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2021.05.27

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コメント

では添削いたします(^^)

>東京大 2009年 第2問 設問A

>(1)
>ア−フランス イ−イギリス ウ−スペイン

正解です。とてもよくできています。

>(2)
イ国は寒冷地であり、かつて氷河に覆われ肥沃度が低いため主に野菜の生産量が少なく、ウ国は夏季に乾燥する気候を活かして独特な果実や野菜類、移牧が行われる内陸部で肉類の生産量が多いから。

うまいですね。悪くないと思いますよ。「独特な果実」とは変わった表現ですが、耐乾性のオリーブや、灌漑を必要とするオレンジなどたしかに「独特」な性格を有しているかも知れません。「移牧」についても、ピレネー山脈などで行われていますので、間違ってはいないでしょう。地中海沿岸では、乾燥し牧草が枯れる夏には、冷涼湿潤な高原で家畜を放牧することがあります。スペインを代表する食肉(家畜)は豚(イベリコ豚)であり、これは牧畜(移牧など)によって飼育されるものではありませんが、広く捉えれば豚以外の肉もあるでしょうし、移牧される家畜もあるのでしょうから、大丈夫でしょう。

>(3)
肥沃な土地では大消費地向けに園芸農業が、肥沃でない干拓地では畜産が盛ん。また国土が狭小であり穀類の生産量は少ない。

もったいないですね。せっかくホイットルセー農牧業区分のキーワードである「園芸農業」を使っているのですから、畜産ではなく「酪農」とするべきでしたよ。農業に関する問題は、ホイットルセー農牧業区分を答えることを原則としてください。悪くありません。ただ、基本は「ホイットルセー農牧業区分」です。常にホイットルセー農牧業区分を軸にして論述するクセをつけておいてくださいね。


また「穀物栽培が少ない」理由は「国土が狭小」だからではなく、園芸農業が行われているからです。園芸農業は収益性の低い穀物の栽培は避け、収益性の高い野菜や肉類、乳製品、果実(オランダの場合、冷涼なので果実栽培はみられませんが)の生産に特化しています。

酪農も同様に穀物栽培は行われない農業形態です。

つまりオランダで穀物栽培があまり行われない理由は、この国が「園芸農業」と「酪農」が盛んであるからと考えてください。地形環境や自然条件ではなく、いきなり農牧業区分で結論づけることに違和感を感じるかもしれませんが、これが地理の論述問題というものなのです。問題(1)が「農業生産の面」から問うているのに対し、この問題(2)は「農業の特徴」ですよね。問われかたの違いに注意してください。

この二つの農牧業区分について、さらに「国土の特性」と紐付けて解答(回答)することが求められています。

以下のことは知っておいていいと思いますよ。

酪農・・・海面下の低地(つまりポルダー)にて行われる。アジアならばこうした干拓地は水田として利用されるが、オランダにおいては牧草地となる。水捌けの悪い低湿地であり、根腐れが起きるため作物栽培には適さない。牧草地と利用され、家畜飼育が行われる。

園芸農業・・・野菜が一般的な作物となるが、オランダにおいては花卉や球根を考えるといい。とくに球根はかつて家畜の飼料として大きな需要があり、我々の想像以上に重要な作物。沿岸の砂丘において栽培されている。

これらをふまえて文章を作ってみましょう。

「海面下の干拓地が広く、牧草地として利用され酪農が行われる。海岸沿いには砂丘が広がり、野菜栽培など園芸農業が行われる。」(58字)

結局球根ではなく、表中にもある野菜を文に組み入れてみました。こちらの方がベターだったと思います。

>(4)
米や小麦等の穀物の生産が盛んな地域であり、多量の飼料や肥料を与える必要がなく、また生産量に対して価格が安いから。


悪くありませんが、いくつか気になる点が。

まず「小麦」について言及していますが、これは不要だったと思います。日本はそもそも小麦の生産は多くありませんよね。北海道を想定してのことかも知れませんが、むしろ北海道は日本を代表する稲作地域ですよね。米の生産上位は新潟県、北海道、秋田県です。

さらに「多量の飼料や肥料を与える必要がなく」という点もちょっとよくわかりません。米や小麦ならば「多量」どころか飼料は全く必要ではありませんよね。逆に「肥料」はたくさん使うと思いますよ。肥料には有機肥料も含まれますから(家畜の糞など)、それ自体は昔からあるものですよね。「化学肥料」の意味で使っているのかも知れませんが、化学肥料や農薬は決して悪いものではありませんよね。生産性を上げる近代的な農業には必須なものです。これらに依存しないということは、日本では伝統的な前時代的な農業が未だに行われているということになり、これはこれで問題だと思いますよ。

また、これらの道県は米の生産が多いわけですが、その理由についても言及してみてはどうでしょう。地理は理論科目です。常に「原因と結果」の因果関係を明確にしながら論じることが必要ですし、60字制限という比較的長い論述が課されているならば、当然それをふまえて記述しないといけません。日本列島の日本海側は雪が多い地域ですよね。冬の農業が困難であり、その分だけ夏に集中して農業が行われているわけです。これは十分に想像できることではないですか?

