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2020.05.16

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では添削いたします。

>東京大学2011第一問B
>(1)河道沿いに砂礫などが堆積した自然堤防となっている。水利が良く、水田として利用できる。水害も少ない為古くから集落が多い。(59字)

いいですね。「自然堤防」であることがキチンと捉えられています。合格です。自然堤防についても「河道沿いに砂礫などが堆積」と説明されており、これも適切です。

ただ、後半がやや弱いような印象です。「水利がよく、水田として利用できる」のは氾濫原全体の特徴であり、とくに後背湿地に当てはまることです。「小地形」である氾濫原は、さらに「微地形」である自然堤防と後背湿地に分けられます。氾濫原全体でみた場合は仰せのように「水利が良く、水田として利用できる」わけですが、これは自然堤防の説明には該当しません。最後の「水害も少ない為古くから集落が多い」ことについては自然堤防の特徴なのですが。

以上のことを意識して整理しないといけません。

まず「共通の地形名称を答え」とあるので、最初に「自然堤防。」と言い切ってしまいましょう。その上で、自然堤防の特徴を述べる。さらに集落が立地した理由まで説明できれば完璧です。

以下のように解答をつくってみました。

自然堤防。河川沿いに砂礫が堆積し形成された微高地。周囲より高燥であり水害が防がれるため、古い時代より集落が自然発生した。(60字)

「砂礫」は単に「土砂」でもいいと思います。目の粗いこと(つまり水捌けのよいこと)を強調しました。「微高地」は自然堤防の特徴を示す際の必須ワードですので覚えておくと得ですよ。さらに「高燥」も便利な言葉です。後背湿地(自然堤防の周辺の低地ですね)が低湿であるのに対し、その反対です。このような反対語の組み合わせもたくさんストックしておくと便利ですよ。そして「自然発生」も、「計画的」な集落の反対語となり、これも便利ワード。水が得にくいところでは水が得やすいところに(扇状地における扇端など)、水が得やすい(水害の危険がある)ところでは水害を避けるところに(氾濫原における自然堤防上など)にしゅうらくは「自然発生」します。一方、「計画」的な集落は条里集落、新田集落、屯田兵村ですね。


>(2)KとLは地図の南西に広がる扇状地の扇端となっており地下水が得やすい。また自然堤防でもあるので、洪水の危険も低い。(56字)

こちらも前半は完璧です。素晴らしい文章です。後半はちょっと弱いので、改めてみましょうか。

あくまで自然堤防は河川沿いにみられる帯状の微高地であり、今回は該当しません。扇端は扇状地の末端ですよね。扇頂や扇央に比べれば標高は低いわけですが、氾濫原(後背湿地)に比べればちょっとだけ高い場所なわけですよ。洪水の危険性は低いと思います。

これを踏まえて文章をつくってみました。

扇状地の扇端に自然発生した集落である。地下水が湧き出し水利がいい。氾濫原より高所にあり、洪水の危険は少ない。(54字)

こんな感じでしょうか。ここも「自然発生」という言葉を使ってみました。「高燥」も使ってみてもよかったかもしれませんね(「氾濫原より高燥な地形であり」のように)。

>(3)河川Aの北に広がる土地の大部分は後背湿地で集落の立地に適さなかったため水田のまま変化が少ない。南側は、自然堤防と扇状地により水害の危険性も比較的低く、列村が広がり大きく発展した。また、エネルギー革命により桑畑の多くが果樹園になった。(116字)

こちらもいいですね。120字と一見すると長文に感じるかもしれませんが、2つのトピック(北と南)について説明することが求められているので、1つのトピックは60字。意外に短く、難しい文章ではありません。

さらに「違い」と「違いが生じた理由」ですよね。これもそれぞれ独立して書いたら簡単でしょう。

前半は完璧に思いますよ。先にも述べたように、「氾濫原」は小地形、「自然堤防」と「後背湿地」は微地形であるので、これを意識できているかどうかは文章表現上のポイントとなっています。

「北部は水田が広がる(最近は温室(ビニールハウス)も多いが)」が南側との違い、「氾濫原(後背湿地)が広がり低湿な地形である」が違いが生じた理由です。

後半もおおよそ正しいといえます。ただ、ここでは自然堤防について強調する必要はなかったかなとも思います。たしかに南側でもZは自然堤防上の集落なのですが、同様の集落は北部のXやYにもみられ、「違い」にはなりません。ここはやはり扇状地そのものに注目した方がベターでしょう。土地利用記号を見るに、昔は「桑畑」が広がっていたのですが、現在は桑畑の面積は縮小し、「果樹園」や「畑・牧草地」に転換しています(工場もみられますね。工場は土地利用ではないので、今回は記述しない方がベターですが)。

「南部は昔は桑畑が主だったが、現在は果樹園や畑地となっている」が北側との違い、「扇状地(扇央)で高燥な地形である」ことがその理由です。

なお、桑畑については蚕の餌として栽培されていたのであり、エネルギー事情とは関係ありませんね。「エネルギー革命」に言及する必要はなかったと思います。

これらを並べて記述すればいいでしょう。

北部は野菜栽培のビニールハウスが増えた以外は水田が主で大きな変化はない。氾濫原の低湿な地形だからである。南側は昔は桑畑、現在は果樹園や畑地など。扇状地の扇央の高燥な地形で水田には適さず樹林が中心となる。桑畑の減少は養蚕業の衰退による。(117字)

字数に余裕があるため、「ビニールハウス」については「野菜栽培」(「近郊農業」の方がベターだったかも知れませんが)、「桑畑の減少」については「養蚕業の衰退」というように付帯事項も付け加えてみました。これらの記述は必須とは思いませんが、字数埋め程度には使えると思います。

全体としてうまく書けています。唯一、気になったのは「自然堤防」の捉え方でしょうか。X〜Zの集落の特徴(河川沿いで周囲を水田に囲まれる。列村形態である)ことをしっかり目で捉えておいてください。

一方で、同じような列村形態ではありますが、KやLは自然堤防ではないので注意。こちらは「扇端」に沿うものですね。KとLの集落の北東側は低地となっていますが、南西側は斜面となっており、土地利用も桑畑や果樹園ですね。等高線も描かれ、斜面になっていることがわかります。この斜面こそ扇状地の扇央なわけです。扇状地の末端に接した集落として、KやLは古い時代に自然発生しているのです。

さらにどんどんいろんな問題にチャレンジしていきましょう!

  • 2020.05.26 18:30
  • たつじん

東京大学2011第一問B
(1)河道沿いに砂礫などが堆積した自然堤防となっている。水利が良く、水田として利用できる。水害も少ない為古くから集落が多い。(59字)

(2)KとLは地図の南西に広がる扇状地の扇端となっており地下水が得やすい。また自然堤防でもあるので、洪水の危険も低い。(56字)

(3)河川Aの北に広がる土地の大部分は後背湿地で集落の立地に適さなかったため水田のまま変化が少ない。南側は、自然堤防と扇状地により水害の危険性も比較的低く、列村が広がり大きく発展した。また、エネルギー革命により桑畑の多くが果樹園になった。(116字)


  • 2020.05.22 17:10
  • Shumpei

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