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2020.06.01

投稿フォーム97

コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性がありますので、ツイッター(@ts914)にDMをいただけますでしょうか。早々に対応いたします。

コメント

では添削いたします。

>東京大学(2008,第3問)
>A
>(1)aアメリカ合衆国、bタイ、cイギリス

人口移動については「1人当たりGNIの高い国へと移動」が大原則ですね。aがアメリカ合衆国であるのは間違い無いとして、bはイギリスなのです。

確かにタイについては日本企業の海外現地法人(日系企業)数については「中国>アメリカ合衆国>タイ」の順であるように、経済的なつながりは強いのですが、人口移動については別の要因も作用します。留学を考えれば、1人当たりGNIの高い先進国における日本人の長期滞在者が多いのも納得ですよね(特にイギリスなど英語圏は語学留学生が多いはずです)。

残ったcがタイになります。


> (2)治安が比較的良い場所で、空港やホテル、ショッピングモールや学校などがあるので生活がしやすいから。

いいですね、悪くありません。ただ、都市を(シドニーやメルボルンでなく)ゴールドコースとやブリズベンに限定している点が重要なのですよ。地図で確認してもらえればわかると思いますが、いずれの都市もオーストラリア北西部のクインズランド州に位置し、「温暖」な気候が見られることが最大の特徴になっています。このキーワードがあれば完璧でしたね。

ちなみに同じ州のケアンズは空路による日本への直行便があり、かなりアクセスがよくなっています。ただ、両都市からは距離がありますが。海外移住の場合は、実は日本とのアクセスも非常に重要な要因になったりするわけです。

ちょっと書き換えてみましょう。

温暖な気候でリゾート地に近く、日本へのアクセスも比較的いい。治安が良く、生活環境に恵まれている。(48字)

字数が短くなってしまいましたが、この程度にまとめればいいと思います。発展的な内容ですが、実はこの地域、日本からはリタイアした高齢者の移住も多いのですよ。そのことを含めて書いても良かったかもしれません。

それをふまえるとこのような文章になります。

温暖な気候でリゾート地に近く、日本へのアクセスも比較的いい。定年後の高齢者を中心に移住者が多い。(48字)

後半部分を書き換えてみました。


>B
>日本の労働力不足を背景として、賃金を抑えつつも国際労働力を高めるために、未熟練労働力としてブラジル日系移民の子孫の受け入れを認めたから。

大変素晴らしいと思います。意図していることはとてもよく伝わってきますし、正確に理解していることもよくわかります。

ただ、ちょっと慎重さが足りない印象です。「国際労働力」ではなく、「国際競争力」ですよね。ケアレスミスだと思います。

また「賃金を抑えつつも国際競争力を高める」とありますが、「賃金を抑えることで国際競争力を高める」としないと意味が通じません。製品価格を下げることで、安価な外国製の商品と競争するわけですよね。「賃金を抑える」ことと「国際競争力を高める」ことは「順説」です。「〜つつも」といった「逆説」表現ではふさわしくないと思いますよ。

また「日系移民」という言葉も不明瞭です(問題集の解説ではこの言葉が使われていますが、私は疑問です)。

こういった国際的な人口移動に関する話題の場合、「日本人」は日本の国籍を有する人のことで、「日系人」は外国人です。親が日本人でありながら、ブラジルの地で生まれたら、彼らは日系ブラジル人となります。

つまり「日系移民」と言ってしまうと、これは外国人のことを指す言葉になってしまいます。これ、おかしいですよね。日本人がブラジルに移民し、そこで日本人として暮らしています。統計をみてわかるようにブラジルには日本人の永住者が多くなっています。彼らは移民先でも国籍は日本なのです。「日本からの移民」などように表現するべきでしょう。


というわけで私もちょっと書いてみました。以下のような感じです。

労働力不足の解消、安価な労働力の利用で国際競争力を高めるため、日系人に限り未熟練労働力の受入が法的に可能になった。日本からの移民が多く日系人の人口が大きいブラジルからの流入が急増。(90字)

法律の名称(出入国管理法)という言葉を使ってみたかったのですが、うまくいきませんでした。やや不満足ではあります。とはいえ、おおよそポイントは掴んでいると思いますので、参考にしてくださいね。


>C
>(1)日本の銀行が海外支店を置くために進出していたものの、バブル経済崩壊後の金融危機によって支店の縮小や撤退が相次いだから。

とてもいいですね。確実にポイントが抑えられています。個人的には「金融危機」という言葉の使い方に頭を悩ませてしまいます。アジア金融危機は1997年であり、この時期に該当しますが、日本や欧米への影響は最小限でしたし、サププライムローンの破綻やリーマンショックは2007〜2008年ですからこの時期からはズレています。問題があまり適切でないような気もしますね。

バブル期に銀行など金融業が多く進出していたが、バブル崩壊や金融危機によって一部が撤退した。(45字)

この程度のことが書ければ十分だったでしょう。

>(2)都市開発がすすんだ上海ひ人口や工場が多いため、日本企業が多く進出したから。

これもとてもいいですね。的確です。おそらく本問では「後背地」を使うことが求められていたと思いますよ。後背地とはつまり「背後の土地」のことですが、その都市を支える経済的な基盤がその背後に広がっていることを述べるとさらに良かったとおもいます。

上海は中国最大の都市であるだけでなく、港湾都市として華中地域の経済を支えます。上海の背後には多くの都市が近接し、巨大な経済圏を形成しています。これらの支えがあってこそ、さらに上海は発展するわけです。

都市開発が進み人口も多い上海は広い後背地を有し経済力も大きい。日本から企業進出が急増し、工場も多く設けられた。(55字)

こんな感じでしょうか。「中枢管理機能」はちょっと使いにくい言葉だと思います。むしろ中枢管理機能は首都のペキンの方が発達しているかもしれません。

なお、「日本企業の進出」という表現ならば「日本企業」で正しいと思います。正確には「日本企業の海外現地法人の設立」となりますが、「日本企業の進出」あるいは「日系企業の設立」という表現で問題ないでしょう。「日本企業の海外現地法人」=「日系企業」です、おそらく「日系企業の進出」と書いても減点にされることはないと思いますが、普段からこういった細かい表現にも注意しておくといいですよ。

>過去問とは直接関係ないのですが、同じフォームに投稿し続けて良いものですか?それとも月が変わる毎にフォームも変わりますか?

お気遣いありがとうございます。こちらはすでに回答しているように、投稿のたびに新しい投稿フォームをご利用いただけばと思います。古いフォームの場合、今回のように見落としが生じる場合もあります。投稿フォームは随時増やしていきますので、遠慮なく使ってくださいね。

  • 2020.07.08 12:46
  • たつじん

(投稿フォーム69の春に笑ふさんの投稿をこちらに再掲しています)

東京大学(2008,第3問)

A
(1)aアメリカ合衆国、bタイ、cイギリス

(2)治安が比較的良い場所で、空港やホテル、ショッピングモールや学校などがあるので生活がしやすいから。

B
日本の労働力不足を背景として、賃金を抑えつつも国際労働力を高めるために、未熟練労働力としてブラジル日系移民の子孫の受け入れを認めたから。

C
(1)日本の銀行が海外支店を置くために進出していたものの、バブル経済崩壊後の金融危機によって支店の縮小や撤退が相次いだから。

(2)都市開発がすすんだ上海ひ人口や工場が多いため、日本企業が多く進出したから。


過去問とは直接関係ないのですが、同じフォームに投稿し続けて良いものですか?それとも月が変わる毎にフォームも変わりますか?



  • 2020.07.08 12:45
  • たつじん

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