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2021.04.06

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コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性がありますので、ツイッター(@ts914)にDMをいただけますでしょうか。早々に対応いたします。

コメント

チョウセイさんこんにちは。
たいへん遅れました。添削いたします。

>東大 2013年

>第1問

>設問A 
(1) 高緯度は低温のために,低緯度は中緯度高圧帯の影響で乾燥していて地表に水分が少ないため,化学的風化作用が起きにくい。(57字)

いいですね。十分な合格圏の解答に思います。

まずは図の読解ですね。「風化作用の弱い地域」のうち、低緯度側にあるのは[北アフリカ]や「アラビア半島」ですね。砂漠であることは間違いありません。一方、高緯度側は「カナダ」や「ロシア」の広い範囲です。

まず風化について考えてみましょう。岩石が細かく砕かれて、細かな砂になる減少です。

主に二つのパターンがあります。

一つは「吸水と乾燥」によるもの。岩石が水を含み、それが乾きます。これが繰り返され、岩が砕かれます。

一つは「膨張と収縮」によるもの、短時間のうちに気温の上昇と下降などで岩石が膨張と収縮を繰り返し、やはり砕かれます。

「乾燥地域では水が少ないため吸水による風化作用が弱い。高緯度地域は気温日較差が小さく膨張収縮による風化作用が弱い。(56字)」

字数制限が厳しいので十分な解答とは言いにくいですが、こんな感じでしょうか。

チョウセイさんの解答の場合。高緯度について単に「低温」を理由として挙げていますが、これがちょっと弱いように感じるのです。上記のように「気温日較差の小ささ」にまで言及できればさらに優れた解答になったと思いますよ。

>(2) 風化作用の激しい地域は低緯度や大陸東岸であり,気温が高く,日射量や降水量も多いなど植物の生育に好ましい条件が揃うから。(59字)

こちらもいい解答です。ただし、無駄な部分が多いように感じますよ。冒頭の「風化作用の激しい地域は」という部分は省略できたと思います。

一方で、「気温が高く、日射量や降水量も多い」についてはもうちょっと詳しく書いてみても良かったのではないでしょうか。

例えば「年間を通じて気温が高く、日射量が多いことで太陽からの受熱量も大きくなる。降水量が多く水分が十分である」などのように。

無駄な部分はカットし、答えるべき部分については手厚く説明するという書き方を意識してくださいね。

>(3) (a)地域は夏の季節風やサイクロンによる大量の降水の結果,洪水が起き,その堆積作用で土壌が更新される。(b)地域は火山帯に位置し,定期的な火山の噴火による火山堆積物で土壌が更新される。(88字)

いいですね。文章がとても工夫されています。前半と後半とでそれぞれ独立した文章とし、ともに理由を述べていることを示す「〜から」で締めくくっている点もよく考えられていると思いますよ。

内容的にはとくに前半がいいですね。沖積平野に肥沃な土壌が供給されるしくみは日本でもよくみられるものです。これについてしっかり記述できていれば十分です。後半の火山に関する話題はちょっと特殊ですので、とくに知る必要もないでしょう。

私でしたら、火山についてはちょっと思いつかないので、ジャワ島については「棚田」の存在をメインに記述したと思います。棚田がつくられ、灌漑が行われ、農業用水によって常に栄養分が供給されている様子を答えるでしょう。

なおこ、こちらは他の生徒さんの解答です。火山灰には言及できていませんが、オーソドックスでいい解答だと思います。

「aでは夏季の南西季節風やサイクロンによる多量の降水で河川が氾濫し、上流から運ばれた肥沃な土壌が供給されるから。bでは豊富な植物の枯死により腐食に富んだ土壌が絶えず供給されるから。(87字)」



また、「火山灰=肥沃?」については他の生徒さんから質問がありましたので、該当箇所をコピペしておきますね。本問は正直言って、かなり疑問点の多いものでもあるのです。

>〈質問〉
疑問に思うことがあり、赤本の(3)の解答では(b)のジャワ島の火山灰が肥沃とかいていますが、火山灰土壌は本当に農業生産性が高いのでしょうか?シラス台地では酪農が盛んなはずなので、そう思いました。

そうなんですよ。この問題については私もおおいに疑問なのです。問題自体の完成度が低いとも思うのですが、あるいは東大の先生でこういった火山性の土壌に関する研究をされているかたがいらっしゃるのでしょうか。何ともわかりかねます。

例えば、火山灰に由来する土壌で肥沃とされているものに、東北地方の黒ボク土や関東地方の関東ロームがありますが、これも火山灰そのものに肥沃な成分が含まれているわけではありません。例えば関東ロームについては、富士山や浅間山の爆発により火山灰が関東平野に降り積もったわけですが(上空の偏西風の影響です)、この上に植物が繁茂し長い時間をかけて腐植が形成されたことが肥沃である理由です。

