ブログ

2020.05.01

投稿フォーム70

コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。

コメント

(同じ投稿をフォーム91にしております。すでに述べたように今後は、未使用のフォームに投稿してくださいね)

  • 2020.06.09 21:31
  • たつじん

>こんにちは。添削いたします。

>東大 1995年 第一問

>設問A
>(1)ヴォルガ川

正解です。ヴォルガ川はヨーロッパ最長の河川ですので、地図帳でチェックしておくといいですね。モスクワを中心としたロシア平原を流域に収め、カスピ海へと流れ込みます。カスピ海のような外海へと流出河川のない湖を「内陸湖」と言い、内陸湖に注ぐ河川を「内陸河川」と言います。ヴォルガ川はその典型例ですね。カスピ海周辺地域(同時にヴォルガ川の河口付近でもあります)の乾燥がいかに激しいかが想像できます。

>(2)地形は先カンブリア時代に地形が形成された安定陸塊のロシア卓上地で低地。気候は上流でスッテプ気候、黒色のチェルノーゼムが広がる。下流では亜寒帯湿潤気候で灰褐色のポドゾルが広がる。

とてもいいですね。自然環境について「地形」と「気候」の両面から攻めています。「自然環境=地形+気候」であることを常に意識してください。

前半を地形、後半を気候と明確に分けている点も好ましいです。さらに気候は二つの文に分けて、上流と下流とを別の文にしています。これも潔く、わかりやすいです。こうした短文で言い切る文章の組立はこれからも使っていきましょう。

地形についてはまさにその通りです。ロシアのウラル山脈以東の地域は「東ヨーロッパ平原」ではあるのですが、これについては「ロシア卓状地」という言い方をしても構いません。

安定陸塊のうち、古代の岩盤がそのまま露出したものが「楯状地」、それに地層が重なった後に侵食を受け、平坦な地形になったものが「卓状地」です。さらに長期間の侵食によって平坦化された低地を「構造平野」と呼ぶと考えてください。

細かい話をしていきますと、楯状地や卓状地はその形から生まれた名称であり、構造平野はその成因(この場合の「構造」とは地層のことです。地層が侵食され平坦化した地形なのです)から生まれた名称です。だから本来は同列に語っていい言葉ではないのですが、地理では便宜上、「安定陸塊=楯状地+卓状地+構造平野」と考えています。

ただ、これらの地形については非常に区分があいまいで、定義しにくいところもあります。

唯一、楯状地だけは明確で、楯状地の主なものとして、スウェーデンとフィンランドの「バルト楯状地」、ラブラドル半島の「カナダ楯状地」を知っておきましょう。

ロシアのウラル山脈以東の地域(つまりヴォルガ川の流域ですね)は、東ヨーロッパ平原です。この地形については古い岩盤の上に地層が堆積し(つまり一旦海底になっているのですね)、それが隆起した後、侵食を受け、平坦な地形となりました。形状としては「卓状地」であり、形成のされ方としては「構造平野」となります(ただ、こういった細かいことは考えなくていいです)。

ですので「安定陸塊」「ロシア卓状地」「低地」は全て正しいです。ロシア卓状地を「東ヨーロッパ平原」にして「構造平野」としても正しくなります。いずれにせよ、厳格な定義がされているわけでもなく、どちらを使っても問題ないはずです。

なお、「先カンブリア時代」という言い方はいいのですが、「地形が形成」ではなく「造陸運動を受けた」としてみてはどうでしょう。

・安定陸塊・・・先カンブリア時代に造陸運動を受けた
・古期造山帯・・・古生代に造山運動を受けた
・新期造山帯・・・中生代後期以降に造山運動を受けた

それぞれ、以上のような表現が適当です。

さらに気候ですが、これは上流と下流が反対なのでは?上流がステップ気候すなわち乾燥気候でしたら「降水量<蒸発量」ですから、そもそも河川が流れ出すことはありません。ヴォルガ川は、上流が湿潤、下流が乾燥という外来河川の一つなのでしょう。

また「亜寒帯湿潤気候」という言い方はメジャーではありませんね。ここは普通に「冷帯湿潤気候」でいいですし、あるいは単に「冷帯」でもいいかと。冷帯には他に「冷帯冬季少雨気候」というシベリア地域特有(強い高気圧の発生で冬季は降水がみられない)の気候区もありますが、「普通の冷帯気候」である冷帯湿潤気候についてはさほど厳密に言及することもないかと思います。文字数制限との相談ですね。ポドゾルは正解ですが、色については「灰白色」が一般的でしょう。

