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2019.11.08

添削フォーム50

 コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。


コメント

では添削させていただきますね。(すでにご覧いただいているとは思いますが)「スタディサプリ・地理・論述編」第3講でも同問は説明していますので、そちらと合わせて深い理解につなげてください。


>(1)Aは海岸沿いに寒流が流れ、気温の逆転現象が起き、上昇気流が起きず、降雨の少ない海岸側が、Bは隔海度が高く、中緯度高圧帯が卓越するため、降雨の少ない内陸側が砂漠となる。

非常によい答案に思いますよ。限られた文字数でうまく説明しています。

>(3)5~10月に南西季節風で提供された蒸気が山脈山麓で降雨する。

こちらも問題ないでしょう。「蒸気」とは「水蒸気」のことでしょうか。語句の使用に注意すれば、十分に意味は通じます。

>B農作物輸送に使用される化石燃料が排出した温室効果ガスによる地球温暖化、アメリカ西部などの半乾燥地帯での大規模農業に際して過剰な灌漑・地下水利用が行われ、水資源の不足が生じる問題。

なるほど、具体的な問題点がしっかり述べられており、非常に適切です。字数が短い中、2つのトピックがバランスよく示されています。東大論述は字数制限の短さが実は頭を悩ませるところですからね。うまく書けています。

>C(2)潮間帯にマングローブ林がある浅瀬があり、大消費地の日本へ輸出がしやすいため、エビ養殖場が建設されたから。

ここから先はサプリの授業で扱っていないので、もうちょっと詳しく回答していきますね。

いいですね。的確です。非常にわかりやすく書けています。「潮間帯〜浅瀬があり」までが自然的条件ですね。ただ、社会的条件がちょっと弱いかな。一応「大消費地の日本への輸出がしやすい」という箇所がそれに該当するのでしょうが、必ずしも適切な回答になっていないような気がします。

例えば、この2つのトピックを明確に示し、以下のように文章を組み立てみてはいかがでしょう。

輸出用のエビの養殖が盛んである。熱帯に位置し水温が高い海域はエビの養殖に適する。賃金水準が低く安いコストで養殖が可能。(59字)

あえてマングローブという言葉は外しています。設問に忠実に回答するとこういった内容になるでしょう。

>(3)発展途上国の消費量が増えるなかで、マグロなどの生息場所が排他的経済水域外にある回遊魚が乱獲され、他国の排他的経済水域内に生息する魚も減少したため、漁獲量の総量規制が求められたから。

たいへんうまく書けていますね。これで満点だと思いますよ。完璧です。

マグロを例とする。中国を始めとする世界的な消費量の拡大がみられ、排他的経済水域外の公海を生息場所とするマグロについても乱獲が行われた結果、漁獲量が大きく減少したところもある。総量規制などの国際的な取り組みが必要である。(109字)

>第三問

>A(2)南米から流入したヒスパニックの出生率が高く、人口動態が変化しない程度の高い出生率を保っているから。

よく書けています。十分に合格圏に思います。気になる点を少々指摘しますね。

まずヒスパニックは主にメキシコやカリブ海諸国からの移民とその子孫であり、「南米」は不正確に思います。たとえば南米の半分を占めるブラジルはポルトガル語ですからそもそもヒスパニック(スペイン語話者)でありません。もちろん近年は南米からの移民も多くなっているので、文章自体は間違いではありませんが、その場合は「ラティーノ」という言葉を使うべきでしょう。ただ、そこまで詳しく記述する必要はありませんし、また字数制限もあることですから、何の説明もなく単に「ヒスパニック」だけでいいと思います。

また、「30〜44歳」についてはいわゆる働き盛りであり、「若年層」と考えて構いません。都市にこうした若年層の移民が多く流入することを強調しておきましょう。そのうえで、彼らが子供を設け、多産の傾向をもつことを指摘するべきです。多産には経済的な状況(一般論として経済レベルが低いと子供を多く設ける)や宗教的な背景(カトリックが多く、彼らは中絶と離婚を禁じる)がありますので、字数制限が長い場合、そこまで言及してもいいでしょう。

