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2020.12.08

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ここにエントリー本文を書きます。

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では添削いたします。

>東大2011年度
>第3問(日本の人口と人口移動より)

>設問A
>(1)
>戦争直後、出生率が大幅に上昇した。その世代が1970年代前半に結婚適齢期に達したため、必然的に出生数も増加した。

とても分かりやすいと思います。満点解答です。

私も書いてみました。

太平洋戦争直後のベビーブーム世代が結婚し子供をもうける時期に当たり、出生率が上がった。(43字)

「戦争」を「太平洋戦争」にしています。また終戦直後に出生数が急増したことをベビーブームといい、彼らをベビーブーマーと言いますが、これと関連させて「ベビーブーム世代」としてみました。さらに、「出生率が高い」ことを、このベビーブーム世代ではなく、70年代生まれの「第二次ベビーブーム世代」の説明に用いてみました。

内容に比べ字数制限が緩い問題ですので、自由度が高いですね。「必然的に」という言葉がちょっと気になりましたが(地理ではあまり使わない言葉なので)、もちろん全く問題ありませんよね。自由度が高いので自分なりの言葉をどんどん使って下さい。

さらに「率」に対し「上昇」、「数」に対し「増加」という言い方をしているのも見事だなと思いました。細かいところまで気を配っていますね。


(2)
>高度経済成長を経て医療設備や技術が拡充し、死亡率が低下したから。

とてもいいですが、ポイントとなる言葉が欠けていますね。それは「寿命の伸び」ですね。もちろん「死亡率の低下」にそれが含まれているのでしょうが、現代日本の最も重要な人口動態の変化として「高齢化」があり、それを促したものとして「寿命の伸び」があるのは重要なことです。

またここでは「医療」に理由を絞っていますが、死亡率の低下(乳幼児死亡率の低下も含む)や寿命の伸びの理由としては医療の他、「衛生環境」や「食料事情」もあります。今回は字数制限が厳しいので全てを書くことはできませんが、今後、より長い文章によって同じような問題が出題された場合は参考にしてくださいね。

私も書いてみました。

寿命の伸び。衛生環境の改善、食料事情の良化、医療の発達など。(30字)

ちょっと詰め込みすぎでしょうか(笑)。でも雰囲気は伝わったと思います。

>(3)
いずれも3大都市圏の近郊であることから、仕事などを求めて流入する人口が多い。また、若年層の流入が多く、高齢化が進んでいないことが考えられる。

とても分かりやすい文章です。自分の考えていることを的確に文章化するテクニックは十分に身についていますね。

私は以下のような文章にしてみました。

大都市圏に位置。経済活動が活発で社会増加率が高い。若年層の流入で出生率が上昇。老年人口率が下がり死亡率も低下。(55字)

まず、(福岡を除いた)表中の都道府県の特徴として「大都市圏」と言い切っています。さらに人口が流入し「社会増加率が高い」ことを述べ、字数に余裕があるのでその理由として「経済活動が活発」と書き添えています。

後半では自然増加の説明がメインです。社会増加に引っ張られて自然増加が変化しますね。まず「出生率」の高まりを述べ、ラストに「死亡率」が下がったことを付け加えています。

「都市圏(都心部+郊外)」、「人口増加(社会増加+自然増加)」、「自然増加(出生−死亡)」など、言葉の定義を正確に捉えながら文章が組み立てられているのがわかるでしょうか。

論述問題は「自由作文」ではなく、むしろこういった用語を適切に「配置」するだけのメカニカルな要素が強いことが一般的です。作文能力ではなく、理系的な「構築」能力が問われるわけですね。

本問のポイントは「まず社会増加があって、それから自然増加がある」ということだと思いますよ。転入者が多く、彼らが若い世代であるため、やがて出生率が上がり、自然増加率も高まるという仕組みです。

のいさんの解答では、この自然増加率に関する説明がちょっと欠けていたように思いますよ。これ、日本国内の人口増減を考える上で非常に重要なセオリーです。

>(4)
これらの地域は共通して、熱量は高いが比較的に安価な米の生産を中心的に行われている。

>(5)
これらの地域は、温暖な地域が多く、肥沃な土地を活かした野菜や果実、肉類の生産が盛んな地域が多い

(4)と(5)は他の大問の解答のようですね。

>設問B

>(1)
a・・・金融・保険業
b・・・サービス業
c・・・製造業
d・・・農業

>aは25~34歳で割合が高く、bは15~24歳で割合が高いから

これは非常に面白い問題ですね。

最も移動割合が低い(d)が農業であるのは明確ですね。日本の農家は土地を有している自作農ばかりで、「土地に縛られて」います。

一方、(a)は「転勤」が多く、それも比較的キャリアの長い「30〜40代」の割合が高いです。全国規模の企業と思われますし、その中でも中間管理職以上の経験を積んだ人材が全国各地で重用されていることがわかります。なるほど、銀行や証券など「金融・保険業」でしょうか。

(b)と(c)は移動数が多くなく、「地元で働く」といった感じでしょ、うか。世代を考えてみるに、若い世代に偏る(b)がサービス業、30代以上の従事者も多い(c)が製造業となりますね。

>(2)
地方圏の中でも比較的に人口が多く、町の発展度合いが高い。

悪くはないのですが、用語の使い方にちょっと神経質になってほしいと思います。香川県はともかくとして(それでも高松市は人口に比して規模の経済規模の大きな都市には思いますが)、他の宮城県と福岡県についてはそれぞれ仙台市と福岡市という地方中枢都市を有し、その地域の産業や文化、経済の中心地となります。

