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2017.10.07

添削フォーム5

 コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。

コメント

こんばんは(^^) では添削させていただきますね。

テーマとしてはずいぶんオーソドックスだと思います。

>日本の高度経済成長期においてそれまで衣服や生糸などといった軽工業が日本の工業の中心を担っていたが、代わってより付加価値の高い製品である鉄鋼や自動車や石油化学製品などの生産が中心の重化学工業が日本の工業の中心となった。

書き出しとしては悪くないと思いますよ。ただ、あくまでこれは「地理」の論述問題であり、受験者の「国語力」や「文章力」を問うているものではないことに注意してください。「上手な文章」を書くのではなく、「わかりやすい文章」を書くのです。

この最初の文については、一文が長過ぎるので、短く切りましょう。また時系列に沿った説明がいいと思われますので、「日本の高度経済成長期」というキーワードのあとに、それより前の時代の状況を述べる「それまで衣類や生糸」といったワードを続けることは、読み手に混乱を与えかねません。

たとえば、以下のようにしてみてはどうでしょう。

20世紀前半の日本においては、衣服や生糸の生産など軽工業が中心であった。しかし、高度経済成長期に入り、工業の中心は鉄鋼や自動車、石油化学製品など、付加価値の高い重化学工業に移行した。

>それらの工業は主に大都市圏に立地が集中したため、大都市圏は急激に工業化が進化し経済水準も向上した。

ここは適切ですね。今度は一文の長さも適切なようです。「立地」や「経済水準」などの言葉の使い方もスマートです。ただ、ここで一つポイントになるのは、やはり「太平洋ベルト」という言葉でしょうか。既存の「4大工業地帯(京浜・中京・阪神・北九州)」に加え(北九州はむしろ炭鉱の閉山で落ち目だったともいえますが、そこまで詳しい説明は不要でしょう)、それに加え、北関東、京葉(千葉)、東海(静岡)、瀬戸内などにも「工業地域」が広がり、工業や産業が集積する「太平洋ベルト」が形成されたことに言及できたらさらに良かったでしょう。この言葉は教科書や用語集で意味を確認し、簡単な文章をつくるなどしてこうした論述問題でいつでも使えるよう準備しておいてください。
なお、「東海道メガロポリス」という言葉もあるので、こちらもチェックしておいてくださいね。太平洋ベルトが主に産業や工業についての用語であり、その範囲は関東地方から北九州までを含むのに対し、東海道メガロポリスは都市化や人口に関する用語となっており、東京〜名古屋〜大阪とその周辺地域に範囲が限定されています。

>それに伴って農山村で農業をそれまで営んでいた若年層が高い賃金や豊富な就業機会を求めて農山村から流出し、大都市圏へ流入する大規模な国内人口移動が見られた。

とてもいいですね。この問題の「肝」となる部分です。明確に述べられており、十分に合格点がもらえるでしょう。「就業機会」だけでなく「高賃金」にまで言及できたことは素晴らしいと思いますよ。

>しかし大都市では地価が急増し、生活環境が良くなかったため、大都市圏でも中心都市からはよりよい生活環境を求めて人口が流出し代わって郊外の地域へ流入するドーナツ化現象が起こった。

文章構成が見事です。ここまでにすでに「人口移動の特徴」については述べてしまっているので、残りの字数をいかに費やすかを考えた場合にこのように「問題点」をえぐり出すのは非常に有効な方法に思います。とくに「過密」と「過疎」に関する事例をともに挙げたことはベストの選択でしょう。
ここではまず「過密」に伴う問題点が挙げられていますね。内容的には正しいです。ただ、一部で用語をもっとうまく使える部分もあったかなとは思います。例えば「地価」については「高騰」とするべきでしょう。「生活環境」については「良くなかった」とありますが、ここは「悪化」でいいと思います。交通渋滞や大気汚染などの問題が生じ、悪化したことは間違いないと思います。さらに「中心都市」ではなく「都心部」あるいは「都心中央部」などとしてみてはどうでしょう。大都市圏は、都心部と郊外の組み合わせからなるものであり、郊外の対比語として「都心部」は有効なキーワードです。「郊外の地域」についても単に「郊外」でいいと思いますよ。字数が多ければ、先に挙げた都心部の公害問題や郊外におけるスプロール現象まで挙げてみても良かったですが、この字数なら不要でしょうか。「ドーナツ化現象」は非常に適切です。とてもいいと思います。