「熱量に比して価格の安い米の生産が盛ん。大都市圏から離れ広大な農地を有し、冬の農業が振るわない水田単作地域である。」(56字)

「生産量に対して価格が安い」は不正確ですよね。しっかりと問題内容を把握して「熱量に比して(対して)価格が安い」と述べるべきです。問題文で使われている言葉を直接使う習慣もつけましょう。

これらの道県の共通項として「広さ」と「水田単作」について言及をしています。厳密には北海道は野菜栽培や畜産も盛んなので水田単作とは言い切れないのですが、特に問題はないでしょう。文字数に余裕があれば「寒冷であり冬に農業が困難であるため、水田単作となる」といったようなことも説明したかったんですが、さすがにそこまではできませんでした。

>(5)
生産量に対し価格の高い柑橘類や工芸作物、促成栽培した野菜の生産が盛んであり、また畜産も盛んで多量の飼料が必要だから。

どうもSharakabaさんの悪いクセなのですが、一文で言い切ろうとしてしまっているので、内容が雑になってしまっているのですよね。とりあえず「60字制限ならば2文に分ける」を徹底してみませんか。慣れてきたらまた1文に戻したらいいわけですし。

こちらも同様に「生産量」になっています。正しくは「熱量」ですよね。問題文に対し、ダイレクトに受け答えをしてください。作問者からすれば「私は熱量について問うているのに、なぜこの生徒は生産量について述べているのだろう」と思われてしまいますよ。相手の質問に直接答えなければ得点になりません。

いくつか気になる点を挙げます。

まず「畜産」ですが、日本で畜産が盛んなのは北海道や鹿児島です。表3中ではかろうじて宮崎県が唯一畜産県とも言えますが、しかしむしろここはビニルハウス栽培を中心とした野菜栽培が中心でしょう。本問は畜産は全くキーワードになりません。

さらにこちらでも「飼料」について言及していますが、これもちょっとよくわからないんですよね。おそらくオリジナルカロリー(例えば、100キロカロリー分の肉を得るためには1000キロカロリー分の穀物を必要とするといったような)に関することを考えに入れていると思うのですが。本問の内容とは直接関係ないと思います。

というか、そもそも畜産物=肉類は、カロリーが高くないですか?つまり「価格に対する熱量」が高いわけで、要するに「熱量に対する価格」は安いのですよ。100円で買えるハンバーガーは高カロリーです。安い値段で高カロリーを得ようとすれば、我々は肉を食べるわけです。カロリーの低い野菜とは対照的ですよね。

さらに工芸作物もいかがなものでしょう?工芸作物について具体的に何を考えていますか?工芸作物といえば、こんにゃくいも(こんにゃく)やたばこ、さとうきび(砂糖)、い草(畳表)などがあります。これ、これらの県の特産品に該当しますか?それどころか、食べ物でないものも工芸作物には多いのですが。雰囲気だけで「工芸作物」という言葉を使っていないでしょうか。雑に感じますよ。

また「柑橘類」とするなら「果実」で良くありませんか?みかんのような柑橘類にこだわる必要はありませんよね。山梨県や長野県のように柑橘類以外の果実の栽培に特徴がある県もあります(ブドウですよね)。この辺りも言葉の使い方に雑な印象がありますよ。気をつけてくださいね。もっとも、今回は山梨県や長野県については言及する必要はありませんでしたが。これらは(ア)の大都市圏およびその近郊に該当します。

とにかくここでポイントになる県は大都市圏以外の宮崎県や高知県です。「野菜」についてしっかり書けばいいわけですよね。せっかく促成栽培というキーワードを挙げることができているのですから、これについてしっかり論述しましょう。「野菜」とくにそれらがナスやピーマン、トマト、キューリなどの「園芸野菜」がポイントです。

ホイットルセー農牧業区分を国内の農業において持ち出すことは不要ですが、本問ではあきらかに「関東地方=近郊農業」「四国・九州=輸送園芸農業」の対比がなされています。「園芸農業=近郊農業+輸送園芸農業」であり、輸送園芸農業という言葉を使うとより適切だったでしょう。

「熱量に比して価格の高い野菜栽培が盛ん。大都市圏から遠方にあり、温室での促成栽培が中心の野菜の輸送園芸農業が行われるから。」(60字)

こういった形でしょうか。参考にしてくださいね。

全体的な印象としては、簡単なことを書けばいいのに、勝手に内容を難しくして、結局自分で混乱してしまっているように感じます。問題(5)などは典型的だと思いますよ。野菜が低カロリーであることはわかりますよね。それに特化して丁寧に60字を組み立てれば良かったのです。論述問題は決して難しいことを問うているわけではありません。無理をせず、自分が分かる範囲で「簡単」なことを書いてみましょう。自分が知らないことを書こうとすればどうしても説明が雑になります。自分の考えを正確に伝える意識を持って、「丁寧」に論述してみましょうね。

次回も期待しています。

  • 2021.06.01 14:43
  • たつじん

東京大 2009年 第2問 設問A

(1)
ア−フランス イ−イギリス ウ−スペイン

(2)
イ国は寒冷地であり、かつて氷河に覆われ肥沃度が低いため主に野菜の生産量が少なく、ウ国は夏季に乾燥する気候を活かして独特な果実や野菜類、移牧が行われる内陸部で肉類の生産量が多いから。

(3)
肥沃な土地では大消費地向けに園芸農業が、肥沃でない干拓地では畜産が盛ん。また国土が狭小であり穀類の生産量は少ない。

(4)
米や小麦等の穀物の生産が盛んな地域であり、多量の飼料や肥料を与える必要がなく、また生産量に対して価格が安いから。

(5)
生産量に対し価格の高い柑橘類や工芸作物、促成栽培した野菜の生産が盛んであり、また畜産も盛んで多量の飼料が必要だから。



添削よろしくお願いします。

  • 2021.05.30 20:41
  • Shirakaba

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