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2021.11.01

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すでにお申し込みされている添削メンバーの方のみ投稿ください(メンバー募集は4月で終わっています。追加募集の予定はありません)。最低、月に1回の投稿がノルマです。これが無き場合は登録取り消しになりますので、ご注意ください。

コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性があります。その際は他のフォームに再投稿していただけますでしょうか。お手数ですが、よろしくお願いいたします。(従来のDMによるお問い合わせは取りやめといたしました。ご理解くださいませ)

コメント

では添削いたします。

>東大 2010年

>第3問

>設問A

>(1) 1970年代以前は、港湾部の鉄鋼・石油化学など「素材型産業」が中心で、内航海運の比率が高い。1970年代以後は、自動車など組立工業が中心で、「ジャストインタイム」方式に対応した自動車輸送の比率が高い。(90字)

なるほど、上手く書けていますね。


「ジャストインタイム」の用法がちょっと難しかったかも知れませんね。「ジャストインタイム方式に対等」という養蜂で適切だったと思いますよ。

Wikipediaでは「生産過程において、各工程に必要な物を、必要な時に、必要な量だけ供給する」システムだと説明されていますね。在庫を減らして、無駄をなくす供給体制です。完成までに多くの工程と部品を必要とする自動車工業において一般的に行われ、トヨタがこれを導入することで生産性を上げていったことはよく知られています。ただ、大企業には有利なシステムではあるものの、関連工場にとっては負担が大きく、二次や三次の下受け企業にとっては過酷な生産体制を強いることになります。知識として知っておきましょう。「ジャストインタイム=即時」に部品を供給することです。

私はこう書いてみました。

「高度経済成長期は臨海立地の素材型工業が主で資源等大量輸送に適した内航海運が重用。石油危機以降は自動車工業など内陸部に工業地域が拡大しジャストインタイム方式に適した自動車輸送が発達」(90字)

いかがでしょうか。自動車工業が「内陸部」だからこそ自動車輸送が増えたことを指摘しています。「臨海部=船舶、内陸部=自動車」の対比がポイントですね。

「臨海部」と「内陸部」の違いを明確にし、それぞれ「素材型工業」と「自動車工業」を具体例として挙げています。

90字という字数は長く感じますが、実際に解答をつくってみるとかなり厳しいことがわかります。大きく2つのこと(高度経済成長期と現在)を説明する必要がありますから、実質的な字数制限は「45字」ですよね。さらに「ジャストインタイム」という言葉だけで全体の1割の字数を占めてしまうのです。内容的には難しいとは思いませんが、いかに整理して効率的に文章を作るのかが課題の問題でした。

>(2) コンテナ輸送によるコスト削減を達成した。エネルギー効率の高さや温室効果ガス排出量の少なさで、自動車輸送より有利である。(59字)

いいですね、コンテナ輸送という着眼点が素晴らしいと思います。「コスト」と「環境負荷」の2つのトピックを並べている点も適切です。

私お書いてみました。

「鉄道輸送は自動車輸送に比べ大気汚染物質の排出量が少なく環境負荷が小さい。エネルギー当たりの輸送量が大きく効率的である。」(59字)

やはり、2つのトピックを並べています。「60字=2トピック=2文」は大原則ですね。

>設問B

>(1) (ア)の名古屋港と(ウ)の横浜港は、周辺に機械工業が発達して自動車関連産業が集積するため、自動車や自動車部品の輸出が多い。(59字)

いいですね。自動車工業に言及できていれば十分の問題だったでしょう。

私も書いてみました。

このように書いてみました。

「主な輸出品目は自動車である。自動車工業は集積立地であり、周辺に部品工場や組立工場など集中し、自動車生産が盛ん。」(55字)

問題の要求に答え、まず例(自動車)を示し、その特徴として「集積立地」を挙げています。後半はそれに付随する説明ですが、むしろ字数稼ぎでしょうか(本問は書くべき内容に対し、字数制限が長いように思います)。


>(2) (イ)の千葉港は、周辺に鉄鋼・石油化学工業が発達し、鉄鉱石や石油製品の輸入が多い。一方、(エ)の苫小牧港は、周辺に紙パルプ工業や畜産業が発達し、木材チップやトウモロコシの輸入が多い。(89字)

いいですね、それぞれ具体的に述べられています。本問は2つの港について述べる問題であり、「90字=2トピック」でしたね。その分、文字数に余裕があり、丁寧に説明できたと思います。

なお、ちなみにエの苫小牧は石油関連産業の立地もみられます。巨大な原油の備蓄基地もあり、化学工業も発達しています。これに関して言及することはなかったと思いますが、苫小牧港が日本5位の港である背景には原油の取り扱いがあることも知っておいてください。

>設問C

>(1) a-ルール b-ライン c-フランクフルト d-ミュンヘン 
   e-ベルリン

いいですね。いずれも基本的な都市名です。私のホームページの「共通テストで問われる都市名100」にもあります(YouTubeでこれら100の都市名については説明しています)。良かったら確認しておいてくださいね。東大地理は基本的な都市名しか問われないことがよくわかる問題です。

>(2) 東海道「メガロポリス」を結ぶ(ウ)の沿線では、高度成長期に地方から人口流入が多かった「工業地域」に位置する、都市が成長したから。(60字)

