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2022.01.20

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こすでにお申し込みされている添削メンバーの方のみ投稿ください(メンバー募集は4月で終わっています。追加募集の予定はありません)。最低、月に1回の投稿がノルマです。これが無き場合は登録取り消しになりますので、ご注意ください。

コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性があります。その際は他のフォームに再投稿していただけますでしょうか。お手数ですが、よろしくお願いいたします。(従来のDMによるお問い合わせは取りやめといたしました。ご理解くださいませ)

コメント

では添削いたします。

>東大 2005年度 第3問
>設問A
>(1) a-①, b-④, c-②, d-③

aについては通勤通学の8時台にバスがあるのがヒントになっていますね。

2と3も判定が難しかったと思いますが、よく考えればできますよ。

「人口10万人」の都市はどちらかといえば規模は小さいですよね。バスの本数も限られていると思います。一方で郊外の住宅団地は通勤の時間帯にバスの本数が極端に多くなっている点に注目してください。

もちろん本数で考えるのがベストでしょう。五千人の村は人口がかなり少なく(人口1万人で小学校が一つできる計算です、この村には小規模な小学校しかないでしょう)、バスを利用する人も限られています。

航空機については。騒音規制などにより朝早くと夜遅くの離着陸が制限されていることを考えてください。朝早くとも9時過ぎ、夜遅くとも10時前というのがいかにも航空機だったと思いますよ。

>(2) 日本企業が安価な労働力を活かした現地生産を行うために進出し、ビジネス客が増加。また経済発展した都市への観光客が増加。

中国への日本企業の進出については「現地生産」はあまり使わない方がいいと思いますよ。

ここのポイントは「現地生産」という言葉を使ってはいけないということです。中国における工場の進出は基本的には安価な労働力を利用しての生産活動に目的があり、中国国内での販売を目的としていません(*)。ここで安易に「現地生産」という言葉を使うとNGだったと思いますよ。

また、細かい話をしてしまうと、中国人の観光客が増えた理由には2つあります。

「中国 海外旅行 所得制限」で検索してみてください。ロイターの「中国人観光客のビザ要件、一段緩和へ」という4年前の記事があります。

https://jp.reuters.com/article/chinese-visa-idJPKBN171148

所得制限が400万円から300万円に緩和されたこと、中国での経済発展によって所得条件を満たす人が増えたこと、この2点です。
もちろん今回は字数が短いので深く回答することはできませんが、このことは簡単に知っておいてもいいかもしれませんね。

(*)近年は中国における自動車生産は中国人向けのものであり、現地生産的な工場進出がみられるようにはなっています。

>(3) 地方都市で高齢者の割合が増え過疎化が進む。モータリゼーションが進み自家用車でロードサイドの大型店舗に行く人が増加した。

後半はいいのですが、前半が弱いです。ここは「中心商店街」がいわゆるシャッター通りになることを説明するべきです。

「モータリゼーションの進展で駐車場を備えた郊外型ロードサイトショップに客が流れ、駅周辺など旧来の中心商店街が衰退した。」(58字)

問題文に「中心商店街」とあるので、これをそのまま生かした方が良かったと思います。また「郊外」ですから、これと対照的な言葉として「旧来」「駅前」などの言葉を加えています。ロードサイド店と中心商店街との対比を明確にすることが本問のポイントですね。

>(4) 高齢者の移動を促し、過疎化が進む地域社会が活性化。民営化により、自家用車を利用できない通学者や高齢者の移動手段を確保。

これは反対ですね。民営ならば採算重視ですから、廃止になります。移動手段は確保できません。民営から公営にすることで(採算度外視で。税金を使って)、過疎地域にもバス路線を維持することができるのです。

私はこのように書いてみました。

「不採算となり民間のバス路線は廃止された。高齢者や通学者など自家用車の利用が難しい人々のため自治体がバス路線を設けた。」(58字)

「過疎化」や「民営化」も使いたかったのですが、ちょっと厳しかったですね。とはいえ、言いたいことはほぼ含まれた解答となっています。

「果たしている役割」を直接的に答えているわけではないかも知れませんが、主題である「民間→自治体」への変化についてはしっかり理由を述べています(不採算ということですね)。地理は経済が重視される科目ですので、常に広く経済を捉える視点は持っておいてください。

