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2020.11.21

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コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性がありますので、ツイッター(@ts914)にDMをいただけますでしょうか。早々に対応いたします。

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では添削いたしますね。

>東大2009年度
>第2問(世界と日本の食料より)

こちらは「スタディサプリ地理論述編」の中でも取り上げていた問題ですので、そちらもぜひご覧ください。

>設問A

>(1)
ア・・・フランス
イ・・・イギリス
スペイン・・・スペイン

とくに問題ないでしょう。正解です。

>(2)
イ国は寒冷な気候を背景に穀物やイモ類の栽培が盛んであるのに対して、ウ国は温暖な気候をを背景に野菜や肉類の生産が盛んだから。(61字)

3行(90字)制限ですので、もうちょっと長い文章にできたと思いますよ。45字を目安に2つの文に切って、最初の文でイギリス(イ国)について、次の文でスペイン(ウ国)について述べてみましょう。

まずイギリスの特徴について。まず冷涼であることが挙げられますね。さらに(氷河に削られ)地力に乏しいこともポイントになるかもしれません。これらは、やせた土壌や厳しい環境にも適応するジャガイモの生産と関連づけられます。

さらに、こちらが実は非常に重要になるのですが、イギリスは世界で最も生産性の高い農業を行っている国の一つです。農業就業人口割合が極めて低い(1%)であることはよく知られていると思います。省力化が進み、労働生産性が高くなります。

さらに大規模化が進み、農業従事者当たりの農地面積も広いものとなります。小麦の生産は拡大し、EUの共通農業政策の恩恵を最も受けた国といえます。一時期は小麦の輸出国でしたが、本問の時点では穀類の自給率は「99%」であり、輸出については触れない方がいいかもしれませんね。穀物生産が増加し、農業収益が上がったイギリスは、今度は農業後進地域への援助金の負担を強いられることになります。農業支出金の負担増も、この国のEU離脱の一つの要因でした(このような国際政治に関する話題は、東大論述では問われないので、簡単に知っておけば十分です)。

以上のことを踏まえてまずイギリスについて記述しましょう。

イはイギリス。大規模で生産性の高い小麦栽培が行われる。冷涼な気候でイモ類の生産も多い。(43字)

後半はスペインですね。スペインは豚の世界的な飼育国ですから、これに触れるのは適切です。また、温暖な気候と野菜の生産を結びつけるのも正しく(例えば同様の例にメキシコがあります。メキシコのアメリカ合衆国向けの主要輸出品目の一つが野菜です)、これは「輸送園芸農業」に該当しますね。こうしたホイットルセー農牧業区分に関するキーワードを入れるのは賢明な方法に思います。

ウはスペイン。温暖な気候を利用しての輸送園芸農業や養豚が盛ん。野菜や肉類は輸出される。(43字)

自給率が100を超えているので、ここではあえて「輸出」を強調してみました。

>(3)
オランダの国土は小さいため、集約的で土地生産性の高い野菜の園芸農業や肉類の生産が豊富である。(45字)

オランダで穀物栽培があまり行われない理由は、この国が「園芸農業」と「酪農」が盛んであるからです。地形環境や自然条件ではなく、いきなり農牧業区分で結論づけることに違和感を感じるかもしれませんが、これが地理の論述問題というものなのです。問題(2)が「農業生産の面」から問うているのに対し、この問題(3)は「農業の特徴」ですよね。問われかたの違いに注意してください。

この二つの農牧業区分について、さらに「国土の特性」と紐付けて解答(回答)することが求められています。

以下のことは知っておいていいと思いますよ。

酪農・・・海面下の低地(つまりポルダー)にて行われる。アジアならばこうした干拓地は水田として利用されるが、オランダにおいては牧草地となる。水捌けの悪い低湿地であり、根腐れが起きるため作物栽培には適さない。牧草地と利用され、家畜飼育が行われる。

園芸農業・・・野菜が一般的な作物となるが、オランダにおいては花卉や球根を考えるといい。とくに球根はかつて家畜の飼料として大きな需要があり、我々の想像以上に重要な作物。沿岸の砂丘において栽培されている。

これらをふまえて文章を作ってみましょう。

海面下の干拓地が広く、牧草地として利用され酪農が行われる。海岸沿いには砂丘が広がり、野菜栽培など園芸農業が行われる。(58字)

結局球根ではなく、表中にもある野菜を文に組み入れてみました。こちらの方がベターだったと思います。

>(4)
これらの地域は共通して、熱量は高いが比較的に安価な米の生産を中心的に行われている。

それはそうなんですが、米の生産が中心に行われている「理由」は何でしょうか?字数制限が60字なのですから、やはりそれなりの内容を「詰め込む」必要があります。

全体的に字数が少ないことがちょっと気になるのですが。。。

「これらの道県に共通する農業の特徴」に対する受け応えがちょっと弱いように思います。いずれも「米の単作」地域であり、そのような農業が行われる背景について述べる必要があります。

熱量に比して価格の安い米の生産が盛ん。大都市圏から離れ広大な農地を有し、冬の農業が振るわない水田単作地域である。(56字)

かなり強引に詰め込んでしまった印象ですが。「広さ」と「水田単作」を含めてみました。厳密には北海道は野菜栽培や畜産も盛んなので水田単作とは言い切れないのですが、特に問題はないでしょう。文字数に余裕があれば「寒冷であり冬に農業が困難であるため、水田単作となる」といったようなことも説明したかったんですけどね。

