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2021.07.29

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すでにお申し込みされている添削メンバーの方のみ投稿ください(メンバー募集は4月で終わっています。追加募集の予定はありません)。最低、月に1回の投稿がノルマです。これが無き場合は登録取り消しになりますので、ご注意ください。

コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性があります。その際は他のフォームに再投稿していただけますでしょうか。お手数ですが、よろしくお願いいたします。(従来のDMによるお問い合わせは取りやめといたしました。ご理解くださいませ)

コメント

では添削いたします。

東京大学 2008年度

>第1問

>設問A
>(1)a−ウ b−オ c−イ d−エ e−ア

いいですね。問題ありません。

>(2)地形−三角州 自然現象−ハリケーン 都市−

都市はニューオーリンズですね。ミシシッピ川河口の三角州に位置する都市で河港を有します。ぜひ地図帳でもチェックしておきましょう。

>(3)砂漠気候で土地が痩せており、定期的な氾濫により肥沃な土壌が補充されたが、ダムの建設で氾濫による栄養供給が抑制された。(58字)

なるほど、これはちょっと気をつけて欲しいですね。( )さんは文章が上手すぎるのですよ。文章が上手い人特有のミスです。高い文章力があるだけに、60字という字数制限を苦にせず、自分なりの文章を仕上げてしまうのです。

でも、ちょっと待ってくださいね。これは「地理」の試験です。「国語」ではありません。むしろ高い文章力は適切な解答を書く際には邪魔になる可能性があります。

例えば、私はこのように書いてみました。どこが違っているのか気づきますか。

「砂漠気候で降水量が少ない。不適切な灌漑によって塩害が進行。洪水の減少により上流からの天然の肥沃土の供給も減少。(55字)」

そもそも「文章」を書こうとは思っていません。箇条書きに近いスタイルで、「解答」のみをピンポイントに論(あげつら)っているのです。( )さんの解答では「氾濫による栄養供給が抑制」されたことのみ示されていますが、私の場合、これに加え「不適切な灌漑による塩害」も挙げており、これが高得点への道筋となるのですね。

( )は60字で「1つのトピック」を見事に表現しています。私は同じ字数で「2つのトピック」を挙げています。得点に差が出るのがわかるでしょうか。「上手い文章を書く」という意識を捨て、「60字ならば2つのトピックが必要だ。2つの文によってそれぞれのトピックを言い切ろう」と考え、問題に取り組んで欲しいのですよ。

アスワンハイダムの功罪についてはよく問われますのでまとめておきましょう。

(功)
・洪水の減少。かつてナイル川沿岸は夏になるとしばしば洪水に見舞われ、大きな被害がもたらされたが、ダムの治水効果により洪水は減少した。
・電力供給。アスワンハイダムは多目的ダムであり、発電も行われるためアルミニウム精錬業が興った。
・灌漑農業の普及。灌漑が行われ、生産性が向上。小麦などの生産量が増えた。

(罪)
・天然の肥沃土の供給が減少。かつては洪水によって、河川周辺の低地へと、上流から運ばれた肥沃土が供給され、それが天然の肥料となっていた。洪水の減少によってそれも少なくなり、現在は化学肥料の使用量が増えている。
・塩害の深刻化。(不適切な)灌漑によって塩害が進行する。
・三角州の縮小。土砂の流出が減少したため、河口の三角州が縮小。土地を失う農民も。
・風土病の発生。かつては洪水によって寄生虫を媒介する動物(かたつむりの一種)が死滅していたが、現在はそれらが繁殖。寄生虫による風土病が広がっている。(いわゆる住血吸虫です。よかったらネットなどで検索しておいてください)
・遺跡の移転に伴う財政負担。ダム湖に水没するアブシンベル神殿を高所に移設したが、莫大な予算を費やしてしまった。

大きくこんなところでしょうか。今回は農業に関する「深刻な問題」ですので、肥沃土の供給量の減少と灌漑による塩害の発生について私は取り上げ、解答としてみました。参考にしてくださいね。

>(4)新たな耕地を確保するために灌漑を盛んに行うため、川の水が不足している。そのため、bでは長江の水を引き込んで不足を補い、cでは点滴灌漑を採用することで節水している。(81字)