ここは「地方中枢都市」や「地方の中心的な都市」という言葉を使ってしまった方が良かったと思いますよ。

地方中枢都市を有し、地域の産業や経済の中心となっている。(28字)

こういった感じでしょうか。「人口が多く」は問題ないとしても、「町の発展度合い」という言い方が曖昧な感じがします。経済や産業という言葉を一つ入れるだけでも印象はかなり違うと思いますよ。

>(3)
A群は、バブルの崩壊や産業の空洞化により製造業や金融・保険業の雇用が減ったため、転入者が減少した。B群は、自然環境に恵まれおり、高年齢層を中心に農業への就労が増えたため、転入者が増加した。

最後は変わった問題ですね。北海道や沖縄、長野で人口が増加していることは興味深いです。これについて自分なりの分析を行ってください。

>(3)A群は依然入数が多いが、減少。B群は人数は少ないが増加。理由はA群で産業の空洞化や自然環境の減少に伴う職住環境の悪化によるドーナツ化現象。B群で高年齢層のUターン現象。

組み立てが上手いですね。まず最初に「Aは〜、Bは〜」と言い切ってしまうのはベターです。そして「理由は〜」とつなげています。これはとても分かりやすいですよ。

さらにキーワードの使い方にも感心しました。なるほど、こういった使い方があったのか!といった感じですよ。本来「自然環境」についてはBの道県に用い、豊かな自然環境を求めて転入者が増えたという言い方をするのが普通のパターンと思いますが、なるほど、東京都や大阪府での居住環境の悪化を「自然環境」に結びつけたわけですね。これは上手いと思いますよ。出題者の意図するところではなかったかも知れませんが、むしろ加点要素になるかも知れません。

ラストのBの人口増加の理由についてはもうちょっと詳しく書いて欲しかったところでもありますが、全く触れられていないわけでもありませんから、減点ポイントとはならないでしょう。全体として合格圏と思いますよ。

以下はちょっと細かい指摘になります。一応参考までに。

「Bの動態が生じた理由」について「Uターン現象」を挙げていますが、本当にそうなのでしょうか。北海道で生まれた人が東京に就職し、引退後に北海道に帰るというパターンが本来のUターンの意味です。必ずしも北海道生まれの人だけでなく、北海道に初めて住む人もいるでしょうし、そもそもその「Uターン」が明確ではありません。「自然環境」をキーワードとして使うと比較的スムーズに理由を説明出来たと思います。

文字数制限が90字であり、その中で「空洞」「自然環境」「年齢」の3つの言葉を用いる必要があります。「空洞」については「産業の空洞化」という言葉を使えばいいでしょう。産業の空洞化といった場合の産業とは実際には製造業を指すことが一般的で、工業の発達した都市や地域で顕著となります。表中では愛知県の製造業が大きくマイナスになっていることに注目するべきですね。

「自然環境」については北海道や沖縄に該当する言葉でしょう。ここでは「農業」が大きくプラスとなっていますので、豊かな自然環境によって農業を始めようとする人々が多いのだという解釈ができそうです。

一方で、「年齢」は難しいですね。若い世代について言及するのか、それとも高齢者か。ただ、逆にみれば自分なりの自由な使い方ができる言葉でもあります。こちらのように「高年齢層」という使い方は非常に適切だと思いますよ。全体として十分合格圏の解答になっています。

私も書いてみました。

A群はバブル崩壊後の経済低迷や産業の空洞化で金融保険業、製造業の雇用が減り、増加率が低下。B群では高年齢層を中心に豊かな自然環境の中で農業を始める人々が多く増加率が上昇。(85字)

こういった形でしょうか。本当に農業を目的とした人が多いのかよくわかりませんが、統計ではそうなっていますよね。また、それが「自然環境」を求めてのものかどうかもはっきりしませんが、とりあえずキーワードにあるので、それに従って使ってみるだけですね。

出題者の要求に沿って文章を組み立てること(言い方は悪いですが、「いかにも採点者が喜びそうな答案をつくる」ということ)も必要になってくると思います。

全体によく書けていました。とくに構成面については光るものがあります。共通テスト対策も忙しいでしょうが、できるだけ二次対策も進めてくださいね。

  • 2020.12.13 15:34
  • たつじん

東大2011年度第3問(日本の人口と人口移動より)


設問A
(1)
戦争直後、出生率が大幅に上昇した。その世代が1970年代前半に結婚適齢期に達したため、必然的に出生数も増加した。
(2)
高度経済成長を経て医療設備や技術が拡充し、死亡率が低下したから。
(3)
いずれも3大都市圏の近郊であることから、仕事などを求めて流入する人口が多い。また、若年層の流入が多く、高齢化が進んでいないことが考えられる。
(4)
これらの地域は共通して、熱量は高いが比較的に安価な米の生産を中心的に行われている。
(5)
これらの地域は、温暖な地域が多く、肥沃な土地を活かした野菜や果実、肉類の生産が盛んな地域が多い

設問B
(1)
a・・・金融・保険業
b・・・サービス業
c・・・製造業
d・・・農業
aは25~34歳で割合が高く、bは15~24歳で割合が高いから
(2)
地方圏の中でも比較的に人口が多く、町の発展度合いが高い。
(3)
A群は、バブルの崩壊や産業の空洞化により製造業や金融・保険業の雇用が減ったため、転入者が減少した。B群は、自然環境に恵まれおり、高年齢層を中心に農業への就労が増えたため、転入者が増加した。





添削よろしくお願いします。

  • 2020.12.10 09:33
  • のい

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