>(5)
これらの地域は、温暖な地域が多く、肥沃な土地を活かした野菜や果実、肉類の生産が盛んな地域が多い。(48字)

こちらも字数が短いんですよね。出題者側の意図として、例えば30字制限ならばこういったシンプルな回答でいいのでしょうが。60字ならばそれなりの内容の回答を求めているような気がしますよ。

私は常に「1文の長さは30〜40字程度にする」という決まりごとを作っています。つまり、3字制限の問題ならば1文、60字や90字ならば2文、120字ならば3文を目安としているのです。

いかがでしょう?のいさんもこれからはこういったルールを作ってみては?一つ一つの文を切って、独立させるのです。そういう意識があれば、60字制限という字数を充足するような「濃い」回答をつくることができますよ。

(なお、ここであえて「回答」という言葉を使っていることに注意してください。受験生に求められているのは、問題に対する解答を書くことではなく、出題者からの問いかけに対する回答を行うことなのです。コール・アンド・レスポンスですね。出題者が何を貴方たちに求めているのか。それを問題内容や、そして「字数」から考えてみるのです。短い字数ならば単に言葉を連ねるだけでいいでしょうが、長い字数制限ならば、そこに貴方なりのオリジナリティを表していかないといけません。

では具体的なアドバイスです。

「野菜」という言葉はとてもいいですね。ホイットルセー農牧業区分を国内の農業において持ち出すことは不要ですが、本問ではあきらかに「関東地方=近郊農業」「四国・九州=輸送園芸農業」の対比がなされています。「園芸農業=近郊農業+輸送園芸農業」であり、輸送園芸農業という言葉を使うとより適切だったでしょう。

それに対し「肉類」はカロリーが高いですから、本問の解答とするには誤りです。あくまで「価格に対して熱量の低い」野菜について言及してくださいね。

熱量に比して価格の高い野菜栽培が盛ん。大都市圏から遠方にあり、温室での促成栽培を中心とした野菜の輸送園芸農業が行われる。(60字)

このような文をつくってみました。参考にしてください。

>設問B
>(1)
ア・・・インドネシア
イ・・・タイ
ウ・・・ベトナム
エ・・・フィリピン

問題ありません。適切です。

>(2)
人口の大幅な増加に伴う食料不足問題を解決するために、安価でカロリーの高い米の生産を中心に増やした。

悪くないのですが、、、アはインドネシアですよね。そもそも人口が多く、米の輸入国だったと思います。「人口の大幅な増加」というより、「そもそもの莫大な人口を支える」ことを目的として「自給率の向上」を目指したということではないでしょうか。

人口大国であり米は輸入に頼っていた。自給率を向上させるために、灌漑施設の整備、品種改良などによって米の増産に成功した。(59字)

こういった形でしょうか。「灌漑施設の整備」や「品種改良」は、適当に書いています(笑)。インドネシア特有のことでなく、一般論として、米の増産にはこういった方策が有効ですよね。このように「勘」に頼って書いてしまうのも一つの手ですよ。それが「明確な誤り」でなければいいわけですから。

>設問C
所得水準の上昇に伴い、たんぱく質類の需要が増えたが、肉類だけでは供給が追い付かないため、大豆の生産量を増加させた。しかし、自国での生産だけでは供給が追い付かず、輸入に頼らざるを得ないから。(94字)

とてもいいです。これは完璧に思います。さすが、のいさんは地理に関して深い理解と洞察力があります。

問題そのものは2行(60字)制限ですから、ここから言葉を削って60字に収めないといけませんが。

でも、自分でもわかったのではないですか。やはり「2文」による組み立てをした方が文章がスムーズになるのです。のいさんはおそらく「1文」で言い切ろうとして、内容の深いところまで踏み込めずにいるのですよ。2つ以上の文に切って、一つ一つの文でしっかりと自分の考えを述べていてば、それは説得力のある文章になります。文章に対するクセがハッキリしていますよ。

内容的には問題ないと思います。やはり字数を含めた形式に弱点がみられるようです。地理は文章力の問われる科目ではありません。シンプルに短い文で要点を伝え、そしてその文を複数積み重ねることで解答および回答をつくってみてくださいね。練習あるのみです。

  • 2020.11.27 03:31
  • たつじん

東大2009年度第2問(世界と日本の食料より)


設問A
(1)
ア・・・フランス
イ・・・イギリス
スペイン・・・スペイン
(2)
イ国は寒冷な気候を背景に穀物やイモ類の栽培が盛んであるのに対して、ウ国は温暖な気候をを背景に野菜や肉類の生産が盛んだから。
(3)
オランダの国土は小さいため、集約的で土地生産性の高い野菜の園芸農業や肉類の生産が豊富である
(4)
これらの地域は共通して、熱量は高いが比較的に安価な米の生産を中心的に行われている。
(5)
これらの地域は、温暖な地域が多く、肥沃な土地を活かした野菜や果実、肉類の生産が盛んな地域が多い

設問B
(1)
ア・・・インドネシア
イ・・・タイ
ウ・・・ベトナム
エ・・・フィリピン
(2)
人口の大幅な増加に伴う食料不足問題を解決するために、安価でカロリーの高い米の生産を中心に増やした。

設問C
所得水準の上昇に伴い、たんぱく質類の需要が増えたが、肉類だけでは供給が追い付かないため、大豆の生産量を増加させた。しかし、自国での生産だけでは供給が追い付かず、輸入に頼らざるを得ないから。


共通テスト対策に費やしていたためなかなか投稿できませんでしたが、添削お願いします。

  • 2020.11.25 19:59
  • のい

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