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2022.02.16

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コメント

では添削いたします。

>東大 1992年度第2問
>設問C
>東南アジアから移住したマレー系が多い。米が主食で稲作が盛ん。

「移住」というと違和感がありますね。一般に移住のイメージは、大航海時代以降の話になります。単に「マレー系」とするか、「マレー系の言語を使用する」とするべきでしょうか。とくに「文化」について論ずるのですから、「言語」という言葉を用いると適切だったと思いますよ。

あるいは「東南アジアに起源を有する」など、表現を工夫してみてください。

稲作については大正解です。

>東大 1991年度第3問
>設問A
都市地域内部では中心部ほど地価が高く、周辺部に広がるにつれ安くなる。地価が高い地域は商業の中心、安い地域は住宅地などに利用される。地価が同心円状に分布し、空間構造も同心円状になる。

惜しいですね。とてもわかりやすい文章である点は素晴らしいのですが、「都市圏」を意識し、「都心部」、「郊外」という言葉を用いれば、さらにハイレベルな文章になったと思いますよ。

この問題のポイントは二つありますね。

一つは都市の成長による機能分化です。中心付近に中枢管理機構が集中し「都心部」が形成される一方で、周辺に人々の居住区である「郊外」が整備されていきます。「都市圏」の形成です。

一つは「地価」ですね。都心部が地価が高いため、都心から同心円状に住宅地が拡大していきます。同心円構造について地価と関連させ説明することが重要です。

「都市の発達で明確な都市圏が形成。交通の便がいい都心部には中枢管理機能が集中、低地価の郊外は住宅地が広がる。地形的制約がなく交通機関が均等に発達すれば、同心円状の機能分化が生じる。」(89字)

こういった形でしょうか。

>設問B
>中心部への人口集中に伴う居住環境の悪化や地価の高騰により、周辺部への人口流出というドーナツ化現象が生じた。中心部では治安悪化。また都市の無秩序な拡大というスプロール現象が生じ、公共サービスの効率低下やインフラの未整備、自然破壊が進んだ。

前半ですが、もっと都市圏を意識してほしいですね。中心部ではなく「都心部」、周辺部ではなく「郊外」でしょう。また都心部の治安悪化はどうなんでしょう。少なくとも日本の都市ではそういったことはないと思いますよ。

また後半のスプロール現象では「自然破壊」は触れなくていいと思いますよ。スプロール現象はあくまで経済用語です。インフラ整備が効率的に行われず、コストがかかってしまうのです。

「都心部への人口集中に伴う居住環境の悪化や地価の高騰により、郊外への人口流出というドーナツ化現象が生じた。また都市の無秩序な拡大というスプロール現象が生じ、公共サービスの効率低下やインフラの未整備が起こった。」

こういう形になりますね。

本問は120字制限と字数が長い印象がありますが、二つの命題についてそれぞれ述べることが求められており、実質的には60字の問題が2つ合わさった形ですね。設問Aより難易度は低いと思います。

私はこう書いてみました。

「都心部では高地価と居住環境の悪化で人口が減少。一戸建てを求める人々が地価の安い郊外に移り住むことで、都市圏全体ではドーナツ化現象が生じる。郊外ではスプロール現象。農地の中に住宅地が無秩序に広がる。乱開発によってインフラ整備が遅れる。」(116字)

都心部の問題点として人口減少を挙げ、「ドーナツ化現象」については問題点というより、都市圏全体の人口分布の状況を示す言葉として挙げてみました。スプロール現象については問題である「インフラ整備が遅れる」こと重点的に述べ、他の要素については簡略化して述べています。

>設問C
>臨界立地型の重化学工業の衰退という産業構造の変化により、遊給地化が進んだ。都心に近く広大な土地を生かし、老朽化した港湾施設を撤去・再利用してオフィスや住宅が立地する市街地を形成。飲食店や小売店を立地させレクリエーション需要をも満たす。

なるほど、かなりレベルの高い文章です。大学受験レベルでこれだけの文章を書ける人はいないと思いますよ。適切です。

ただ、明確に「再開発」という言葉を使ってはどうだったでしょう。「遊休地」では土地が何も利用されていない印象がありますので、ここを「再開発が進んだ」と変えるだけでさらにいい解答になったと思いますよ。

本問は字数にかなり余裕があるので、「ウォーターフロント開発」という言葉を使うのはどうだったでしょう。

「高度経済成長期に臨海部は重工業地域として開発されたが、産業構造の変化により、近年再開発が進む。都心部に近接する優位性を生かし、オフィスビルや集合住宅が設けられる。これはウォーターフロント開発と称さ、横浜みなとみらい21が例。」(112字)

やはり字数に余裕があるため、例としてみなとみらいにまで言及してみました。レジャー施設について触れても良かったのですが、「オフィスビルと集合住宅」が無難でしょうか。

>設問D
労働時間の短縮により余暇が増えた結果、余暇の過ごし方の一つとして避寒地としてのリゾートの需要が高まった。結果、美しい砂浜海岸といった自然環境を活用したリゾート開発が進められた。

なるほど、これもいいですね。本問は書くべき内容か簡単なのですが、それをいかに字数を使って説明するかが課題でした。いい解答ですよ・




  • 2022.02.19 05:42
  • たつじん

東大 1992年度第2問
設問C
東南アジアから移住したマレー系が多い。米が主食で稲作が盛ん。

東大 1991年度第3問
設問A
都市地域内部では中心部ほど地価が高く、周辺部に広がるにつれ安くなる。地価が高い地域は商業の中心、安い地域は住宅地などに利用される。地価が同心円状に分布し、空間構造も同心円状になる。
設問B
中心部への人口集中に伴う居住環境の悪化や地価の高騰により、周辺部への人口流出というドーナツ化現象が生じた。中心部では治安悪化。また都市の無秩序な拡大というスプロール現象が生じ、公共サービスの効率低下やインフラの未整備、自然破壊が進んだ。
設問C
臨界立地型の重化学工業の衰退という産業構造の変化により、遊給地化が進んだ。都心に近く広大な土地を生かし、老朽化した港湾施設を撤去・再利用してオフィスや住宅が立地する市街地を形成。飲食店や小売店を立地させレクリエーション需要をも満たす。
設問D
労働時間の短縮により余暇が増えた結果、余暇の過ごし方の一つとして避寒地としてのリゾートの需要が高まった。結果、美しい砂浜海岸といった自然環境を活用したリゾート開発が進められた。

  • 2022.02.16 14:00
  • いぇい

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