下流側の「ステップ気候=黒土=チェルノーゼム」はその通りです。

地形は先カンブリア代に造陸運動を受けた安定陸塊。ロシア卓状地の低平な地形。気候は上中流域で冷帯湿潤気候。土壌は灰白色のポドゾル。下流はステップ気候。黒土のチェルノーゼムが分布。(88字)

こんな感じでしょうか。

>(3)ソ連がアムダリア・シルダリア川に綿花栽培が目的の農業用のカラクーム運河を建設。過度の取水を行い、アラル海への河川流入量が激減したことが原因。地下水流入量は変化なし、湖面降水量は減少しているが湖面面積の減少に伴うもの。両者は原因ではない。

これも惜しいですね。固有名詞を使う場合には細心の注意をしてください。自身がなければ書かない。固有名詞を書かなければ減点対象とはならないのに、間違って使っていればそこはマイナスにするしかありませんもんね。

カラクーム運河はアラル海の西方、トルクメニスタンからカスピ海に達するものです。タジキスタン方面のアムダリア川、キルギス方面のシルダリア川とは遠く離れています。地図帳で確認する、というより、知らなくていい言葉だと思います。

他の部分に関しては概ね正しいと思います。非常によく記述できていますので、十分な合格点がもらえるでしょう。

細かいところを。

>ソ連

これは素晴らしいですね。中央アジアの綿花栽培地域の拡大はソ連時代の自然改造計画によるものです。これに言及できたということは理解が深いと思います。

>アムダリア・シルダリア川に綿花栽培が目的の農業用のカラクーム運河を建設。

先も述べたようにカラクーム運河は関係ありません。しかし「綿花」に触れている点はベストです。これは必須ワードでしょう。

>過度の取水を行い、アラル海への河川流入量が激減したことが原因。

これも上手い書き方です。「過度の取水」という言い方はさりげないですが、なかなかできるものではありません。書き方のコツがわかっていますね。

>地下水流入量は変化なし、

グラフをしっかり読解できています。いいですね。

>湖面降水量は減少しているが湖面面積の減少に伴うもの。

なるほど、これは上手いですね。まさにその通りだと思います。いいところに気づきました。対象となる面積が小さくなれば、その分だけ降水量も減りますからね。

>両者は原因ではない。

この言い切りもいいと思います。本問は「降水量」の使い方が難しかったのですが、このように「降水量の減少が原因ではない」と言い切ってしまうことは、むしろ最適解だったのではないかと思います。出題者側の意図を想像するに、降水量についても何か言及する必要があったのかも知れませんが、事実としてほとんど関係ないわけですからね。とてもいいと思います。

こんな感じにしてみました。

ソ連時代に中央アジアの綿花栽培地域の拡大がなされ、農業用の灌漑用水としてアムダリア・シルダリア川からの取水が行われたが、過剰であったため、アラル海への河川流入量が激減し、湖面面積が縮小した。湖面面積の縮小の度合いに伴って、湖面降水量も減少しているが、湖面縮小の直接的な原因ではない。(141字)

これを制限字数以内に縮めるわけですが、

ソ連時代に中央アジアの綿花栽培のため、農業用の灌漑用水としてアムダリア・シルダリア川からの取水が行われた。過剰であったため、アラル海への河川流入量が激減し、湖面面積が縮小。湖面降水量は、湖面縮小に伴いその分だけ減少している。(112字)

なんとも締まりのない文章になってしまい申し訳ありません。やはり120字ですと、余裕をもって文章を組み立てることができますね。

>設問B
>(1)自動車排気ガス。二酸化窒素濃度が平均より高く二酸化硫黄濃度が低い都市部だから。

これはいいですね。あえていえば「排気ガス」ですと「気」と「ガス」が意味的に重複しますので、ここは「排ガス」でいいでしょう。

>(2)産業構造の変化で、汚染の固定発生源である重工業が縮小、規制もなされたことにより硫黄酸化物は減少。一方、都市部への人口集中で宅配便等の物流が発達。非固定発生源による窒素酸化物は増加。

これもうまいですね。これは満点ではないでしょうか。「産業構造」について変化と書いた点がまず的確です。この言葉については「産業構造の高度化」という場合がよくあるのですが、これは「第1次産業→第二次産業→第三次産業」というように、農業→工業→商業と国内経済の中心が移行していくことを指す特別の言い方ですので、本問で話題とされている「重工業からの転換」については、特別な言い方ではなく、単に「産業構造の変化」として正しかったと思いますよ。注意してくださいね。

さらにここからはシンプルに「規制もなされた」とあります。詳しい内容に触れる必要はなく、これで十分です。後半も適切です。「人口集中」「物流」の使い方もいいでしょう。

