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2020.09.21

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コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性がありますので、ツイッター(@ts914)にDMをいただけますでしょうか。早々に対応いたします。

コメント

では添削いたします(^^)

>2004 
>東大 第3問

>A
>(1)土砂災害防止、降水の貯蔵

いいですね。ダムのはたらきについては「利水」と「治水」を挙げてください。治水については洪水など災害の防止、利水は発電や用水の確保ですね。用水は農業、生活、工業がありますが、どれを挙げてもいいでしょう。

>(2)ダムによって、河口から北上してきた魚が進路を絶たれ、生態系が変化。また、ダムが岩石を貯蔵して、河川での浸食作用が弱まり、下流側で岩石の体積量が減少して、河川底部が露出。

悪くありませんが、改善点はあると思います。

まず前半ですが、「生態系」への影響を挙げている点は満点です。ただ、魚については、「河口」から遡上(北上としていますが、遡上の誤りでしょう)してきたものに限定されません。下流側と上流側とで移動する魚もあります。ここは端に「魚の遡上を遮る」のように記述すればいいでしょう。

さらに2つ目の文ですが、これはちょっと意味が取りにくいと思います。「ダムが岩石を貯蔵して」とありますが、どういうことでしょうか。「ダム湖に土砂が堆積する」あるいは「ダムによって土砂の流下量が減少する」といったことでしょうか。どうも言い回しが不適切に思います。さらに「河川での浸食作用が弱まり」も意味がつかみにくいですね。どういった状況なのかわかりません。

最後の部分の「岩石の体積量が減少して」も不明です。これは「堆積」のことなのでしょうか?それにしても、もう少しわかりやすい表現にして欲しかったところです。

内容的には以下のことを述べれば良かったと思いますよ。

上流側・・・村落や耕地のダム湖への水没。ダム湖周辺の地盤の軟弱化による土砂災害の増加。ダム湖の湖水が長期滞留することによる水質汚濁。魚の遡上を妨げるなど生態系への影響。

下流側・・・土砂の流下量が減ることで海岸線が後退(三角州や砂浜海岸の侵食)したり、干潟が縮小したりする。有機養分が流出せず、河口付近での漁獲量の減少。

これ以外の問題点として、ダム湖への土砂の堆積によって貯水量が減少することに伴うものもあります。発電量の減少。貯水量を超えた豪雨の場合、ダムが一気に決壊し、大規模洪水が生じることも。

以上のことから自分が書きやすいと思う内容をピックアップしていけばいいのです。

例えばこんな感じでしょうか。

上流側では魚の遡上が妨げられ生態系が破壊。湖水の滞留による水質汚濁。下流側では土砂の流下量の減少による三角州や砂浜海岸の縮小。有機養分が流出せず河口付近で漁獲量が減少。(84字)

「河川環境」ですので村落や耕地の水没は外してありますが、とりあえず他の事項については詰められる分だけ詰めてみました。文章表現にこだわらず。とりあえず意図することが伝えられたらそれで十分とばかりに開き直って書き連ねていけばいいと思いますよ。東大は「文章の短さ」こそ、受験生にとっての大きな壁なのです。

>B
>(1)a-地熱 b-水力 c-風力

適切です。いいですね。今は水力は中国が首位ですので、良かったら知っておいてください。

>(2)造山帯や断層直下のような地殻変動による火山活動が活発な地点。

「造山帯」では古期造山帯も含まれてしまいますので、不適切です。というか、そもそも新期造山帯であっても火山がない場所は広いですから、新期造山帯に限定したとしてもやはり不適当になってしまいます。

断層についてもアフリカ地溝帯のような地形を想定しているのでしょうが、一般的に断層といえば日本国内でも糸魚川静岡構造線や中央構造線がこれに該当するわけで、これらに沿って火山は存在していません。世界でも、シベリアのバイカル湖は代表的な断層地形ですが、これも火山は全く無関係です。

