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では添削いたします。

＞東大　2002年

＞第3問

＞設問A

＞(1)　三角州

正解です。いいですね。「三角州」について、その名称から「三角形」をイメージしてしまう人が多いのですが、実際にはこのような河口部が海に向かって突き出した形になることが一般的です。視覚的に理解しましょうね。

＞(2)　「河川」の「洪水」時に大量の「土砂」が下流に堆積した。地盤隆起や、気候の寒冷化に伴う海面低下もあった。海岸線が海へ向かって後退した。(60字)

いいですね。キーワードの使い方が適切です。

「気候の寒冷化に伴う海面低下」は微妙ですね。最終氷期である２〜３万年前から比べれば現在の気温は高く、むしろ海面上昇しています。

海面低下していたのはまさにその最終氷期であり、現在より１００ｍほど海水面が低かったため、現在大陸棚となっている浅い海底は陸地化していました。東シナ海やベーリング海峡が例ですね。

例えば、土砂の堆積によって「沖積平野」が形成されたといった文言を加えてみてはどうだったでしょう。沖積平野とは扇状地、氾濫原、三角州のことですが、主に河川沿いに氾濫原や三角州が形成された様子を記述するのは一つのアイデアと思いますよ。

「河川の洪水時に大量の土砂が下流に堆積し、沖積平野が形成された。地盤隆起も生じ、海岸線が海に向かって後退した。」（５４字）

このような書き方ができたかと思います。

＞(3)　自然堤防

適切です。図の読解が正しくできています。

小地形である「氾濫原」にみられる微地形として「自然堤防」と「後背湿地」があります。全体に低地の地形である氾濫原は水害を受けやすいところですが、その中でも浸水の被害を免れる場所として自然堤防がありますね。「水が豊かな地域では、水を避けるところ」に集落が立地しますが、それが氾濫原における自然堤防に該当します。河川沿いに「列村」がみられたら、それは自然堤防上に発生したものですね。

自然堤防は、数十センチから数メートル程度の微高地で、土が盛り上がっている様子を想像してください。洪水の際に河川から吐き出された比較的目の大きな土砂が、河川沿いに堆積します。周囲の土地より水捌けがよいので、この上に家屋が立てられるわけですね。

河川の氾濫の際には、河川から流出した水が自然堤防を越え、川の反対側の低地へと流れ込みます（後背湿地ですね）。自然堤防自体は水捌けのよい地形であり、さらに一段高い地形であるため（これを「高燥」といいます。「低湿」の反対です）、この上につくられた家屋は浸水を免れます。

＞(4)　以前は、後背湿地であるため、水田の利用が多かった。近年の都市化に伴い、広い土地が必要な公共施設に利用されるようになった。(60字)

なるほど、とてもわかりやすい文章ですね。「公共施設」について「広い土地が必要」という説明はいいと思います。たしかに後輩湿地は広い土地が確保しやすいですからね。

投稿時刻が21時ちょうどになっていますね。原則として「21時以降」の投稿は添削しないことにしていますが、今回は特別です。21時近くになるようなら翌日の朝５時以降に投稿してくださいね。早寝早起きを徹底して！

東大　2002年



第3問


設問A

(1)　三角州

(2)　「河川」の「洪水」時に大量の「土砂」が下流に堆積した。地盤隆起や、気候の寒冷化に伴う海面低下もあった。海岸線が海へ向かって後退した。(60字)

(3)　自然堤防

(4)　以前は、後背湿地であるため、水田の利用が多かった。近年の都市化に伴い、広い土地が必要な公共施設に利用されるようになった。(60字)