これも悪くありませんが、どうも( )さんは文章力が高いがゆえに、それに対する過度な依存がみられるようなのです。つまり(言い方が悪いですが、気にしないでくださいね)、「外見はいいが、内容が伴っていない」文章になってしまっているのですよ。勉強量が足りないわけではないのでしょうが、内容的に不正確な部分があります。しかし、( )さんは文章をうまくまとめてしまっているので、自分自身でその「足りない」部分に気付いていないのではないでしょうか。資料を調べるなどして構いませんから、より正確な解答をつくってみてください。

本問についても「水不足」と決めつけてしまって、迷うことなく文章を書き進めてしまっているわけですが、その前にちょっと考えてみてください。本当にその考え方で正しいのか。本問の場合は「土壌侵食」や「土壌流出」が適切な解答だったのです。ミシシッピ川沿いで特に顕著な環境問題ですし、砂漠化の影響によって黄土高原でも大きな問題になっています。

そうすれば、土壌が流れ落ちるのを防ぐために「植林」が行われたり、「等高線耕作」がなされたりなど、具体的な方策に思い当たるはずです。文章を書くのが苦にならない( )さんだからこそ、こういった「早とちり」をしてしまうわけです。意識を改めましょう。

なお、こちらが私の解答例です。こういったことが書ければ合格圏と思いますよ。

「森林伐採による耕地化により土壌侵食、土壌流出が生じ、さらに不適切な灌漑による砂漠化も。b流域では退耕還林政策により植林がなされる。c流域は等高線耕作により土壌流出が防がれる。(87字)」

こういった形でしょうか。「退耕還林」という言葉が使われていますが、これはとくに不要だったかも知れません、ちょっと特殊な言葉ですからね。

>設問B
>(1)ア−日本海流 イ−千島海流 ウ−大陸棚 エ−排他的経済水域

問題なかったと思います。基本的な問題ですね。

>(2)エは域内の資源の独占を保証するため、領有国の経済へ与える影響が大きい。境界をまたぐ資源の利用に融通を利かせることで、経済が不安定な沿岸国が自国の資源で自立することを助けるため。(89字)

本問はちょっと書きにくかったですね。とくに解答の必要はなかったと思います。以下の私の解答を参考にしてください。

「エは沿岸国に資源の独占的な開発権を認めるものである。しかし、ウは浅海底であるため開発が比較的容易であり、エを超える範囲であっても沿岸国に開発権を与えた方が効率的である。」(84字)

200カイリは400キロ弱で、おおよそ東京〜大阪間の距離に当たります。大陸だなは水深200mまでの浅海底であり、鉱産資源の開発などが比較的容易に行えます。しかし、大陸だなが200カイリを超えて広がっていたらどうでしょう?沿岸から199カイリまでの海底油田は開発できるのに、201カイリならば何もできなくなってしまう。これってちょっと不自然なことだと思いませんか?こうした不整合を取り除くために、大陸たなの及ぶ範囲については200カイリの範囲を超えても、沿岸国の権利を認めようという動きもあるわけです。

納得してもらえたらそれでオッケイです。今後、こういった事例もあるのだなということだけ知っておいてください。東大の問題としては例外的なものだったと思いますよ。

  • 2021.08.03 20:26
  • たつじん

東京大学 2008年度
第1問
設問A
(1)a−ウ b−オ c−イ d−エ e−ア
(2)地形−三角州 自然現象−ハリケーン 都市−
(3)砂漠気候で土地が痩せており、定期的な氾濫により肥沃な土壌が補充されたが、ダムの建設で氾濫による栄養供給が抑制された。(58字)
(4)新たな耕地を確保するために灌漑を盛んに行うため、川の水が不足している。そのため、bでは長江の水を引き込んで不足を補い、cでは点滴灌漑を採用することで節水している。(81字)

設問B
(1)ア−日本海流 イ−千島海流 ウ−大陸棚 エ−排他的経済水域
(2)エは域内の資源の独占を保証するため、領有国の経済へ与える影響が大きい。境界をまたぐ資源の利用に融通を利かせることで、経済が不安定な沿岸国が自国の資源で自立することを助けるため。(89字)


よろしくお願いいたします。

  • 2021.07.30 20:10
  • ゆう

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