むしろ「火山。」と句点含めて3文字で答えた方が得点が高かったかも知れませんよ。

もちろん30字制限ですのでさすがに3文字では少なすぎます。これに「飾り」を付けていかないといけません。

単に火山ではなく「活火山」としてみましょう。主な火山の分布地域は、環太平洋地域、カリブ海、イタリア半島、キリマンジャロ、アイスランド、ハワイです。この中では唯一ハワイがプレート中央のホットスポットに形成されたものですが、他はみなプレート境界です。キリマンジャロのアフリカ地溝帯とアイスランドの大西洋中央海嶺が広がる境界、他は海溝で狭まる境界ですね。これを全て詳しく書いたらベストなのですが、なにせ30字ですから、簡略化しないといけません。

活火山付近。海溝や海嶺などプレート境界に沿う変動帯。(26字)

「変動帯」は火山活動のみでなく地震も含みますから、決してジャストミートな表現ではありませんが、許容範囲でしょう。まず解答となる言葉を言い切って、それからその言葉を説明する「飾り」を加えて、文字数のバランスを取ってください。

>(3)化石燃料と比べて、供給量が少なく、大規模発電は難しいが、再生可能エネルギーを利用し、エネルギー源が枯渇しない。発電による温室効果ガスの発生量が少なく、地球温暖化につながりにくい。

なるほど、いいですね。自分の言葉を使って答えようとする意識が伝わってきます。とてもいいと思いますよ。

指定語句が3つあり、それぞれをヒントにして文章を作っていくタイプの問題ですね。

・自然環境に依存するため、化石燃料と比べて「供給量」が安定しない。
・再生可能であり、化石燃料とは異なり「枯渇」の心配がない。
・化石燃料とは異なり二酸化炭素を排出しないので「地球温暖化」の原因となりにくい。

これらのことが意識されています。素晴らしい解答です。。



>(4)火山地帯周辺で源泉を発生させるための地熱エネルギー。時計や懐中電灯等の電化製品を充電するための太陽光エネルギー。

「源泉」ではなく「温泉」とした方が一般的な言い方でわかりやすいと思いますよ。また、後半は「発電」に該当しませんか?発電以外の用途を答えないといけません。

以下が代表的な自然エネルギーの発電以外の使用例です。

・風力・・・オランダの水車が例。干拓地からの排水。
・水力・・・アメリカ合衆国の滝線都市が例。紡績の動力。
・地熱・・・アイスランドが例。野菜の温室栽培の熱源。
・太陽熱・・・かつて日本の多くの家屋で屋根につけられていた太陽熱温水器。

参考にしてみてくださいね。

無理して難しい言い方をするのではなく、自分なりの簡易な言葉で表現することを心がけましょうね。設問A(2)はちょっと無理した感じがして、わかりにくくなっています。それに対し、自分の言葉で綴った設問B(3)は適切な解答になっています。必要なものは「巧みな文章力」ではなく、物事をありのままに伝える気持ちなのです。

  • 2020.10.13 10:38
  • たつじん

2004 東大 第3問
A
(1)土砂災害防止、降水の貯蔵
(2)ダムによって、河口から北上してきた魚が進路を絶たれ、生態系が変化。また、ダムが岩石を貯蔵して、河川での浸食作用が弱まり、下流側で岩石の体積量が減少して、河川底部が露出。
B
(1)a-地熱 b-水力 c-風力
(2)造山帯や断層直下のような地殻変動による火山活動が活発な地点。
(3)化石燃料と比べて、供給量が少なく、大規模発電は難しいが、再生可能エネルギーを利用し、エネルギー源が枯渇しない。発電による温室効果ガスの発生量が少なく、地球温暖化につながりにくい。
(4)火山地帯周辺で源泉を発生させるための地熱エネルギー。時計や懐中電灯等の電化製品を充電するための太陽光エネルギー。

  • 2020.10.12 21:10
  • KZM

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