規制の強化や技術の向上により二酸化硫黄の固定発生源であった工場からの排出は減少。一方、産業構造の変化や物流の活発化によって交通量が増し、人口集中地域である都市部からの二酸化窒素の排出は増加した。(97字)

ちょっと字数がオーバーしましたね。調整してみましょう。

規制の強化や技術の向上で二酸化硫黄の固定発生源である工場からの排出は減少。産業構造の変化や物流の活発化によって交通量が増し、人口集中地域である都市部からの二酸化窒素の排出は増加。(89字)

このような形にはなると思います。本問は「石炭の燃焼→二酸化硫黄」「自動車の排ガス→二酸化窒素」という組み合わせがわかっているかどうかが解答のポイントでしたね。前者は法律の整備、脱硫装置の設置などにより克服されましたが、後者は自動車が増加していることもあり有効が対策がありません。今後は電気自動車の普及で状況が変わるのかもしれませんが。

>これからはもっと頻度を上げられると思いますので、ご指導のほどよろしくお願いいたします。

全体的によく書けていましたよ。これからもどんどん投稿してくださいね。




  • 2020.06.09 21:30
  • たつじん

マツケイさんこんにちは(^^)

一回使った投稿フォームは「使い捨て」にしていただけますか、

新しい投稿は、新しいフォームにお願いします(古いフォームに投稿されると、私のチェックが至らず見逃す可能性があります)

こちらの投稿は投稿フォーム91に移しておきます。1週間を目処に添削いたしますので、また来週投稿フォーム91を確認してください。

なお、本投稿に関するレスは不要ですので、のんびり自分の勉強に専念してくださいね(^^)

  • 2020.06.05 12:52
  • たつじん

東大 1995年 第一問
設問A
(1)ヴォルガ川
(2)地形は先カンブリア時代に地形が形成された安定陸塊のロシア卓上地で低地。気候は上流でスッテプ気候、黒色のチェルノーゼムが広がる。下流では亜寒帯湿潤気候で灰褐色のポドゾルが広がる。
(3)ソ連がアムダリア・シルダリア川に綿花栽培が目的の農業用のカラクーム運河を建設。過度の取水を行い、アラル海への河川流入量が激減したことが原因。地下水流入量は変化なし、湖面降水量は減少しているが湖面面積の減少に伴うもの。両者は原因ではない。
設問B
(1)自動車排気ガス。二酸化窒素濃度が平均より高く二酸化硫黄濃度が低い都市部だから。
(2)産業構造の変化で、汚染の固定発生源である重工業が縮小、規制もなされたことにより硫黄酸化物は減少。一方、都市部への人口集中で宅配便等の物流が発達。非固定発生源による窒素酸化物は増加。
添削よろしくお願いいたします。新しく始まったオンライン授業に慣れることができず、投稿することができませんでした...これからはもっと頻度を上げられると思いますので、ご指導のほどよろしくお願いいたします。

  • 2020.06.02 19:46
  • マツケイ

全体として素晴らしい解答と思います。
では添削しますね。

>東大1993年大問2
>設問B
>アマゾン川流域。植生は熱帯雨林のサバナやカンポ。林業が発達しアフリカ横断道路が造られた。農牧業は大豆、肉牛、ブラジル高原ではコーヒー豆。河川勾配が緩く運搬土砂量が多い為、河口に三角州。ラプラタ川。植生はステップの湿潤パンパ、グランチャコ。農牧業は小麦、トウモロコシ、肉牛中心の混合農業。河口に三角江。

素晴らしい構成です。アマゾン川流域とラプラタ川流域の二つの内容について記述するので、全体の150字をまず半分に切ることから始めることが大切です。さらに自然環境と産業活動を述べるのですから、さらに半分。自然環境にしても気候だけではなく、(使用語句とされている)植生についても書く必要があるでしょうから、さらに半分。産業活動も多岐にわたるとおもわれ、こちらも分化。実はかなり書くことが多い論述問題になっていますよね。短く切った「箇条書き」スタイルは極めて有効に思います。

では具体的に見て行きましょう。

>アマゾン川流域。
これは正しいですね。適切です。

>植生は熱帯雨林のサバナやカンポ。
アマゾン川流域が熱帯雨林に覆われていることは間違いありませんが、これはアマゾン低地では「セルバ」と呼ばれています。「サバナ」は熱帯草原(長草草原と疎林)のことで熱帯雨林には該当しません。サバナ気候といえば、雨季と乾季の明瞭な熱帯気候のことで、実はアマゾン低地の広い範囲はサバナ気候に該当するのですが(地図帳などで確認してください)、しかし植生はあくまで熱帯雨林(セルバ)ですので、ここでは適切な語とは言えません。また、カンポはブラジル高原の荒地のことであり、アマゾン低地ではありません。一般にはカンボセラードと呼称されることが多いです(厳密にはカンボとセラードは違いますが、同じ「荒地」としてまとめてしまって問題ありません)。
ただ、ブラジル高原の北部については、この地域に降った雨はアマゾン川へと流れ込むのですから「流域」と考えることはもちろん妥当です。その際はちょっと表現を工夫しないといけないかもしれませんね。