都市には仕事を求めて若年層を中心としたヒスパニックが多く流入する。彼らは宗教的な理由などで多産であり、子の世代も多い。(59字)

>(3)1980年代以降の韓国の高度経済成長期に農村から都市への人口移動が起きたが、その世代が未だに若く生産年齢人口であるから。

いいですね。こちらは全く隙がありません。完璧です。年代を示している点も好印象です。

B(2)バブル経済で地価が高騰し、郊外へ移住する人が増加したから。

問題番号は(2)ではなく(3)ですね。そのつもりで回答いたします。

まず気を付けて欲しいのが、この都市は銅山を中心に発展したということで「日立」になります(これは日本地理=中学地理のレベルの知識です。中学地理の勉強はしっかりできていますか)。日立といえば家電メーカーですよね(これも中学レベルです)。ウが「電気機械工業」であることはわかるはずです。高度経済成長の時期に人口が増えた理由は、もちろん工場労働者の流入ですよね。
これが1980年代後半から人口減少に転じます。オイルショックを経て日本の製造業は停滞します。コンピュータなど知識型産業へと転換していきます。安価な労働力に依存する労働集約型工業は海外へと展開し、電気機械工業もその例外ではないはずです。「産業の空洞化」が生じるわけですよね。
ですので、ここは「工場の海外流出による産業の空洞化」について言及するべきだったところだと思いますよ(^^)ちょっと惜しかったですね。


(3)大企業に依存した地域では、本社施設の移転などの動向により、一度に多くの企業が倒産し、失業者が生まれる可能性があるから。

これもいい解答です。十分に合格点です。全く問題ありません。
ただ、問題文の内容をよりストレートに反映させてもいいかなと思います。具体的には「業種」という言葉を使うということです。

特定の業種に依存するとその業種が不振となった時の打撃は大きい。多種類の業種を育成することで、安定した経済基盤を作る。(58字)

コール&レスポンスと言いましょうか、提示されたキーワードをそのまま使うというのもテクニックのうちです。

全体としてよく書けています。もちろん十分に合格圏です。本番まで時間はありませんが、余裕があればまた投稿してみてくださいね。できるだけ迅速に添削いたします(^^)

追記
添削フォームについては、こちらのフォームはすでに使用済みとなっていますので、今後投稿される場合は「空白」のフォームを利用してください。添削フォームの48か49、あるいは51以降でお願いします。

追記2
お礼の投稿は結構です。どんどん次の答案を送ってくださいね(^^)

  • 2020.02.05 20:47
  • たつじん

初めて添削お願いさせていただきます、よろしくお願いします
東京大学2013年
第二問A
(1)Aは海岸沿いに寒流が流れ、気温の逆転現象が起き、上昇気流が起きず、降雨の少ない海岸側が、Bは隔海度が高く、中緯度高圧帯が卓越するため、降雨の少ない内陸側が砂漠となる。
(3)5~10月に南西季節風で提供された蒸気が山脈山麓で降雨する。
B農作物輸送に使用される化石燃料が排出した温室効果ガスによる地球温暖化、アメリカ西部などの半乾燥地帯での大規模農業に際して過剰な灌漑・地下水利用が行われ、水資源の不足が生じる問題。
C(2)潮間帯にマングローブ林がある浅瀬があり、大消費地の日本へ輸出がしやすいため、エビ養殖場が建設されたから。
(3)発展途上国の消費量が増えるなかで、マグロなどの生息場所が排他的経済水域外にある回遊魚が乱獲され、他国の排他的経済水域内に生息する魚も減少したため、漁獲量の総量規制が求められたから。
第三問
A(2)南米から流入したヒスパニックの出生率が高く、人口動態が変化しない程度の高い出生率を保っているから。
(3)1980年代以降の韓国の高度経済成長期に農村から都市への人口移動が起きたが、その世代が未だに若く生産年齢人口であるから。
B(2)バブル経済で地価が高騰し、郊外へ移住する人が増加したから。
(3)大企業に依存した地域では、本社施設の移転などの動向により、一度に多くの企業が倒産し、失業者が生まれる可能性があるから。

