ブログ

2021.03.11

投稿フォーム304

コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性がありますので、ツイッター(@ts914)にDMをいただけますでしょうか。早々に対応いたします。

コメント

では添削いたします。

>東大 2011 第一問

>設問A (1) c-干ばつ d-火山災害 e-地震災害 f-風害

いいですね。非常に興味深いデータですので、解いていておもしろかったのではないでしょうか。日本に注目するのがコツですね。

Cは干ばつです。梅雨や積雪による融水など農業用水を確保しやすい日本では生じにくい災害です。降水量に比して農業生産が多い地域(オーストラリア、中国、インド)や乾季が明瞭な地域(サヘル地帯やブラジル)で生じるケースが多いですね。

DとEについては南米北部のコロンビアに注目してください。日本と同様に多くのプレートが集まり、世界有数の地震・火山国です。インドが含まれるEが地震、含まれないDが火山ですね(南アジアには火山はありません)。

残ったFが風害です。これがよくわかりませんが、北アメリカのトルネード(竜巻)などが該当するのでしょうか。

>(2)山地が多い日本と違い、米国では平野が多く、排水機能が弱いため。日本は人口密度が高く、山の斜面部にも居住者が多いから。 (59/60)

どうでしょうか?「排水機能が弱い」がちょっと気になります。それは「平野」というより「低湿地」であり、それならば沖積平野(水田にも適しています)に人口が集中している日本の方が水害に対して弱くなりませんか。

また「人口密度が高く」は「斜面部にも居住者が多い」こととは直接的に結びつきません。ここは日本列島が平坦な土地に恵まれないことを述べておく必要があります。「平野の占める割合が低いにも関わらず人口密度が高いため、山地斜面にも居住地を拡大せざるを得なかった」わけですよね。

ただ、それでは字数が多くなってしまいますし、ここまで詳しい説明は必要とされていないと思います。人口に関する記述を捨て、単に「山がち」という地形条件のみ記述すれば十分だったと思いますよ。

こういう形ではどうでしょう。

日本には急峻な山地が多く山麓の急斜面に近接して居住する人も多い。米国は平原が広く大河川の沿岸に多くの人が居住する。(57字)

問題文では「アメリカ合衆国」となっていますが、これではさすがに字数を大きく消費してしまうので、こちらでは「米国」としています。

「日本=山地」、「米国=平原」という対照を明確にしました。

水害が多い理由として、海岸や平野部でも間違いないのですが、「大河川」が多く、これに沿って多くの人が住んでいる様子も指摘するべきだったかなとは思いますよ。

>(3)防災意識が高まり、GISなどを用いた防災や建物の強度規制がされて死者は減った。人口の増加や分散により被災の認知件数が増えたり、異常気象が増えて被災地域が増え、被災者は増えた。 (90/90)

いいですね。ほぼ完璧だと思いますよ。こちらで満点回答でしょう。

一部気になるところがあるので、指摘しておきますね。

そもそも「被災者は増加したが、死者が減少した」とはどういうことでしょう。つまり、ある程度のダメージは受けるものの、そこから逃げたり、あるいは治療するなどして深刻な身体的被害には至らないということですよね。

「防災意識が高まり、GISなどを用いた防災」については納得です。具体的には避難行動のことでしょうか。災害によって居住地や財産を失い、多少の怪我はするでしょうが、敵説な避難によって命は助かるという形です。

GISについては、これを利用した「ハザードマップ」もありますから、この点も適切です。

一方、「建物の強度規制」はなんともいえないんですよね。建物が頑丈になれば、そもそも「被災」すらしないわけです。かつては木造の建物が多く、小さな地震でも倒壊などの「被災」がみられたのでしょうが、鉄筋コンクリートの建物となり、少々の地震では被害は生じなくなりました。耐震構造の建造物が普及することによって、死者どころか被災者も減りませんか?

