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2022.01.12

643

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コメント

では添削いたします。

>東大 2010年度 第2問

>設問A

>(1) ウ-フィリピン、エ-インド

いいですね。正解です。

アとイについては、人数が多く商用メインのイが中国であるのはわかりやすいと思います。中国より多いので、アは台湾ですね。こちらは主に観光目的となります。残ったウとエについては、距離の遠さ、貿易や企業進出といった経済的なつながりの弱さから、フィリピンとインドになりますね。ウは親族訪問の割合が高く、これは日本国内にフィリピン人が多いことの影響でしょう。エのインドは商用目的が多いですが、IT産業と結びつければいいですね。
観光目的での入国の割合と、経済レベル(1人当たりGNI)が比例することを意識してみてください。

>(2) フィリピンはインドよりも日本に近く、出稼ぎが多く親族訪問の割合が高い。経済発展が進むインドに日本企業が多数進出するため。

どうでしょうか。できればアとイも含めて説明してほしかったところです。

例えば、このようにしてみてはどうでしょう。

「ウとエはともに総数が少なく中国台湾ではない。ウは日本国内の同国出身者への親族訪問が多い。エはICT産業が発達し商用が主。」(58字)

字数的にかなり厳しいですが、何とか意味は通じるとは思います。参考にしてくださいね。

>(3) 温暖な気候の台湾では珍しい雪景色を楽しめる北海道や、遊園地に行ったり買い物をしたり様々な観光地が密集する東京が人気。

いいですね。特色ある両地域が取り上げられています。

私も同じような内容です。

「北海道。スキー体験や温泉、雄大な自然を楽しめる。千葉。テーマパーク訪問。東京に近く買い物に便利。(48字)」

温暖な台湾からみると、雪景色のきれいな北海道が魅力的な観光地と考えられているようですね。

>(4) 日本は所得水準が高く地理的に近い中国への渡航者が多いが、中国は所得水準が低く渡航制限もあるので日本への渡航者が少ない。

いいですね。2017年以降はビザが緩和され、所得制限がなくなったため、中国人観光客が急増したこともぜひ知っておいてください。ただ、このコロナ禍で、こういった問題は問われにくくなっているでしょうね。

ちなみに私の解答はこういった形です。

「経済水準を比較し、中国人にとって日本への旅行はコスト高だが日本人にとって中国への旅行は割安感がある。日系企業も多く進出。(60字)」

経済レベル(1人当たりGNI)の違いを物価と結び付けて説明しています。中国の場合、「商用」目的も多いので、日系企業の進出により経済的な関係が強いことも強調しています。

>設問B
>(1) A-ソウル、B-東京、C-北京、D-台北

いいですね。Dは気温で判定できます。低緯度の台北。Cは降水量の少なさで北京。以前は冷帯気候に含まれていましたが、現在はBSと捉える場合が多いようです。Aはシベリア高気圧の影響でとくに冬の降水量が少ないことから朝鮮半島のソウル。Bは東京ですが、最暖月平均気温25℃、最寒月平均気温5℃と直接覚えておいてもいいかもしれませんね。ソウルとは異なり、冬でも月に50ミリ程度の降水はあります。

>(2) ソウル。ソウルに集中していた政府機関を地方に分散させる。ソウルに新たに立地する工場の数に規制を設け地方での工業開発を進めることで、雇用機会を創出し人の移動を促し経済も活性化させる。

いいですね。本問の難しさは90字という字数にあります。この長文に対応するような中身の濃い文章を書く必要がありました。

なお、私はこう書いてみました。

「ソウル。過度な集中を避けるため開発が規制されている。テジョンに政府機関の一部を移転させるなど行政の一極集中も避けられている。国内の格差是正のため地方の工業開発も積極的に行われる。(89字)」

90字は長いので、具体的な例を一つ入れるのはテクニックです。ここではテジョンを解答に含めてみました。首都機能の移転が行われている都市です。

>(3) 賃金の安さを生かした衣服や日用品などの労働集約型の工業が盛んだった。その後経済が発展し所得水準が上昇したため、電子機器や電子部品などの技術集約型の工業に移転し国際競争力を維持した。

「国際競争力を維持した」という言い方はいいですね。いい文章だと思います。

ただ、「労働集約型工業」の典型例は「電気機械」ですね。「衣類」はもちろん含まれますが、「日用品」に関してはあまり取り上げられないような。むしろ日用品と衣類の括りならば「軽工業」ですよね。

例えば、私はこのように書いています。

「1980年代以前は賃金水準の低さから衣類や機械組立など労働集約型工業が中心。賃金水準の上昇によりその分野の国際競争力が低下し、精密部品や電子機器など技術集約型産業へ産業構造が転換。(90字)」

「国際競争力」については「低下」という言い方がよく出てきますので、それを使っています。経済レベルが上昇し、賃金水準が上がると国際競争力が低下することをぜひ理解してくださいね。

経済レベルつまり1人当たりGNIが上がれば国際競争力は下がります。要するに、賃金水準が上がれば、労働コストが製品価格に反映され、当該国の製品は高価格となりますよね。低価格の1人あたりGNIが低い国々に比べ、明らかに競争力を劣るわけです。

労働集約型工業が発達→経済成長→賃金水準上昇→国際競争力の低下→産業構造の転換

こうなるわけですね。



  • 2022.01.24 23:14
  • たつじん

東大 2010年度 第2問
設問A
(1) ウ-フィリピン、エ-インド
(2) フィリピンはインドよりも日本に近く、出稼ぎが多く親族訪問の割合が高い。経済発展が進むインドに日本企業が多数進出するため。
(3) 温暖な気候の台湾では珍しい雪景色を楽しめる北海道や、遊園地に行ったり買い物をしたり様々な観光地が密集する東京が人気。
(4) 日本は所得水準が高く地理的に近い中国への渡航者が多いが、中国は所得水準が低く渡航制限もあるので日本への渡航者が少ない。

設問B
(1) A-ソウル、B-東京、C-北京、D-台北
(2) ソウル。ソウルに集中していた政府機関を地方に分散させる。ソウルに新たに立地する工場の数に規制を設け地方での工業開発を進めることで、雇用機会を創出し人の移動を促し経済も活性化させる。
(3) 賃金の安さを生かした衣服や日用品などの労働集約型の工業が盛んだった。その後経済が発展し所得水準が上昇したため、電子機器や電子部品などの技術集約型の工業に移転し国際競争力を維持した。

  • 2022.01.24 16:31
  • いぇい

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