ブログ

2020.09.24

投稿フォーム217

コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性がありますので、ツイッター(@ts914)にDMをいただけますでしょうか。早々に対応いたします。

コメント

では添削いたします(^^)

>東大2012年度第1問(地図の読解と人為的地形変化より)

こちらの問題はスタディサプリ「地理・論述編」3−1でも取り上げていますので、よかったらそちらも御覧ください。


>設問A
>(1)
A・・・赤道
B・・・北回帰線
C・・・北極圏

北極圏というと、北緯66.6°より高緯度側のエリアを全て含んでしまうので、ここでは「北極圏の南限」というのが適切ですね。また、この線のことを「北極線」とも言いますので、覚えておくといいでしょう。

>(2)
Bは夏至の頃に南中高度が90度になるかならないかの境、Cは夏至に白夜、冬至に極夜になる境

いいですね。わかりやすく書けています。伝えたいことがはっきりしていて、適切な解答に思います。

>(3)難
緯度の計測は北極の位置や南中高度などの天文観測により比較的正確に測定できた。軽度の測定には2地点間の時間差を測定する必要があるが、当時の時間は正確ではなかったから。

たしかに本問は理系的な理解が必要であり、文系受験生には難しい部分もあったかもしれませんね。緯度が容易に測定できる(太陽高度を測ればいい)のに対し、経度は時間を正確に測る時計を利用しないとわかりませんからね。その違いを認識しましょう。


>(4)
>南北アメリカやオーストラリア、日本などである。これらは未踏破の土地であり、知識が不足したため。

適切です。このぐらいのことが書ければ問題ないと思いますよ。


>設問B
>(1)
延滞的に標高が0mを下回っており、洪水対策などが考えられる。また、南西の地域で河川から直線的な水路がひかれている。これは田んぼに水を送るためだと考えられる。

「延滞」とは「全体」の誤字だと思いますので、そのつもりで添削しますね。

まずひとつ目ですが、標高0mより低いところが多くなっている点に注目したところは適切に思います。ただ、ここでは「原因」について言及するべきですね。問題文にそのように求められています。

0m以下の地域がみられる原因は2つ。一つは干拓です。浅い海に堤防を作り、内側の水を排水。ただ、この場合は海岸に沿って堤防がみられることが条件ですが、本図ではそのようになっていません。Aの範囲が全体的に凹地となっているようです。

これはおそらく「地盤沈下」でしょう。地盤沈下の原因としては「地下水の汲み上げすぎ」一択です。地下水の汲み上げすぎについて、さらにその原因は「工業用水としての利用」ですね。高度経済成長期に沿岸部に工場が立地し、工業用水として地下水が利用されました。そのため、こうした沿岸の低地においては地盤沈下が生じ、いわゆる「マイナス地帯」が生まれたのです。

工業用水として地下水が過剰に汲み上げられ、地盤沈下が生じた。

まずはこれが一つ目の「原因→人為的変化」の組み合わせですね。

さらにもう一つ。これは河川改修でしょう。おもしろいと思うのはAの北東部を北から東に流れる河川ですね。ここから枝分かれした支流が、Aの中央を流れる大きな河川に向かって入り込んでいるわけですが、直接合流せず、大きな河川に沿って小さな流路が設けられ、海へと通じています。これは水が直接入り込むことによる増水を避け、過剰な水を海へと逃しているのでしょう。もちろんこれは洪水対策です。

このような洪水への備えが各所で行なわれていることを考えてください。

よく見ると、河川の脇はやや濃い色で縁取られ、0m以上の地形となっていることがわかります。堤防が建設されているのでしょう。さらに河川の流れは直線状となっています。流離を直線化することも、スムーズな排水に通じ、やはり洪水対策です。これらを総合的に記述すればいいと思います。

洪水対策として河川改修が行なわれた。堤防や分水路の整備、流路の直線化など。

こういった形でしょうか。

二つの文章を合わせると、こうなりますね。

工業用水として地下水が過剰に汲み上げられ、地盤沈下が生じた。洪水対策として河川改修が行なわれた。堤防や分水路の整備、流路の直線化など。(67字)

やや字数が少ないので「余分な内容」も付け加えることができます。二つの内容について、原因と変化をしっかり書くこと。「工業用水→地下水の過剰な揚水→地盤沈下」、「洪水対策→改修工事→堤防の整備など」でしょうか。書くべき内容を整理しましょう。

なお、「田んぼ」ではなく「田」もしくは「水田」とするべきですが、いずれにせよ。農業的利用ではないと思いますので、この点は不適切と思います。東京都心周辺部であり、高度経済成長期は工業地帯、現在は市街地として考えるべきです。





>(2)
都市化を進めたことで、道路の渋滞など生活環境が悪化した。渋滞を緩和するために、河川を暗渠化することで道路の拡幅を行った。

2行(60字)のうちで、キーワードを3つも使わないといけないため各内容は制限されますが、逆にこれを利用したらいいですね。キーワードから、論じるべき内容を導き出し、それに沿ってスムーズに文章を組み立ててみましょう。