  • 2020.02.04 18:55
  • とおる

東大の勉強がんばっていますね(^^)

大変遅れました。添削になります。ぜひ参考にしてください。

<東京大学 2014年 第1問>

>設問A
>(2)植物の成長過程で光合成によって吸収され酸素に変えられる二酸化炭素量と燃焼で排出される二酸化炭素量が近い値になるから。

いいですね。いわゆるカーボンニュートラルの説明です。キーワードも適切に使えていますし、ほぼ満点回答です。

>(3)人間の食料や家畜の飼料に使用している穀物であるため、価格の高騰や食料不足を招く可能性があること。

いいですね。こちらも適切に思います。同じくほぼ満点回答です。

>設問B

>(2)地熱発電の立地している地域はすでに温泉として開発されたり、国立公園に指定されるなど、発電所を建設できないから。

こちらも問題ありません。地熱発電は、政府の進める再生可能エネルギーの範囲から外れているのですが、そういった政治的な部分までは踏み込む必要もないでしょう。「温泉」地からの反対、「国立公園」内であることから開発が制限されている。この2点に言及できれば十分です。

>(4)風を遮る障害物が少なく、一年中風向が一定であること。

素晴らしい回答です。そうなんです。これが本来の風力発電の理想的な立地なのです。満点回答です!
といいたいところなのですが、本問の落とし穴として、これが日本国内における立地について説明が求められている点にポイントがあるのです。
「風を遮る障害物が少なく」は許容範囲でしょう。しかし「一年中風向が一定」となると首を傾げるしかありません。日本は季節風の影響が強く、風向は季節によって逆転します。本来、風力発電に適さない地域です。
そういうネガティブな条件をふまえつつも、ポジティブな内容にねじ伏せていく。間違った意見であっても堂々と主張する「ディベート」に近いものがあるかもしれません。
前半はそのままでいいでしょう。青森県や北海道は平野も広く、とくに海岸線に剃って風力発電施設を建設すれば、まさに「障害物が少なく」なります。
後半は変えた方がいいですね。「風向が変わる」ことはネガティブ条件ですから、これは捨てる。ここは「強い風」にしてみましょうか。とくに冬の日本海側におけるシベリアからの季節風は強風として知られています。
「とくに冬には強い季節風が吹き付けるから」など答えてみてはいかがでしょう。私は個人的には日本は風力発電に適さない国だと思っていますし、もしかしたら出題側の東大の先生も、そういったネガティブ要素を考えさせるためにあえてこうした問題を用意したのかもしれません。その作問意図まで読み取って、深い意識をもって「ディベート」に徹して欲しいと思っています。

今回は添削が遅れてしまい申し訳ありませんでした。マメに掲示板は確認するようにしますので(本来は通知が来るはずなのですが、何かの手違いでその機能が失われてしまっているようです)、これに懲りず、どんどん投稿してください。今はセンターの勉強が忙しいでしょうから、無理はしなくていいですが、時間を見つけて過去問に挑戦してみてくださいね。


  • 2020.01.05 08:27
  • たつじん

東京大学 2014年 第1問 です。よろしくお願いします。
設問A
(2)植物の成長過程で光合成によって吸収され酸素に変えられる二酸化炭素量と燃焼で排出される二酸化炭素量が近い値になるから。
(3)人間の食料や家畜の飼料に使用している穀物であるため、価格の高騰や食料不足を招く可能性があること。
設問B
(2)地熱発電の立地している地域はすでに温泉として開発されたり、国立公園に指定されるなど、発電所を建設できないから。
(4)風を遮る障害物が少なく、一年中風向が一定であること。

  • 2019.12.27 10:22
  • むらた

添削希望されるかたはコメントの形で、自分の作った解答を投稿してください。大学名、年度、問題番号も忘れずに。添削には少々お時間をいただくことになると思いますが、ご了解くださいませ。

  • 2019.12.17 13:10
  • たつじん

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