「被災はしたが、死ぬことはない」のが重要です。ですので、例えば「救援活動」を例にあげてもいいかもしれませんね。災害時の救援活動がスムーズに行われるようになったことで、(被災者は減りませんが)今までなら失われていた命が救われることがあります。

「人口の増加や分散によって被災の認知件数が増えたり」はとてもいいと思います。具体的に、「人口増加で居住地が山地斜面や低湿地など災害に弱い土地に広がった」という書き方もできたでしょう。

「異常気象が増えて」はどうでしょうか。これにより災害規模も大きくなるのですから、被災者と同じく死者も増えてしまうのでは?この部分はカットでいいでしょう。

私も書いてみました。こういった形でどうでしょう。

「死者数が減少した理由。かつてより救援活動が活発に行われ、医療体制も整ったから。被災者数が増加した理由。低地や山間部など災害に弱い地域へと居住地が拡大したから。(79字)」

シンプルな文章にしています。無理矢理いろいろなことを詰め込もうとせず、当たり前のことを書きました。これぐらいならかいさんにも書けたのではないでしょうか。参考にしてください。

>設問B

>(1)地形は自然堤防。周囲より少し盛り上がった微高地であり、水害の危険性がない上、水はけが良いため、畑作ができるから。 (57/60)

いいですね。「自然堤防」であることがキチンと捉えられています。ただし、字数的にはかなり余裕がありますので、書く内容に困ったのではないでしょうか。最後の一文はちょっと余分な感じもします(土地利用に言及する必要はなかったかな)。ここは、例えば自然堤防の成因について書いた方が敵説だったと思いますよ。「なぜ」、「どのようにして」自然堤防はつくられたのか、こういった因果関係を明確にすることは地理の要素の一つです。

以下のように解答をつくってみました。

「自然堤防。河川沿いに砂礫が堆積し形成された微高地。周囲より高燥であり水害が防がれるため、古い時代より集落が自然発生した。(60字)」

「砂礫」は単に「土砂」でもいいと思います。目の粗いこと(つまり水捌けのよいこと)を強調しました。「微高地」はもちろん自然堤防の特徴を示す際の必須ワードですよね。さらに「高燥」も便利な言葉です。後背湿地(自然堤防の周辺の低地ですね)が低湿であるのに対し、その反対です。このような反対語の組み合わせもたくさんストックしておくと便利ですよ。そして「自然発生」も、「計画的」な集落の反対語となり、これも便利ワード。水が得にくいところでは水が得やすいところに(扇状地における扇端など)、水が得やすい(水害の危険がある)ところでは水害を避けるところに(氾濫原における自然堤防上など)にしゅうらくは「自然発生」します。一方、「計画」的な集落は条里集落、新田集落、屯田兵村ですね。

>(2) 扇状地の先端に位置し、船長から地下水である伏流川が流れる場所で、利水しやすいがその分洪水の危険性も高いと言う特徴。 (58/60)

前半はいいですね。ただし後半がちょっと弱いと思います。

例えば「扇端」という地形ですが、これは全体的が高燥な地形である扇状地の中では最も標高が低い土地ではありますが、その下流側に広がる後背湿地よりは一段高い地形となっているはずです。

イメージとしてはこんな感じでしょうか。

扇頂;標高100m、扇央;標高100〜10m、扇端;標高10m、氾濫原(後背湿地);10m未満。

つまり扇端は扇状地においては最も水が得やすいからこそ集落が立地するという特徴があるのですが、それに加え、氾濫原(後輩湿地)よりはやや標高が高いため、浸水の被害を受けにくいというメリットもあるわけです。

このことがイメージできるかという問題だったのです。言われてみれば納得なのですが、これに気づくのが難しいですよね。東大の問題が優れている点は、こういった出題の妙にあります。

これを踏まえて文章をつくってみました。

「扇状地の扇端に自然発生した集落である。地下水が湧き出し水利がいい。氾濫原より高所にあり、洪水の危険は少ない。(54字)」

こんな感じでしょうか。ここも「自然発生」という言葉を使ってみました。「高燥」も使ってみてもよかったかもしれませんね(「氾濫原より高燥な地形であり」のように)。少し細かく文を切り過ぎだったかもしれませんが、わかりやすい文章にはなっていると思います。

>(洪水の使い方がわからず強引に詰めました。実際は洪水の危険性がないんですね、、)