まず「拡張」ですが、これは間違いなく「道路の拡張」でしょう。交通量の増加によって車線も増やす必要があり、道路幅の拡張により河川の暗渠化が進んだ。

さらに「生活環境」ですが、「道路の渋滞など生活環境が悪化した」は適切に思います。非常にスムーズです。

「都市化」についても「生活環境」と絡めて記述すればいいですね。

では個別に見ていきましょう。

まず「都市化を進めた」とありますが、ここは「都市化が進んだ」の方がいいでしょうね。都市化とは居住人口が増えることであり、住宅地の増加を考えれば妥当です。「進めた」という表現より「進んだ」の方が適切でしょうね。

さらに「道路の渋滞など」とありますが、「交通渋滞」という表現の方が適切でしょう。ただ、ここでちょっと気になるのは次の文でも再度「渋滞」というキーワードが登場し、2つの文に渡って「渋滞」という一つのテーマが語られている点です。60字という文字数制限は決して短いものではありません。できれば2つのトピックで攻めて欲しいと思っているのです。

一つのテーマが「交通渋滞」なのは確かです。ではもう一つのテーマは?ここで「都市化」や「生活環境」がポイントになっているのです。住宅地が増加し、河川をめぐる生活環境が悪化します。どうでしょう?何かピンと来ませんか?

時代は高度経済成長です。生活排水が河川へと流入し(いわゆるドブ川というものでしょうか)、汚濁が進みます。景観が損なわれるだけでなく、悪臭などの公害も生じるのではないでしょうか。それを隠すために河川の暗渠化が進んだとは考えられませんか。

このことについても記述できればベストだったと思いますよ。

交通渋滞の軽減のため道路が拡張され暗渠化された。生活排水の流入により河川の汚濁が進み、その対策として暗渠化された。(57字)

「暗渠化された」という言葉が繰り返し用いられており、文章としては下手ですが、内容的には十分と思います。60字ならば、「30字×2文」という組み立ても意識してみてくださいね。

>(3)
広い土地を確保できる。また、市街地に近接するため交通の利便性から空港が適している。

こちらもいいですね。名古屋のセントレアや大阪の関空などはまさに人工島に建設されたものです。

こちらも書き方を工夫してみましょう。まず問題文に呼応して、「空港。」と言い切ってしまうのが良いですよ。そしてその後に理由を続けます。

空港。広い土地を確保できる。鉄道や道路の整備で交通アクセスが良い。市街地から離れており騒音などの問題を避けられる。(57字)

どうでしょうか。余分な部分はカットしているので、「騒音」に関する内容も付記できました。空港を人工島に作る理由の一つとして、海によって隔てられているため騒音などの問題を避けられることもありますよね。余分な言葉をカットし、シンプルにするだけで、より密度の高い解答を作ることができます。例えば、接続語は使わないというのも一つのコツですよ。のいさんの解答で「また、」を使用せずとも解答としては全く問題ないことに気付くと思います。上手い文章を書こうとして余分な言葉を使ってしまい、逆に本来伝えないといけないことが書けていないならば、本末転倒ですよね。(2)では「また」を使わずに解答できているんですけどね。

全体として「文章がうますぎる」ことの弊害が生じているような気がしますよ。私の参考解答を見ても分かるように、文章力は稚拙なものです。しかし、解答の要点だけはしっかり捉えています。地理の論述問題には実は「国語力」は必要とされません。極論としては、要点だけを「箇条書き」すれば、それが理想的な解答となるのです。

一つ一つの文章が短くつくられている点は素晴らしいと思います。次回は、より「圧縮」された密度の高い解答を意識してくださいね(^^)

  • 2020.10.13 08:06
  • たつじん

東大2012年度第1問(地図の読解と人為的地形変化より)


設問A
(1)
A・・・赤道
B・・・北回帰線
C・・・北極圏
(2)
Bは夏至の頃に南中高度が90度になるかならないかの境、Cは夏至に白夜、冬至に極夜になる境
(3)難
緯度の計測は北極の位置や南中高度などの天文観測により比較的正確に測定できた。軽度の測定には2地点間の時間差を測定する必要があるが、当時の時間は正確ではなかったから。
(4)
南北アメリカやオーストラリア、日本などである。これらは未踏破の土地であり、知識が不足したため。


設問B
(1)
延滞的に標高が0mを下回っており、洪水対策などが考えられる。また、南西の地域で河川から直線的な水路がひかれている。これは田んぼに水を送るためだと考えられる。
(2)
都市化を進めたことで、道路の渋滞など生活環境が悪化した。渋滞を緩和するために、河川を暗渠化することで道路の拡幅を行った。
(3)
広い土地を確保できる。また、市街地に近接するため交通の利便性から空港が適している



添削よろしくお願いします

  • 2020.10.09 11:52
  • のい

コメントフォーム

カレンダー

«9月»
  1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30    

ブログ内検索

フィード

スタディサプリスタディサプリ/たつじん地理

検索

ページの先頭へ