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2017.11.20

添削フォーム20

 コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。


コメント

こんばんわ(^^) たいへん遅れました。申し訳ありません。今後はより早く対応できるよう心がけますので、ご容赦くださいませ。では、添削いたします。

>利根川沿いに氾濫原が形成され、河岸には自然堤防、その背後に後背湿地が広がり、さらに背後では相対隆起によって台地が形成される。

適切な読解ができていると思います。自然堤防については明確にみられるわけではありませんが、とくに問題ないでしょう。河川沿いに集落があれば、自然堤防上に形成されたものと考えて妥当と思います(古地図なら分かりやすかったんですけどね。都市化の課程で自然堤防があいまいになってしまうことはよくあります)。
「台地」という読み取りも適切です。「洪積台地」としてもいいのですが、その言い方は最近の教科書からは外れており、単に「台地」と表現されるようになりました。その点でも「台地」という読み取りは大切です。
ただ、一つ「相対隆起」は気になりますね。低地の部分に比べ、台地の部分が大きく隆起しているという意味と思いますが、むしろ「全体が隆起している」と考えた方がベターです。関東平野においては、更新性に大きな隆起があり、それまで低地だった部分が台地に、浅海底だった部分が海岸平野になりました。下総台地(洪積台地)と九十九里平野(海岸平野)の関係を考えてみてください。「更新世の隆起によって形成された台地がみられる」などとした方が良かったかもしれません。

>台地は南の海岸沿いに50mの海食崖をなし、北の利根川に対しては河岸段丘となっている。

いいですね。「50m」という具体的な数値が挙げられている点がまず素晴らしいと思います。また、「海食崖」も適切です。正しく地形図を読み取っています。ただし、ちょっと気になるのが「河岸段丘」でしょうか。良かったら、教科書などで河岸段丘の成因について調べてみてください。河岸段丘は「土地の隆起」に加え、「河川による侵食」が生じる地域において形成されます。浸食作用の活発な急峻な地形(河川上流部にこうした地形は多いですね)と河岸段丘はセットで考えるべきで、本図のような河川下流域の堆積作用が活発な地域において河岸段丘はあまりそぐわないものとなっています。むしろ、台地の上にみられる小さな谷に注目し(七ツ池など)、「台地上の小河川によって、樹枝状の小さな侵食谷がみられる」といった一文を付け加えてみたら良かったと思います。

>高燥な自然堤防上では市街地が形成され、住宅や学校が多く立地する。また寺院や神社が多く古くから栄えてきた事が分かる。幹線道路やJR線、銚子大橋が通っており、交通の便も良い。

この部分もいいですね。何しろ長い文章を書くことが求められているのですから、こうした「字数稼ぎ」をうまく行うことは大切ですね。上手です。

>一部では乾田や畑としても利用されている。

ただし、ここはちょっと気になります。「乾田」の土地利用記号は現在はみられないはずですが(現在の水田は原則として全て乾田です)。単に「田」や「水田」で良かったように思います。

>低湿な後背湿地では広く水田に利用されているが、自然堤防沿いには畑の土地利用や宅地開発がなされている。特に市街地の中心の近くではほとんどが新興住宅に占められ醤油工場も立地している。

ここも問題ないと思います。ただ、上の「高燥な自然堤防上では〜交通の便も良い」の部分と同じ内容を繰り返しているだけのように思いますが、いかがでしょう。

>背後の段丘崖や南部の侵食谷には針葉樹林が広がり谷間の低湿な場所では水田に利用されている。

細かい土地利用に言及できていて、とても良いですね。

>台地上では高燥なため畑として利用され水害の恐れも小さく新興住宅が多く老人ホームも立地するが、古くからの集落も立地する。

この部分は非常に適切と思います。せっかくですので、話題をもっと広げて、ここで「字数稼ぎ」をしても良かったのではないでしょうか。
例えば、具体的な「新興住宅地」はどこでしょうか。そして、それはなぜそのように判定できるのでしょう(道路区画が整然としている、幹線道路に沿っている、など)。さらに「古くからの集落」にもより詳しく言及してください。こうした台地においては、その周辺部(崖下、斜面、麓)に集落が自然発生します。「浄水場」のあたり、「春日町」のあたりなどが好例でしょうか。「台地における自然発程的な集落の立地パターン」についてはぜひ復習をしておいてくださいね。

筑波の問題の場合、最優先課題とされるのは「400字を埋め尽くす」ことです。非常にスムーズな文章となっており、この点は軽々とクリアしていますね。十分な力はあると思います。

内容的にはやや物足りない部分もありましたが、しかしいずれも決して「間違い」というわけではなく、減点対象となることもないでしょう。

今回はとくに時間をいただいてしまい、重ねて、大変申し訳ありませんでした。これに懲りず、どしどし解答を投稿してくださいね。

  • 2017.12.10 14:59
  • たつじん

こんばんは。
いつも詳細に添削していただき有難うございます。
今回も宜しくお願いします。

筑波大学2015年第1問です。
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利根川沿いに氾濫原が形成され、河岸には自然堤防、その背後に後背湿地が広がり、さらに背後では相対隆起によって台地が形成される。台地は南の海岸沿いに50mの海食崖をなし、北の利根川に対しては河岸段丘となっている。高燥な自然堤防上では市街地が形成され、住宅や学校が多く立地する。また寺院や神社が多く古くから栄えてきた事が分かる。幹線道路やJR線、銚子大橋が通っており、交通の便も良い。一部では乾田や畑としても利用されている。低湿な後背湿地では広く水田に利用されているが、自然堤防沿いには畑の土地利用や宅地開発がなされている。特に市街地の中心の近くではほとんどが新興住宅に占められ醤油工場も立地している。背後の段丘崖や南部の侵食谷には針葉樹林が広がり谷間の低湿な場所では水田に利用されている。台地上では高燥なため畑として利用され水害の恐れも小さく新興住宅が多く老人ホームも立地するが、古くからの集落も立地する。

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以上です。
宜しくお願いします。

  • 2017.11.23 22:30
  • poen

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