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2020.06.01

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>東大2018第2問設問A

>(1)シンガポールはASEAN諸国の発展に伴い、域内分業で貿易の中継地だが、香港は経済発展の著しい国内他都市の工業製品の輸出が増えたため。

とてもいいですね。これで十分合格点だと思いますよ。さらに良い答案を目指し、いくつかポイントを挙げていきますね。

まず、本問のように二つの事例(香港とシンガポール)を述べる場合、2つの文に切ってしまった方がいいですね。短い文の方が主述関係などにミスがなくなり、わかりやすい文章となります。ただ、本問の場合、「現状維持」のシンガポールに対し、香港が「変化」した理由を述べることが最大のテーマとなっています。重心はやや香港側に置いた方がいいかもしれません。

さらに使用語句を確認しましょう。「中継貿易」は機械類など工業製品を輸入し、それをそのまま他の地域へと輸出することです。香港もシンガポールも港湾はこの機能を有しており、このキーワードはいずれにでも使えそうです。

「経済発展」はどうでしょう。シンガポールは東南アジアの、香港は中国の、それぞれ港湾ですが、この二つの地域はいずれも高い工業力を背景に「経済発展」を遂げています。これもどちらに使ってもいいキーワードでしょうね。ただし、シンガポールが「現状維持」であるのに対し、香港は地位を低下させ「変化」が生じています。経済発展という変化が生じた地域としてピックアップするべきは中国の方でしょう。

そして「製品」ですが、これについては「工業製品」という使い方をするものと思われますが、やはりシンガポール、香港のいずれでも用いることができるでしょう。「工業製品の輸出」と言った使い方は非常に適切です。ただし、上ど同様に、変化する香港そして中国を説明する際にこちらの言葉を用いた方が適切に思います。

以上より、用語に関しては制限が緩く、自由に使うことができると思います。論述問題では、「語句」を手がかりにして文章を組み立てることが多くあるのですが、本問についてはまず文章の骨組みをつくり、そこに自在にキーワードをはめ込む形が良さそうです。

ではシンガポールから説明しましょう。シンガポールは東南アジア最大にして唯一の中継貿易港です。国際分業が進む東南アジアにおいて各国の貿易額が拡大すれば、シンガポールの重要性の高さは維持されます。

ASEANの中継貿易の拠点の地位をシンガポールは維持している。(31字)

まずはこんなものでしょうか。「ASEAN」「シンガポール」でかなり字数を費やしてしまうので内容は限定されてしまいます。

さらに香港ですが、これは表から見て明らかでしょう。他の都市の発展とともに、港湾機能が分散し、香港の地位が相対的に低下しています。上海、深セン(シェンチェン)、寧波(ニンポー)はいずれも中国の港湾都市。

経済発展著しい中国では他港湾の工業製品の輸出も増加し、香の地位は低下。(36字)

これらをミックスし、字数を調整します。

アセアン中継貿易の拠点の地位をシンガポールは維持。経済発展著しい中国では他港湾の工業製品の輸出も増加。香港の地位は低下。(60字)

かなり無理やりな感じもしますが、字数内に詰め込んでみました。意味は通じると思います。問題集内の模範解答では「分散」という言葉も使われており、これも適切な言葉だったのですが、ここではうまく使えませんでした。完璧な解答例ではありませんが、良かったら参考にしてくださいね。

>(2)オーストラリア、ブラジル

いいですね。的確です。

(3)東アジアからは大型化したコンテナ船で工業製品が輸出され、アメリカ大陸からは陸上輸送であった穀物などがより輸送費の安いばら積み船で輸送され、相互の輸送量が増加する。

とてもいい解答です。これも合格点です。同じく、細かい分析を進めていましょう。

本問は先ほどの問題とは異なり、指定語句をヒントにして文章を組み立てるタイプの問題に思います。

まず「コンテナ船」です。貨物を入れたコンテナを船舶に積みます。コンテナごと移動できるので、非常に便利な輸送方式ですね。この貨物については工業製品を考えればいいと思います。

これに対し「ばら積み船」については表2−2を参照するといいでしょう。これらがばら積み船によって運搬される品目です。ここでは原油を輸送するタンカーも含まれているようですね。資源や穀物の輸送に用いられます。

そして「陸上輸送」ですが、これは「アメリカ大陸」と組み合わせて用いられる言葉でしょう。中国で生産された工業製品が、アメリカ合衆国の人口稠密地域である太平洋岸へと輸送される場合には、なるほど陸上輸送も使われていたのでしょう。これが船舶(コンテナ船)に入れ替わったことを考えてください。

そしてそのような輸送手段の変更はもちろん「輸送費」上のメリットが生じますね。陸上輸送に比べ、スピードこそ遅いですが、海上輸送の方が大量かつ安価に商品を輸送できます。

なお、「アメリカ大陸」にはもちろん南米も含まれるでしょう。中国はブラジルから大量の大豆(穀物の一種と考えていいと思います)と鉄鉱石を輸入っしています。

東アジアとアメリカ大陸太平洋岸との貿易はかつては陸上輸送に依存していた。パナマ運河拡張により東アジアからの工業製品の輸出はコンテナ船、アメリカ大陸から輸出される資源や穀物はばら積み船が利用され、輸送費が下がり、低コストで大量の品目が輸出入されるようになった。(129字)

まずはこのような形で「試作品」をつくってみました。しかし、さすがに字数が多すぎますね。ここから調整しないといけません。

「かつて→陸上輸送、現在→海上輸送」という形にしていますが、これはあまり意味がなかったようです。問題文の中で、こうした時間の経過による変化を説明する必要には触れられていません。この部分の説明は最小限で。

さらに「パナマ運河」という固有名詞を外しただけでなく、「運河拡張」というキーワードも削っています。これはわかり切ったことでしょう。

東アジアからはコンテナ船での工業製品の輸出、アメリカ大陸大西洋側からはばら積み船を用いた資源や穀物の輸出が、共に増加。陸上輸送に比べ安価で大量の輸送が可能となり、貿易額が拡大。(88字)

なんとか字数以内に収めてみました。問題集の模範解答では「アメリカ大陸東部」となっていますね。そちらの方が字数を節約できてベターだったように思います。先の問題と同様、やや不完全な印象もありますが、参考にしてください。

今回の問題はかなり難しかったと思います。私もかなり苦戦しました。
ある程度「定型」が決まっている自然地理(気候や農業など)に比べると、こうした社会地理のジャンルは自分の考えも多少は書くことになり、記述が難しいですね。

さらに社会地理に関する問題を突きつめて勉強してほしいと思っていますが、気分転換でも構いませんので、より解答しやすい自然地理ジャンル野問題に取り組むのも一つのアイデアとは思います。多様な問題にチャレンジしてみてください。

  • 2020.06.20 11:16
  • たつじん

東大2018第2問設問A
(1)シンガポールはASEAN諸国の発展に伴い、域内分業で貿易の中継地だが、香港は経済発展の著しい国内他都市の工業製品の輸出が増えたため。

(2)オーストラリア、ブラジル

(3)東アジアからは大型化したコンテナ船で工業製品が輸出され、アメリカ大陸からは陸上輸送であった穀物などがより輸送費の安いばら積み船で輸送され、相互の輸送量が増加する。

  • 2020.06.16 20:28
  • 万物は流転する

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