例えば、「アマゾン川の本流に沿う低緯度地域には熱帯雨林のセルバが広がる。その南側のブラジル高原はカンポセラードと呼ばれる荒地となっている」のように。ただ、これでは文字数が多くなってしまいますので、今回はカンポセラードについての記述は諦めた方がいいかと思います。

>林業が発達しアフリカ横断道路が造られた。
いいですね。適切です。ただし、アフリカではなく、アマゾンですね(ケアレスミスでしょうか)。

>農牧業は大豆、肉牛、ブラジル高原ではコーヒー豆。
こちらも悪くありません。大豆畑や肉牛飼育の牧場の拡大はアマゾンの熱帯林の減少の原因ともしばしば挙げられており、重要なキーワードです。ただし、惜しいのは「ブラジル高原のコーヒー」。これは正確ではありません。コーヒー栽培がなされているのは「ブラジル高原南部」であり、この一帯はアマゾン川の流域からは外れます。テラローシャの分布地域ですね。南回帰線に近く、サンパウロという都市を探してみてください。コーヒーの集散地として発展した都市です。あえていえば、ブラジル高原南部はラプラタ川の流域になるのかも知れませんが、本問でそこまで述べる必要はないと思われます。アマゾン低地の産業に絞り、伝統的な「焼畑農業」や「林業」、そして「大豆」や「肉牛」、「道路や鉱山の開発」などについて熱帯林減少と絡めて記述したらベターだったでしょう。

>河川勾配が緩く運搬土砂量が多い為、河口に三角州。
ここは事実誤認ですね。河川勾配が緩いと「運搬土砂量」は少なくなるのです。アマゾン川はそもそも運搬土砂量が少ない河川なのです。例えば森林伐採によって治山機能が落ち(樹木は深い根を張ることで土壌を支えます。森林がなくなれば、そのはたらきがなくなります)土壌が侵食され、下流側へと流出します。わざわざ「運搬土砂量」という言葉を使えという指示があるということは、このことについて記述しろということなのでしょうね。
例えば「森林伐採によって土壌が侵食され、運搬土砂量が増加している」などとしてみればどうでしょうか。
三角州は適切です。

>ラプラタ川。
適切です。

>植生はステップの湿潤パンパ、グランチャコ。
ここももう少し詳しく書いて欲しいのですが、字数制限がありますからね。上流部のグランチャコ(パラグアイからアルゼンチンにかけての温帯草原。C w気候。牧牛や綿花栽培など)は無視して、パンパだけに特化していいと思います。また、気候区分で言えば、パンパの東側を占める「湿潤パンパ」はCfa気候(温暖湿潤気候)、西側の「乾燥パンパ」がB S気候(ステップ気候)なのです。ですので「ステップの湿潤パンパ」は不適当ですよね。図を参照するとbからcの経路は乾燥パンパを通過していませんので、今回は湿潤パンパを重点的に書くべきだったかなと思います。c付近を河口とするラプラタ川の流域も、アルゼンチン西部の乾燥パンパには及んでいないのではないでしょうか。

例えばパンパ全体について書くならば「植生は温帯草原の湿潤パンパやステップの乾燥パンパ。」としたらいいと思いますし、上述のように湿潤パンパだけならば、「温暖湿潤気候で温帯草原の広がるパンパ」としたら十分に思います。

>農牧業は小麦、トウモロコシ、肉牛中心の混合農業。
こちらもいいですね。農業について書くときのコツはつぶさに「ホイットルセー農牧業区分」を入れていくことですね。「混合農業」は正しいです。本来、混合農業といえば「ポーランド;ジャガイモとライ麦の輪作+豚の飼育」、「米国コーンベルト;トウモロコシと大豆の輪作+豚と肉牛の飼育」のように家畜と穀物の生産を結びつけたものですが、ウルグアイやアルゼンチンの場合はあまり関係なく、肉牛は普通に牧場で飼育されていますし(アルファルファという牧草)、米の栽培もみられます。さらに、パンパの農牧業は厳密には以下のようになります。(西が乾燥パンパ、東が湿潤パンパですので、イメージしてください)

