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2022.01.17

655

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コメント

では添削いたします。

>東大 2008年度 第3問

>設問A
>(1) a-アメリカ, b-イギリス, c-タイ

人口移動については「1人当たりGNIの高い国へと移動」が大原則ですね。aがアメリカ合衆国であるのは間違い無いとして、bはイギリスになりますね。

確かにタイについては日本企業の海外現地法人(日系企業)数については「中国>アメリカ合衆国>タイ」の順であるように、経済的なつながりは強いのですが、人口移動については別の要因も作用します。留学を考えれば、1人当たりGNIの高い先進国における日本人の長期滞在者が多いのも納得ですよね(特にイギリスなど英語圏は語学留学生が多いはずです)。

残ったcがタイになります。


>(2) 温暖な気候やリゾート地として有名であり、退職後に余生を過ごす場所として日本から移住する人が増加しているため。(54字)

いいですね。これで十分ですよ。「余生を過ごす」など字数稼ぎと感じる部分にありますが、、伝えるべきことは全て挙げられているので問題ないと思いますよ。

ただ、これは現在はやや状況が変わっています。オーストラリアは1人当たりGNIが急上昇しており、日本を上回りました。日本の半分ぐらいしか1人当たりGNIがなかった20〜30年前に比べると「安さ」を目的として移住する人は減ったように思います。

参考までに私の解答を二つ紹介しておきます。

「温暖な気候でリゾート地に近く、日本へのアクセスも比較的いい。治安が良く、生活環境に恵まれている。」(48字)

「温暖な気候でリゾート地に近く、日本へのアクセスも比較的いい。定年後の高齢者を中心に移住者が多い。」(48字)

ブリズベンの含まれるクインズランド州からは、ケアンズ〜東京の直行便もあり、空路によるアクセスが良くなっています。このことも解答に含めてみました。

>設問B
>日本企業が労働力不足を解消し国際競争力を維持できるよう、日本政府は安価な未熟練労働力となる移民の受け入れ制限を緩和した。結果、所得水準の向上を求めて多くの移民が入国するため。

なるほど、悪くありませんが、そもそも日系人がブラジルに多い(だからブラジルからの流入が多い)ことまで言及できればベストでしたね。

「結果」以降を、「日系人の多いブラジルからの流入が増加した」とするだけでもかなり違ったと思います。

「国際競争力」の使い方は難しかったかも知れませんが、とてもうまく使えています。

私はこう書いてみました。

「労働力不足の解消、安価な労働力の利用で国際競争力を高めるため、日系人に限り未熟練労働力の受入が法的に可能になった。日本からの移民が多く日系人の人口が大きいブラジルからの流入が急増。」(90字)

まず理由である「労働力不足の解消」を真っ先に述べ、2つ目以降の文でそれに詳細な説明を加えています。

>設問C
(1) 日本の銀行が多く進出していたが、バブル経済崩壊後の金融危機のために、多くの企業が撤退したため。

惜しいですね。「バブル崩壊や金融危機」としてみてはどうだったでしょう。90年代初頭の日本におけるバブル崩壊、90年代後半のアジア通貨危機(金融危機)を別個のものとして記述した方が良かったと思いますよ。

こういう感じです。

「バブル期に銀行など金融業が多く進出していたが、バブル崩壊や金融危機によって一部が撤退した。」(45字)


>(2) 政治の中心である北京と異なって中枢管理機能が集中する上海では経済発展や都市開発が進んでおり多くの工場が進出しているため。

どうでしょう?北京について触れる必要はなかったと思いますよ。

また本問のポイントは「後背地」です。この言葉を使いこなせるか否かで得点が大きく違ったはずです。

後背地とはつまり「背後の土地」のことですが、その都市を支える経済的な基盤がその背後に広がっていることを述べるとさらに良かったとおもいます。

上海は中国最大の都市であるだけでなく、港湾都市として華中地域の経済を支えます。上海の背後には多くの都市が近接し、巨大な経済圏を形成しています。これらの支えがあってこそ、さらに上海は発展するわけです。

「都市開発が進み人口も多い上海は広い後背地を有し経済力も大きい。日本から企業進出が急増し、工場も多く設けられた。」(55字)

こんな感じでしょうか。「中枢管理機能」はちょっと使いにくい言葉だと思います。むしろ中枢管理機能は首都のペキンの方が少なくとも政治の面については発達しているわけですからね。

「安価な労働賃金」(つまり1人当たりGNIの低さ)より「後背地の大きさ=経済規模・市場規模」(つまりGNIの大きさ)に注目して説明した方が良かったかと思いますよ。

さらに演習を続けましょう。


  • 2022.01.22 09:37
  • たつじん

東大 2008年度 第3問
設問A
(1) a-アメリカ, b-イギリス, c-タイ
(2) 温暖な気候やリゾート地として有名であり、退職後に余生を過ごす場所として日本から移住する人が増加しているため。

設問B
日本企業が労働力不足を解消し国際競争力を維持できるよう、日本政府は安価な未熟練労働力となる移民の受け入れ制限を緩和した。結果、所得水準の向上を求めて多くの移民が入国するため。

設問C
(1) 日本の銀行が多く進出していたが、バブル経済崩壊後の金融危機のために、多くの企業が撤退したため。
(2) 政治の中心である北京と異なって中枢管理機能が集中する上海では経済発展や都市開発が進んでおり多くの工場が進出しているため。

  • 2022.01.20 13:44
  • いぇい

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