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2021.10.21

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すでにお申し込みされている添削メンバーの方のみ投稿ください(メンバー募集は4月で終わっています。追加募集の予定はありません)。最低、月に1回の投稿がノルマです。これが無き場合は登録取り消しになりますので、ご注意ください。

コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性があります。その際は他のフォームに再投稿していただけますでしょうか。お手数ですが、よろしくお願いいたします。(従来のDMによるお問い合わせは取りやめといたしました。ご理解くださいませ)

コメント

では添削いたします。

>東大地理 2006年度第3問

>設問A
(1)
A・・・中国
B・・・台湾
Ⅽ・・・マレーシア

(なぜ、台湾は人口が多くないにもかかわらず、1997年におけるパソコンの生産量がずば抜けて多いのですか?解答する際に本当に合っているか自信がありませんでした)

たしかにそうですね。台湾はパソコンの部品については高いシェアを占めていますが、完成品はどうなんでしょうね。本問は「急成長=a=中国」、「アジアNIEsで比較的早い段階から工業化=b=台湾」、「90年代以降工業化=c=マレーシア」ですから、問題を解く上では支障なかったかと思います。

>(2)パソコンは労働集約的性質をもっている。そのため、工場を人件費の高い日本から、労働力が豊富で人件費の安い国へ移転させたから。

「パソコン」というか「パソコン工業」、「パソコンの組み立て」とするべきでしょうね。いきなり「労働集約的」と言われても何のことやらわかりません。さらに「労働集約的」という言葉はないので、しっかりと「労働集約型」という言葉を用いるべきです。

また、日本ではたしかに組み立て部門は海外流出しましたが、研究や開発部門は国内に残っていますよね。それについても言及するべきです。

「パソコンの組立は労働集約型工業であり、低賃金の発展途上国に流出。日本国内では研究開発を行う。」

こういうことを書くべきだったと思いますよ。(これでは字数が少ないので、もうちょっと余裕を持って説明し、字数制限を満たしてください)

>(3)政府が経済成長発展のためにIT産業や情報産業の成長に力を入れている。また、人的資源確保のためにパソコンの普及を促しているから。

前半は完璧です。わかりやすいと思いますよ。ただ、後半が弱いですね。「人的資源確保」のために「パソコンの普及」というのがよくわかりません。どういった意味なのでしょうか。

例えばこういう感じでしょうか。

「工業化による経済発展を遂げた両国である。高度に教育された人材資源の育成が政府主導で進み、通信回線などインフラ整備も進む。(60字)」

この通信回線については注目してくださいね。韓国は「若い」国であるからこそ、日本よりも早くADSL回線が21世紀初頭には全土に広がり、いち早くインターネット社会を実現させた国です。今ではADSLは光ファイバーにその位置を譲っていますが、上方化社会の進展については韓国は日本より一日の長があると言われています。機会あれば韓国における通信インフラの整備も調べておくといいですね。

>設問B

>(1)各県が企業誘致を行った結果、工業化が進み、経済成長した。また、高速道路や新幹線が開通したことで、往来しやすくなったから。

なるほど、2つのトピックをそれぞれ述べようとする姿勢はいいと思います。十分な解答ですよ。キーワードも巧みに配置されています。「往来しやすく」という表現もいいですね。ただ、「往来」とするとあくまで人間の移動に関するものだけを示している印象です。高速道路を用いた貨物輸送が活発化したことまで言及できえばさらに良かったでしょう。

統計に目を移しましょう。1980年は高卒就職者数が極めて多く、そして県外就職者こそ現在に比べとくに多かったわけです。彼らはどこに就職したのでしょうか。おそらく東京の工場なのではないでしょうか。

主な勤め先が「東京の工場」から「県内の工場」に変化したことについて、キーワードを使いつつ確実に説明することが大事だと思います。

「企業誘致」、「高速道路」は使えます。これらにより「工業化」が進展したことを述べましょう。「新幹線」はどちらでもいいかなとは思います。人間の移動は便利になりますが、新幹線は貨物(工業製品)の輸送には用いませんものね。

「高速道路整備により製品輸送が容易となり、新幹線開通で大都市圏とのアクセスが向上。工場や企業誘致により県内の雇用が増加。」(59字)