>設問B
>(1) 第三次産業が発達し昼間人口が増加。居住環境の悪化や、都市の発達による地価の上昇で、人々が周辺都市に移住し夜間人口が減少。

どうなんでしょう?「都市圏」が意識されていないように思います。

「都市圏」とは「都心部」と「郊外」の組み合わせですよね。「都心部」という言葉を、「郊外」との対比によって用いて欲しかったところです。

いわゆるドーナツ化現象について、それが一体どのようなことなのか、正確に説明する問題だったと思います。「都心部からの人口流出、郊外への流入」ですよね。

以下のように書いてみました。

「地価高騰で都心部の人口が減少。都市圏の拡大で郊外の人口が増加。都市機能の集中が進む都心部へと郊外からの通勤者が増えた。」(59字)

どうでしょう?わかりやすいと思いませんか。「都心部の人口減少」「郊外の人口増加」「郊外から都心部への通勤者の増加」を順序立てて述べていくのです。

都心部での人口減少については「地価高騰」という言葉を理由として入れています。もちろん理由は地価高騰だけでないでしょうが(例えば「住環境の悪化」など)、字数制限を考えれば、細かく説明する部分でもないと思います。

「郊外」から「都心部」へと通勤者が生じていることを確実に述べています。結局、これが問題に対する「答え」ですからね。ここをしっかり述べることで得点になるはずです。

「ドーナツ化現象」という言葉を使ってもよかったのですが、あえて他の言葉で詳しく説明する形にしています。

>(2) 都市部の地価が下落し、高層マンションの建設や居住環境の改善など再開発が行われ、地方から都市部に移住する人が増えたため。

こちらはジェントリフィケーションに関する内容ですが、やはり都市圏が意識されていません。「都市部」ではわからないのですよ。都市圏が都心部と郊外から構成されており、その中でも都心部で再開発が行われている様子を記述しないといけません。

例えばこうなります。

「バブル崩壊後に地価が下落。都心部で再開発が行なわれ、集合住宅も建設される。富裕層を中心に都心部へと転居する人が増えた。」(59字)

あえてジェントリフィケーションという言葉は使わずに書いてみました。先ほどのドーナツ化現象もそうなのですが、たしかにこのように一言で言い切ることができる言葉は便利なものです。しかし、論述問題はそういった用語そのものより、そこに含まれる意味を記述してこそ大事ですよね。用語に頼るのではなく、それを説明するという意識を持って欲しいとは思います。

>設問Aの(1)は全部間違えてしまいました。
>よろしくお願いいたします。

どうなんでしょう?数多く解答を提出してくれているのはいいのですが、ちょっと雑になっていませんか?この問題に限らないのですが、もうちょっと深く考えれば正解に辿り着くのに、急いで短時間で仕上げてしまっているような気がするのです。

A(1)にしても、たしかに難しいのですが、全問ミスするような問題ではありませんよ。ああでもない、こうでもない、と「しつこく」考えてみましょうよ。

ちょっとペースを落として、じっくり取り組んでみてはどうでしょう?丁寧に時間をかけて解答に取り組まないと、勿体無いと思いますよ。時間を十分にかけましょうね。

  • 2022.01.31 06:48
  • たつじん

東大 2005年度 第3問
設問A
(1) a-①, b-④, c-②, d-③
(2) 日本企業が安価な労働力を活かした現地生産を行うために進出し、ビジネス客が増加。また経済発展した都市への観光客が増加。
(3) 地方都市で高齢者の割合が増え過疎化が進む。モータリゼーションが進み自家用車でロードサイドの大型店舗に行く人が増加した。
(4) 高齢者の移動を促し、過疎化が進む地域社会が活性化。民営化により、自家用車を利用できない通学者や高齢者の移動手段を確保。

設問B
(1) 第三次産業が発達し昼間人口が増加。居住環境の悪化や、都市の発達による地価の上昇で、人々が周辺都市に移住し夜間人口が減少。
(2) 都市部の地価が下落し、高層マンションの建設や居住環境の改善など再開発が行われ、地方から都市部に移住する人が増えたため。

設問Aの(1)は全部間違えてしまいました。
よろしくお願いいたします。

  • 2022.01.25 07:21
  • いぇい

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