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2021.08.19

475

すでにお申し込みされている添削メンバーの方のみ投稿ください(メンバー募集は4月で終わっています。追加募集の予定はありません)。最低、月に1回の投稿がノルマです。これが無き場合は登録取り消しになりますので、ご注意ください。

コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性があります。その際は他のフォームに再投稿していただけますでしょうか。お手数ですが、よろしくお願いいたします。(従来のDMによるお問い合わせは取りやめといたしました。ご理解くださいませ)

コメント

では添削いたします。

>東京大学 2008年度
>第2問
>設問A
>(1)ア−日本 イ−アメリカ合衆国 ウ−ドイツ エ−中国 オ−韓国

いいですね。鉄鋼生産は統計の基本ですので、問題なかったと思います。

>(2)エ国は質よりも膨大な需要に応えるために、古びた設備や技術を用いて、質の悪い国産の原材料を使い続けるため生産効率が悪い。一方でオ国は先進国の支援を受けて比較的新しい設備と技術を使い、原料も質を追求したため、高い燃費での生産を実現したから。(118字)

なるほど、悪くないですが、ひとつ足りない言葉があります。鉄鋼業の立地を表すキーワードである「臨海」が欠けています。問題文を解釈し、作問者が受験生に求めてる「答え」を考察してみてください。

本問は間違いなく

「生産性が低い」→「旧式」→「原料立地」→「内陸部」
「生産性が高い」→「新型」→「輸入に頼る」→「臨海立地」

この対比だったと思いますよ。

「エ国は老朽化した旧式の製鉄所が多く生産性が低い。燃焼効率の悪い国内産の低品質の石炭に依存する割合が高い。オ国は最新鋭の臨海型製鉄所が中心で生産性が高い。国内資源が乏しく、石炭は高品質の海外産に依存している。」(103字)

こういった形でしょうか。字数が多いので難しい印象がありますが、2つの国について書くのですから、実際には「60字制限」の解答を重ねるだけですよね。事前に考えて、何を書くべきかを絞ってから書き始めれば、決して難しくありません。

>設問B
>(1)五大湖での原料輸送を活かして鉄鋼が盛んだったが、老朽化と機構の寒冷化で衰退し、製造業が流出した。(48字)

「気候の寒冷化」というのがよくわからないのですが?「地球温暖化」はよく聞きますが。

ピッツバーグはよく問われる都市です。「炭田に近接した鉄鋼業」→「石油危機や国内鉄鉱石資源の枯渇、産業構造の転換により鉄鋼業が衰退」→「再開発」→「バイオテクノロジーなど先端産業の集積」という流れをチェックしておきましょう。

「炭田に近接し鉄鋼業が発達していたが施設の老朽化や外国との競争に敗れ鉄鋼生産は低迷。近年は再開発により先端技術産業を誘致。」(60字)

こういった形でしょうか。

>(2)中心地区から周辺地区へ人口が流出し、市街地が広がった。(27字)

いいですね。十分な解答です。

私も書いてみました。

「中心地区から周辺地区へと人口が流出し、郊外化が進んだ。」(27字)

このように「郊外化」という言葉を使っても良かったでしょう。郊外の開発が活発になされ、周辺地域の都市化が進みました。

>(3)石炭など大量のエネルギーを必要とする鉄鋼業の衰退でエネルギーの消費量が減った。また、産業廃棄物や汚染物質の排出が減り、市街地拡大で排気ガスが薄まったことで、環境問題は改善した。(88字)

これも悪くないのですが、後半の文の「産業廃棄物や汚染物質の排出が減り」が唐突な印象です。これは「重工業の衰退」に絡めて、前半の文で述べるのならばまだわからなくもないのですが、後半の文は「市街地の密度低下(過密の解消)」に関する内容ですからね、産業廃棄物や汚染物質は関係ないのでは。

例えばこういった感じです。

「産業構造の変化で化石燃料の消費量が減少し、硫黄酸化物など大気汚染物質の排出量も減少。人口が分散したことで都心部の過密が解消され交通渋滞が減るなどして、排ガスによる大気汚染が緩和。」(89字)

どうでしょうか。あえて上手い文章にしませんでしたが、意味は十分に伝わりますよね。こういったことが言いたかったのではないですか。

書くコツを教えますね。

文字数は90字です。ただ、90字で一つのトピックを答えることは東大論述では稀なことです。必ず複数のトピックを答える問いかけになっているはずです。本問ならば「産業構造の変化がエネルギー消費および環境問題にどのような変化をもたらしたか」、「市街地の広がりの変化がエネルギー消費および環境問題にどのような変化をもたらしたか」、この二つですね。

・産業構造の変化→化石燃料の使用量の減少→硫黄酸化物の排出減少
・人口の分散→過密解消と渋滞の緩和による排ガスの減少→大気汚染の緩和

このような筋道が立てられるはずです。因果関係を明確にし、理論に基づいた文章を書いてみましょう。決して難しくないと思いますよ。とくに、このように制限字数が長い場合の方が余裕をもって書くことができるので、簡単だったりします。

次回も期待しています。

  • 2021.08.29 01:14
  • たつじん

東京大学 2008年度
第2問
設問A
(1)ア−日本 イ−アメリカ合衆国 ウ−ドイツ エ−中国 オ−韓国
(2)エ国は質よりも膨大な需要に応えるために、古びた設備や技術を用いて、質の悪い国産の原材料を使い続けるため生産効率が悪い。一方でオ国は先進国の支援を受けて比較的新しい設備と技術を使い、原料も質を追求したため、高い燃費での生産を実現したから。(118字)

設問B
(1)五大湖での原料輸送を活かして鉄鋼が盛んだったが、老朽化と機構の寒冷化で衰退し、製造業が流出した。(48字)
(2)中心地区から周辺地区へ人口が流出し、市街地が広がった。(27字)
(3)石炭など大量のエネルギーを必要とする鉄鋼業の衰退でエネルギーの消費量が減った。また、産業廃棄物や汚染物質の排出が減り、市街地拡大で排気ガスが薄まったことで、環境問題は改善した。(88字)

よろしくお願いいたします。

  • 2021.08.27 18:08
  • ゆう

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