2021.12.06
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コメント
では添削いたします。
>1997年第3問
>設問A
>イ。通勤・通学の時間距離が短縮化。結果、家賃が高い都心から流出した人口が、家賃が低く住環境の良い郊外に流入するから。
「短縮化」」という表現がいいですね。シンプルな表現を用い、文章をすっきりさせています。高評価です。
60字の文章ですから、2つのトピックで組み立てることが必要になります。本問のポイントは2つあります。
1)都心部での人口減少
2)郊外での人口増加
「結果、家賃が高い都心から流出した人口が、家賃が低く住環境の良い郊外に流入する」と一文で言い切るのではなく、この部分を二つに切ることで適切な組み立てになったと思いますよ。
「地価高騰、住環境の悪化により都心地区から人口が流出。公共交通機関の整備による通勤圏の拡大で地価の安い郊外で人口増加。」(57字)
例えばこういった形です。参考にしてくださいね。
>設問B
>都市が郊外へ無秩序に拡散することで、道路や上下水道等のインフラ整備への効率的な公共投資が困難。結果、利便性が低下するため、新たな産業や人口は流入せず、都市の商工業が衰退する。
とてもわかりやすい文章です。問題文では「都市の発展」にとって望ましくない「理由」を述べろとされていますが、スプロール現象についてしっかり説明すればそれで十分だったでしょう。
スプロール現象のようなオーソドックスな用語については適当な文字数で説明できるよう練習しておくべきでしょう。
>都市が郊外へ無秩序に拡散することで、
ここはもうちょっと具体的に書いた方がいいかも知れません。「農地や林地の間に住宅地や工場が点在」、「虫食い状の乱開発」などの表現が考えられます。
>道路や上下水道等のインフラ整備への
ここはいいですね。単に「インフラ」とせず、「道路」や「上下水道」といった具体例を入れている点が素晴らしいです。
>効率的な公共投資が困難。
ここもいいですね。「公共投資」は使いにくい言葉だったと思います。
>結果、利便性が低下するため、
ここも問題ないかと思います。
>新たな産業や人口は流入せず、都市の商工業が衰退する。
この部分はちょっと気になりました。スプロール現象はあくまで「郊外」の現象であるため、そこに存在するのは住宅地としての機能だけです。「新たな産業」が流入しなくとも構わないかと思いますよ。
90字と字数がたっぷりあるのですから、落ち着いてじっくり説明すれば良かったと思います。
「郊外における乱開発であり、農地や林地の中に住宅地や工場用地が虫食い状に散らばる。公共投資が効率的に行われず、道路や上下水道などのインフラ整備が遅れ、住民の利便性が損なわれる。」(87字)
こういった形です。良かったら参考にしてください。
>設問C
>(1)通勤・通学の時間帯での交通渋滞や公共交通機関の混雑が深刻。目立った産業がないため、税収が少なく、インフラ整備が困難。
前半はいいですね。一般にニュータウンの問題点としては、昼間人口の少なさによる地域コミュニティの形成の困難さが挙げられます。こちらを後半で言及するべきでした。
「通勤・通学の時間帯での交通渋滞や公共交通機関の混雑が深刻。昼間人口が少なく、地域コミュニティの形成が困難。」(53字)
このようになります。税収についてはむしろ人口が多いので豊富だと思いますよ。逆に、都心部で夜間人口が減少することで、こちらの税収低下が問題になります。例えば、都心部への通勤者は郊外に住居があろうと、一日のうちの過半を都心部で過ごしているわけです。しかし住民税は郊外の町に納めています。彼が都心部で廃棄したゴミは、彼が税金を払っていない都心部で収集、処理されているわけですよね。
>(2)入居開始時の世代が一斉に高齢化し、少子化が進んだ。設備の老朽化や商店の撤退により若年層の流入はなく、子供は少ないまま。
どうなんでしょう?後半部分の「設備の老朽化や商店の撤退」が気になります。開発後、30〜40年ではさほど建物は劣化しませんし、商店についてもむしろ郊外型のショッピングセンターは増えていますよね。そもそも「全体の人口は減少していない」のですから、老朽化や商業施設の減少は問題になっていないはずです。
本問は「世代の偏り」に特化して説明するべきだったと思いますよ。地域全体の人口構成が高齢化し、それにより子どもが減ったことを述べるべきでしょう。
「世代の偏りが原因。開発時に若年層が入居しその子が小学校に通う時期に一気に小学校が増加。新規の入居者は少なく児童数は減少。」(60字)
最初に理由を言い切り、その後で詳しい説明を加えるという形で文章を作っています。それぞれの文を体言止めにすることで、字数の節約も図りました。地理の論述問題は現代文や国語ではありませんので、上手い文章は必ずしも必要ではありません。自分なりの工夫をしてみましょう。
書くべき内容に比して文字数に余裕があるため、具体的に「小学校」という言葉を用いて説明しています。トピックは「住民の高齢化」と「新規の入居者(若年層)の流入がない」ことの2つを意識しています。
Koudaiさんはとても言葉のセンスがいいと思いますよ。適切な言葉を用いて説明できています。さらに演習を続けていきましょう。
- 2021.12.19 08:53
- たつじん
1997年第3問
設問A
イ。通勤・通学の時間距離が短縮化。結果、家賃が高い都心から流出した人口が、家賃が低く住環境の良い郊外に流入するから。
設問B
都市が郊外へ無秩序に拡散することで、道路や上下水道等のインフラ整備への効率的な公共投資が困難。結果、利便性が低下するため、新たな産業や人口は流入せず、都市の商工業が衰退する。
設問C
(1)通勤・通学の時間帯での交通渋滞や公共交通機関の混雑が深刻。目立った産業がないため、税収が少なく、インフラ整備が困難。
(2)入居開始時の世代が一斉に高齢化し、少子化が進んだ。設備の老朽化や商店の撤退により若年層の流入はなく、子供は少ないまま。
- 2021.12.11 18:05
- Koudai
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