こういった形でしょうか。納得はできると思います。

なお、データ自体、とても興味深いものですので、再確認しておいてくださいね。「高卒就職者数」については実数、「県内就業者の割合」「県外就業者の割合」は割合で示されています。人数そのものが大きく減少するなかで、とくに際立って減少しているのが県外への就職者というわけです。おもしろい傾向ですよね

>(2)東京が国際化や情報化し、あらゆる機能が東京に一極集中した。そのため、地方から東京へ上京する人が増えたから。

ややキーワードの使い方に難を感じます。

「国際化」はともかく「情報化」はどうでしょう。「情報化社会」という言い方はしますが、「東京が情報化」というのはピンときません。

さらに「あらゆる機能」とは何でしょう。これは具体的な言葉を挙げるべきです。

また「上京」という言い方もどうなんでしょうね。あまり地理で登場する言葉でもないような気がします。単に「移動」や「流入」で良かったかと思いますよ。

例えばこうなります。

「サービス経済化や情報化が進むことで中枢管理機能の東京への一極集中が高まった。航空路線など交通手段の整備も背景にある。(58字)」

このような形でしょうか。九州と東京とのアクセスの良さは背景に必ずあると思いますので、これに関しても言及してみました。

「サービス経済化」と「情報化」はセットで使えたと思います。また、ここでは「中数管理機能」としてみました。「経済」や「金融業」なども一極集中の例として挙げられたとはおもいます。

本問の難しいのは、数の捉え方です。1980年から1990年は母数となる高卒就職者が減少しているのですから、実数として東京で就職した人が増えているのか微妙なところですよね。むしろ他の地域での減少率が高く、東京の割合が相対的に上昇しているだけとも言えます。東京への雇用が増加したと素直に言い切れないことが難しいところなのです。完璧な回答が求められる問題でもなかったかなとは思います。

>(3)これらの県がサービス経済化や商業の発展などの都市開発に力を注いだことで、地方中枢都市となった。そのため、雇用機会と都市の魅力が増大したから東京圏で就職する割合が減少して近くの地方中枢都市で就職する割合が増えた。

なるほど、字数が多いとかえって適切な解答を書くことができていますね。丁寧に記述することで内容が具体的になり、たいへんわかりやすいです。

この大問の難しい(というか、問題としての完成度が低い)ところは、(1),(2),(3)について問題内容に明確な差がないので、いずれも同じようなことを書かざるを得ない点ですよね。でも、それで良かったと思いますよ。大筋は同じでも、微細なところを調整し、それぞれの設問に呼応した内容を記述することが求められます。「サービス経済化」や「情報化」などのキーワードの使い方も適切です。「高速道路」を用いて通勤などアクセスの良さを強調してもよかったかもしれません。

「都市の魅力」という表現は上手いなと思いました。適切な解答になっています。

さらに演習を続けていきましょう。

  • 2021.10.27 08:12
  • たつじん

東大地理 2006年度第3問

設問A
(1)
A・・・中国
B・・・台湾
Ⅽ・・・マレーシア

(なぜ、台湾は人口が多くないにもかかわらず、1997年におけるパソコンの生産量がずば抜けて多いのですか?解答する際に本当に合っているか自信がありませんでした)

(2)パソコンは労働集約的性質をもっている。そのため、工場を人件費の高い日本から、労働力が豊富で人件費の安い国へ移転させたから。

(3)政府が経済成長発展のためにIT産業や情報産業の成長に力を入れている。また、人的資源確保のためにパソコンの普及を促しているから。

設問B

(1)各県が企業誘致を行った結果、工業化が進み、経済成長した。また、高速道路や新幹線が開通したことで、往来しやすくなったから。

(2)東京が国際化や情報化し、あらゆる機能が東京に一極集中した。そのため、地方から東京へ上京する人が増えたから。

(3)これらの県がサービス経済化や商業の発展などの都市開発に力を注いだことで、地方中枢都市となった。そのため、雇用機会と都市の魅力が増大したから東京圏で就職する割合が減少して近くの地方中枢都市で就職する割合が増えた。



添削よろしくお願いします。

  • 2021.10.22 14:22
  • のい

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