>※設問文に【このような特徴が『生じた』理由】とあります。『生じた』ということは、『どのような経緯』でこのようになったのか、すなわち『成立した過程』を踏まえた上で、答案を作る必要がある考えました。

>よって、単に「東海道「メガロポリス」や「工業地域」(=三大工業地帯)が沿線にはあるから。」という答案を避け、

>『都市部では過密が、地方では過疎が、問題となった人口移動』=『向都離村』を意識した上記のような答案にいたしました。

いいですね。適切な解釈ですよ。問題文の読み取りが正しくできています。

チョウセイさんの言いたいのはこういうことですよね。
「工業地域として発達→人口が流入→メガロポリスを形成」

三大都市圏では高度経済成長期に工業化が興りました。これにより地方から多くの人口が流入(つまり「向都離村」ですね)し、都市化が進行。三大都市圏をつなぐ交通や情報のネットワークが整備され、メガロポリスを形成したわけです。

さらに、このような三大都市圏の発達が、その周辺地域も含め「東海道」全体で発展する流れもあり、このような発達の経緯は、高度経済成長期を特徴づけるものです。

例えば私はこう書いてみました。

「東京圏、名古屋圏、大阪圏は工業地域として発達し、人口が流入。大都市が連続する東海道メガロポリスが形成された。」(54字)

チョウセイさんの文章は、ちょっとスムーズではない部分を感じます。

「東海道メガロポリスを結ぶ(ウ)の沿線では、高度成長期に地方から人口流入が多かった工業地域に位置する、都市が成長したから。」

これを以下のようにしてみたらどうでしょう?

「ウの沿線は東海道メガロポリスを結ぶものである。工業が発達し高度成長期に地方から人口流入が多く、都市化が進んだから。」

この方がスッキリしてわかりやすいと思いますよ。

>(3) 「連邦制」をとるドイツでは、中枢機能を担う都市が各州にあり、「都市機能」は分散して同規模の人口を持つ都市が多い。一方、「中央集権」国家の日本では、「都市機能」や人口が、首都東京に一極集中している。(89字)

何となくわかりにくい印象があるんですよね。

「ドイツは連邦制である。中枢機能を担う都市が各州にあり、都市機能は分散する。同程度の人口を持つ都市が多い。日本は中央集権的性格を有する。都市機能や人口が首都東京に一極集中する。」(87字)

チョウセイさんの文章は、前半部分の構成がちょっと複雑に思います。短文に切ってみたらどうでしょう。

後半の日本の説明は問題ないのですが、せっかくですのでこちらも切ってみました。


なお、私はこう書いています。

「連邦制のドイツは州ごとの独自性が強く、都市機能が諸都市に分散。各都市の規模もさほど大きくはない。日本は中央集権的な傾向が強く、東京が突出して巨大であり、世界都市としても重要。」(87字)

東京については「首都」であることより「世界都市」であることが重要と考え、こちらの言葉を加えています。

「中央集権」については「中央集権的な傾向が強く」としています。例えば我々が普段生活していて「日本は中央集権国家だ」なんていう言い方、聞くことがあるでしょうか。さすがにそれは言い過ぎのような気がします。「中央集権国家」と断言するのではなく、「中央集権的な性格が強い」のように、ややソフィスティケートした言い方にとどめた方が無難だったかもしれません。

さらに演習を続けましょう。





  • 2021.11.07 20:59
  • たつじん

東大 2010年





第3問



設問A


(1) 1970年代以前は、港湾部の鉄鋼・石油化学など「素材型産業」が中心で、内航海運の比率が高い。1970年代以後は、自動車など組立工業が中心で、「ジャストインタイム」方式に対応した自動車輸送の比率が高い。(90字)


(2) コンテナ輸送によるコスト削減を達成した。エネルギー効率の高さや温室効果ガス排出量の少なさで、自動車輸送より有利である。(59字)



設問B


(1) (ア)の名古屋港と(ウ)の横浜港は、周辺に機械工業が発達して自動車関連産業が集積するため、自動車や自動車部品の輸出が多い。(59字)


(2) (イ)の千葉港は、周辺に鉄鋼・石油化学工業が発達し、鉄鉱石や石油製品の輸入が多い。一方、(エ)の苫小牧港は、周辺に紙パルプ工業や畜産業が発達し、木材チップやトウモロコシの輸入が多い。(89字)



設問C


(1) a-ルール b-ライン c-フランクフルト d-ミュンヘン 
   e-ベルリン


(2) 東海道「メガロポリス」を結ぶ(ウ)の沿線では、高度成長期に地方から人口流入が多かった「工業地域」に位置する、都市が成長したから。(60字)

※設問文に【このような特徴が『生じた』理由】とあります。『生じた』ということは、『どのような経緯』でこのようになったのか、すなわち『成立した過程』を踏まえた上で、答案を作る必要がある考えました。

よって、単に「東海道「メガロポリス」や「工業地域」(=三大工業地帯)が沿線にはあるから。」という答案を避け、

『都市部では過密が、地方では過疎が、問題となった人口移動』=『向都離村』を意識した上記のような答案にいたしました。


(3) 「連邦制」をとるドイツでは、中枢機能を担う都市が各州にあり、「都市機能」は分散して同規模の人口を持つ都市が多い。一方、「中央集権」国家の日本では、「都市機能」や人口が、首都東京に一極集中している。(89字)

  • 2021.11.02 20:54
  • チョウセイ

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