>このような人口移動によって相対的に農山村に取り残されたのは老年層であるので農山村では老年人口意割合が増加し、大都市では生産年齢人口割合が増加した。

こちらは「過疎」の問題ですね。「過疎化」というキーワードを直接示しても良かったと思います。

このような若年層の流出によって農山村地域に残されたのは高齢者である。これにより老年人口割合が急上昇し、共同体の維持が困難となる過疎化が農山村地域では深刻化した。

このように最後をまとめてみてはどうだったでしょうか。

総評としてはもちろん「合格」です。非常に素晴らしい論述に思います。ただ、こうした問題についてはいくつキーワードが使えるかどうかばポイントになりますので、「ドーナツ化現象」は素晴らしかったとしても、「太平洋ベルト」や「過疎化」などの常套句も交えて、説明できるとさらに良かったと思います。

教科書でも取り上げられることの多い部分と思いますので、もう一度教科書を読んで、さらにキーワードに習熟し、後日「解き直し」に挑戦してみてくださいね。

  • 2017.11.13 19:38
  • たつじん

6年半分ですか、スゴいじゃないですか!十分な量だと思いますよ(^^)
あとはpoenさんが仰るように「解き直し」でしょうか。最初は400字を埋め尽くすことで手一杯だったと思いますが、すでに模範解答も目にしているわけですから、今度は解き直しによってより正確性を高めた解答作成を心がけてください。
12月から1月前半まではセンターに専念するとして、1月後半からの一ヶ月間で、再び(というか再々度というべきでしょうか)「解き直し」をすることで、さらに完成度を深めます。センター終わってから二次までは案外時間がないものですから、今のうちに二次対策を手厚く行っておくことはとても重要ですよ(^^)

  • 2017.11.13 09:57
  • たつじん

有難うございます。
Twitterの方で問題を送らせていただいたので、添削していただけると有難いです。よろしくお願いします。
アドバイスを頂いたように、時間効率には気をつけたいと思います。
現在6年半分を解いて復習し終えたところですが、ペース的には遅いのでしょうか?解き直す事は出来ていません。

  • 2017.11.12 23:11
  • poen

後半部分の質問についてお答えしますね。
「過去問ノート」というのはスゴいと思いますよ!私は思いつきもしませんでした。ただ、たしかに時間はかかりそうですね。
12月になればセンターに比重を置かないといけないことを考えると、二次対策のために残された時間は11月だけとなります。ある程度、時間効率を考えた学習が必要になると思います。
現時点では、「過去問をひたすら解く」ことを最優先にしてみてはいかがでしょうか。とくに入試においては満点を取る必要はなく、一つの問題を完璧に仕上げるよりも、多くの問題を部分点を取る方が現実的な対策となります。
そういう言っているうちに11月も半ばですからね。過去問にどんどん取り組んでみましょう(^^)

  • 2017.11.12 16:51
  • たつじん

こんにちは。今添削しようと思ったのですが、筑波の2012年度の入試問題は入試問題正解にも記載されておらず、入手困難なようです。また後日改めて問題を入手し、添削させていただきますので、大変申し訳ありませんが、今回は保留というかたちでご容赦ください。

2013年以降の問題をセレクトいただけると大変助かります(^^)

後半部分の質問にも後日回答いたします。

  • 2017.11.12 15:59
  • たつじん

こんばんは。
添削ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします。

今回もよろしくお願いします。
筑波大学2012年第4問です。
_________________________________

日本の高度経済成長期においてそれまで衣服や生糸などといった軽工業が日本の工業の中心を担っていたが、代わってより付加価値の高い製品である鉄鋼や自動車や石油化学製品などの生産が中心の重化学工業が日本の工業の中心となった。それらの工業は主に大都市圏に立地が集中したため、大都市圏は急激に工業化が進化し経済水準も向上した。それに伴って農山村で農業をそれまで営んでいた若年層が高い賃金や豊富な就業機会を求めて農山村から流出し、大都市圏へ流入する大規模な国内人口移動が見られた。しかし大都市では地価が急増し、生活環境が良くなかったため、大都市圏でも中心都市からはよりよい生活環境を求めて人口が流出し代わって郊外の地域へ流入するドーナツ化現象が起こった。このような人口移動によって相対的に農山村に取り残されたのは老年層であるので農山村では老年人口意割合が増加し、大都市では生産年齢人口割合が増加した。

_________________________________

以上です。
よろしくお願いします。

あと、復習についてですが現在は達人先生の添削して頂いた問題については添削内容や赤本を利用しながら、まだして頂けていない問題については赤本の解答などを利用しながら、地図帳、資料集、教科書等の内容を流れに着目しながら過去問ノートにまとめる形で行なっているのですが、(今回であれば、この後の再開発による都心回帰に至っているところ位までです。)読み流さず深く読めるので役には立っているのですが、時間効率との兼ね合いもあるので過去問ノートは非効率でしょうか?勉強をする範囲の割りに時間がかなりかかるので…
それか筑波の地理で得点を出そうと思うのであれば、そのようなくらいの負荷はかけておくべきでしょうか?
添削内容とは関係ないのですが、アドバイスを頂きたいです。
よろしくお願いします。

  • 2017.11.04 21:31
  • poen

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