上記の説明で理解していただけたとは思います。なかなか通常の学習では気が付かないところです。優れた問題だと思いますよ。東大生にはこのレベルの理解が必要なのです。

>(3)主な土地利用が、北では水田ばかりの状況から少し畑作が加わった程度の変化だが、南では桑畑が大幅に減り、果樹園が増えた。これは、米の需要はさほど変化していないのに対し、桑が必須の養蚕産業が衰退し、桑の需要が減ったことに起因する。 (112/120)

これはいいですね。120制限は一見すると字数が多く難問に思えますが、逆に自分の考えていることをしっかり丁寧に述べることができ、書きやすいと思います。また、短い字数で確実に正解を述べないといけない問題とは違い、「自由作文」的な要素もありますから、厳密な回答を仕上げるというより、自分の言いたいことをしっかり言い切ったら十分です。多様な回答が考えられる問題です。

私も書いてみました。北と南それぞれ60字ずつと思えば、決して難しい字数ではありません。前半と後半に分けて書くのがコツですね。

「北側。後背湿地の水田地帯は区画整理が進み近郊農業の発達で温室も設けられた。一部では干拓も。南側。かつて養蚕業の盛んな地域で扇状地の扇央は広く桑畑として利用。現在桑畑は縮小し果樹園や灌漑による水田が増加。河川は改修され住宅地も増加。(115字)」

こういった感じでしょうか。土地利用に限定して書くと字数が余ってしまうので、細かい内容も含めています。北部については北西端の湖沼などで干拓が進んでいますね。南部については、より「土地利用記号」に基づいた内容にしています。果樹園の他、一部に水田もみられるようです。扇央は本来水田には適しませんので、ここは灌漑が行なわれているのでしょう。そういった「想像」も含め記述してみました。

とくに設問Bについては、答えるべき内容に比べ字数制限が緩く(字数が多い)、余分なことも書かないと字数が稼げないものが多かった印象です。東大の問題は本来字数制限の厳しいものが多く(設問A(2)が典型です)、かなりの「圧縮」が必要なのですが、本問のようなパターンは珍しいです。たまにこういったパターン、あるんですよね、出題される先生のクセなんでしょうか。

こういった面を含めて、さらに問題研究してみてくださいね。

>力もある程度ついてきたので今年は解答を全て一切見ずに作った解答を投稿する事で自分の弱い所を見つけていこうと思います。

そうだったのですか、素晴らしいですね。全く解説を見ずに書いたとは思えないほど完成度の高い回答でしたよ。自信をもって、問題に取り組んでくださいね。

>期間が空いてしまいましたが今年度初の添削よろしくお願いします!

私のほうこそ、新年度よろしくお願いします。

  • 2021.03.31 15:07
  • たつじん

東大 2011 第一問

設問A (1) c-干ばつ d-火山災害 e-地震災害 f-風害

(2)山地が多い日本と違い、米国では平野が多く、排水機能が弱いため。日本は人口密度が高く、山の斜面部にも居住者が多いから。 (59/60)

(3)防災意識が高まり、GISなどを用いた防災や建物の強度規制がされて死者は減った。人口の増加や分散により被災の認知件数が増えたり、異常気象が増えて被災地域が増え、被災者は増えた。 (90/90)

設問B
(1)地形は自然堤防。周囲より少し盛り上がった微高地であり、水害の危険性がない上、水はけが良いため、畑作ができるから。 (57/60)

(2) 扇状地の先端に位置し、船長から地下水である伏流川が流れる場所で、利水しやすいがその分洪水の危険性も高いと言う特徴。 (58/60)
(洪水の使い方がわからず強引に詰めました。実際は洪水の危険性がないんですね、、)

(3)主な土地利用が、北では水田ばかりの状況から少し畑作が加わった程度の変化だが、南では桑畑が大幅に減り、果樹園が増えた。これは、米の需要はさほど変化していないのに対し、桑が必須の養蚕産業が衰退し、桑の需要が減ったことに起因する。 (112/120)

力もある程度ついてきたので今年は解答を全て一切見ずに作った解答を投稿する事で自分の弱い所を見つけていこうと思います。
期間が空いてしまいましたが今年度初の添削よろしくお願いします!

  • 2021.03.28 17:36
  • かい

コメントフォーム

カレンダー

«3月»
 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31    

ブログ内検索

フィード

スタディサプリスタディサプリ/たつじん地理

検索

ページの先頭へ