乾燥パンパ境界部(年降水量550ミリ)湿潤パンパ
企業的牧畜企業的穀物農業混合農業
羊小麦米・大豆・トウモロコシ
牛(牧場での放牧)
アルゼンチン西部バイアブランカ周辺ウルグアイ・アルゼンチン東部

ですので、混合農業の括りで小麦を挙げると、ちょっと不適切になってしまうんですよね。字数を考えシンプルに「混合農業や牧牛が行われる」だけでもいいかも知れません。

>河口に三角江。
これも適切です。「気候」による自然景観ではありませんが、もちろんこういった地形も「自然」の一部ではありますし、書くことは誤りではありません。

以上になります。今回はあえて、私の「解答例」は避けておきます。それぞれに具体的な説明を入れたので、とくに不要ですよね。いずれ本問に再チャレンジし、さらに適切な解答を組み立ててください。良問ですし、何回も解く価値はあります。

>設問C
>降水量が年間を通して少ないため、アンデス山脈の氷雪の融水を主とする外来河川を利用し、灌漑を行う地中海式農業が行われている。農作物は小麦やブドウ、オレンジなどの果樹。ブドウを使ったワイン生産を行っており、安価なワインを輸出、近年注目されている。

こちらも適切です。決して簡単な問題ではなかったと思いますが、よく書けています。dの位置する⑤はB S気候と思われますが、乾燥した気候において行われる農業について記述したらいいですね。dのすぐ南の⑦は地中海性気候であり、地中海式農業が行われているわけで、これも意識するといいでしょう。

>降水量が年間を通して少ないため、
BS気候ですので適切です。チリ側では寒流の影響で乾燥するB W気候の南に接し、アルゼンチン側ではアンデス山脈の山かげに当たり、太平洋からの湿った風が届かないことで少雨となります。

>アンデス山脈の氷雪の融水を主とする外来河川を利用し、
これも適切です。キーワードがうまく使えています。これらキーワードはこの使い方しかありませんもんね。出題者側の意図をよく汲んでいると思います。

>灌漑を行う地中海式農業が行われている。
こちらも悪くありません。厳密にはBS気候区であり「地中海性気候」ではないのですが、許容範囲でしょうか。ここは無理にホイットルセー農牧業区分のキーワードを使わず「灌漑農業」でも良かったとは思います。

>農作物は小麦やブドウ、オレンジなどの果樹。
具体的な作物名に言及している点は適切です。とくにブドウは必須ですね。

>ブドウを使ったワイン生産を行っており、安価なワインを輸出、近年注目されている。
字数に余裕があるので、こういった付帯事項を述べるのもテクニックの一つですね。適切です。

本問については比較的字数に余裕があり、何を書いて120字を埋めるのかが難しかったと思います。ですので、私の場合は、それぞれの地域の乾燥の原因について冒頭で少し触れてみました。

チリ中部は寒流の影響により、アルゼンチン西部では偏西風の風下側斜面であることにより、それぞれ比較的乾燥した気候がみられる。アンデス山脈の氷雪の融氷水、融雪水を水源とする外来河川によって灌漑がなされ、ブドウなど耐乾性の農作物の栽培が行われる。(120字)

「アルゼンチン」という国名が長いので使いにくかったですね。また「氷雪」という言葉を使わないといけないので、「氷雪の融氷水、融雪水」と二重表現になってしまったのが苦しいのですが、とくに間違ったことは言っていないので問題ないでしょう。いずれにせよ、書きにくい題材出会ったとは思います。

では、さらなる投稿お待ちしています。論述対策、進めていきましょう!






  • 2020.05.16 09:07
  • たつじん

東大1993年大問2
設問B
アマゾン川流域。植生は熱帯雨林のサバナやカンポ。林業が発達しアフリカ横断道路が造られた。農牧業は大豆、肉牛、ブラジル高原ではコーヒー豆。河川勾配が緩く運搬土砂量が多い為、河口に三角州。ラプラタ川。植生はステップの湿潤パンパ、グランチャコ。農牧業は小麦、トウモロコシ、肉牛中心の混合農業。河口に三角江。
設問C
降水量が年間を通して少ないため、アンデス山脈の氷雪の融水を主とする外来河川を利用し、灌漑を行う地中海式農業が行われている。農作物は小麦やブドウ、オレンジなどの果樹。ブドウを使ったワイン生産を行っており、安価なワインを輸出、近年注目されている。
添削よろしくお願いします。

  • 2020.05.13 15:54
  • マツケイ

コメントフォーム

カレンダー

«5月»
     1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31       

ブログ内検索

フィード

スタディサプリスタディサプリ/たつじん地理

検索

ページの先頭へ