シラスについては桜島の火山灰が大隅半島に積もったものですよね。笠野原台地一帯をシラス台地とも言います。白っぽい色をしていることからシラスと呼ばれるようですね。

水はけが良いことから根菜の栽培に適し(というか、水もちが悪いので水田耕作には適さないわけですね)、鹿児島県西部から宮崎県南部にかけての一帯はサツマイモの栽培に特色がある地域となり、これが餌として豚や牛、鶏の飼育に利用されています。

とはいえ、だからといってシラスが肥沃とはいいにくいですよね。むしろ肥沃ではないからこそ、イモ類のような厳しい自然環境でも生育できる作物をつくっているわけですし。

>設問B 

>(1) Xは尾根にあったが土砂崩れ後,谷へ変化し,植生も失われた。(29字)

いいですね。短い字数制限の中でうまくまとめています。

おもしろい地形です。アでは、Xは上方(本図は北で標高が高く、南で低くなっています)からみて等高線が凸になる斜面つまり尾根に位置しています。「山折り」を想像したらいいですね。

それがイになると、大きくえぐられた椀状の谷の中に飲み込まれてしまいます。大きな土砂崩れがあったのでしょうか。土地利用も変化していますね。

>(2) 土砂は谷を流下し,一部は谷壁を越えてY付近まで流れ堆積した。大部分はZ付近を流下しながら侵食したため谷の形が変わった。(59字)

とてもわかりやすいと思いますよ。適切な解答です。とくに文を短く2つに切って説明している点がいいですね。

私も書いてみました。

「土砂は崖を越えYへと溢れ出し、樹林地を砂礫地に変えた。谷に沿って南西方向に流下し、Zでは更に谷を深く削った。」(54字)

こんな感じでしょうか。Yに「砂礫地」が広がっていることを地図記号から判定してください。もともとは広葉樹林や針葉樹林だったところが砂に埋もれてしまったようです。Yは高台の上にありますから、谷から土砂が斜面を越えて溢れ出た様子を想像してください。

Zについては等高線がさらに密に変化していますので、谷が深く削られた様子がわかります。Z周辺の斜面にも「岩の崖」の記号が連続し、土砂によって谷の両側が深くえぐり取られたのでしょう。

>(3) 土石流により集落・耕地・道路が埋没したり,河川に流れ込んだ土砂が形成した堰止め湖が決壊し,洪水を引き起こしたりする。(58字)

とてもいいですね。前半と後半とで別々の内容の災害が述べられており、問題の意図がしっかり反映されています。適切な解答です。せっかくですので、2つの文に切ってしまった方がよりわかりやすかったと思いますよ。

私も書いてみました。

「土石流により建物が倒壊し、耕地や林地が土砂で埋まる。土砂が斜面を削ったり、谷を埋めるなど、地形の改変が生じる。」(56字)

最初の文で人間生活に与える影響を述べ、2番目の文で地形への影響を述べています。このように意図を明確にした文章を重ねることで、読み手に意図がはっきりと伝わる文章を書くことができます。参考にしてくださいね。

今回は私も見落としもあり、添削が大変遅れてしまい申し訳ありませんでした。これに懲りず、また解答を投稿してくださいね。次回も期待しています。

  • 2021.06.20 13:52
  • たつじん

東大 2013年


第1問


設問A 
(1) 高緯度は低温のために,低緯度は中緯度高圧帯の影響で乾燥していて地表に水分が少ないため,化学的風化作用が起きにくい。(57字)

(2) 風化作用の激しい地域は低緯度や大陸東岸であり,気温が高く,日射量や降水量も多いなど植物の生育に好ましい条件が揃うから。(59字)

(3) (a)地域は夏の季節風やサイクロンによる大量の降水の結果,洪水が起き,その堆積作用で土壌が更新される。(b)地域は火山帯に位置し,定期的な火山の噴火による火山堆積物で土壌が更新される。(88字)


設問B 

(1) Xは尾根にあったが土砂崩れ後,谷へ変化し,植生も失われた。(29字)

(2) 土砂は谷を流下し,一部は谷壁を越えてY付近まで流れ堆積した。大部分はZ付近を流下しながら侵食したため谷の形が変わった。(59字)

(3) 土石流により集落・耕地・道路が埋没したり,河川に流れ込んだ土砂が形成した堰止め湖が決壊し,洪水を引き起こしたりする。(58字)

  • 2021.05.27 20:46
  • チョウセイ

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