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2020.09.02

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コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性がありますので、ツイッター(@ts914)にDMをいただけますでしょうか。早々に対応いたします。

コメント

では添削いたします。

こちらの問題はスタディサプリ「地理・論述編」第5講[2]でも取り上げていますので、不明点があればそちらをご覧ください。

>2012年度第1問_1(ユーラシアとアメリカ合衆国の自然・産業・文化より)

>設問A
>(1)
>ア・・・c(b)
>イ・・・b(c)
>ウ・・・a

モンゴルは高原である分だけ全体の気温が下がっていますね。寒冷なイはcに該当します。他は問題なかったと思います。

>(2)
>カ・・・Z
>キ・・・Y
>ク・・・W
>ケ・・・X

羊がポイントになりますね。乾燥地域を多く含む国では羊の飼育が主となります。


>(3)
>(Sは森林地帯の深い淡水湖で、製紙工場の排水などで水質が悪化した。)Tの周囲は乾燥気候に属し、人為的な灌漑が発達したため、水深は浅く、塩分濃度は高くなり、面積が縮小した。

Sはバイカル湖ですね。パルプ工業による水質汚濁がポイントです。Tはアラル海です。過剰な灌漑による湖水減少を論じましょう。たいへん適切な解答です。書くべき内容に比べ文章制限が短いところが厳しいですが、うまくクリアできていますね。



>(4)
>W・・・プロテスタント(カトリック教)
>Z・・・チベット仏教

問題ありません。適切です。

>設問B
>(1)
>a・・・3
>b・・・4
>c・・・5
>d・・・2
>e・・・1

aは人口でわかりますね。カリフォルニア州に次いで人口が多いのがテキサス州です。
bはコーンベルトに位置する州であることはわかるでしょう。人口が大きく、大都市であるシカゴを含むイリノイ州となります。
cも人口が多いことがポイントにあり、大都市デトロイトを含むミシガン州です。しかし農業はふるいませんね。
dは小麦の生産が際立って多くなっており、小麦地帯の①と②に絞られますが、とうもろこしの生産も比較的多く、寒冷な①は該当しません。②のカンザス州ですね。
eは逆にとうもろこしが少なく、こちらが①のノースダコタ州になります。

アメリカ合衆国の州については位置を一通り覚えてしまった方がいいですよ。名称と位置が一致すると、こうして過去問を解きながらその特徴がスムーズに頭に入るようになります。


>(2)
>2005年以降、リーマンショックの影響からアメリカ全土で失業率が増加したが、特に北東部の金融や工業が発達したメガロポリスや五大湖周辺での失業率の比率が大きかった。

まず言葉の整理から。「失業率」は割合ですので「増加」ではなく「上昇」とした方が適切です。あるいは「悪化」という表現を用いても可ですが。

「金融や工業」とするならば「金融業や工業」とした方がベターです。

「失業率の比率が大きかった」という言い方がクエスチョンマークです。こちらは言い方を工夫して欲しかったところです。「失業率の上昇がより顕著」や「失業率がより悪化した」など、いろいろな言い方があると思いますよ。

さらに。

ちょっと気になったのが「2005年以降、リーマンショックの影響から」という部分です。もちろん間違いではないのですが。。。

リーマンショックは2008年ですよね。この影響が2009年のデータに現れるのは納得です。ただ「2005年以降」という言葉を文字通り捉えるならば「2006年」や「2007年」も入るわけで、これらはリーマンショックが関係ありませんよね。

年代を書かない方法があったのではないかと思ってしまうのです。

さらに、60字の解答を一つの文で言い切っていますよね。これは全く問題ないのですが、途中で「が」を用いて文章をつないでいます。これは、逆説の「が」ではなく、単に文章を接続するものですよね。それならばここは潔く、文を二つに切ってしまったらどうだったでしょう。「〜失業率が増加した。特に〜」といったように。「が」でつなぐのは口語的な印象があり、論述の解答としては弱いように思うのです。

さて、以上のことを踏まえて、解答を作ってみましょう。

失業率は全体に上昇していますが、その度合には地域ごとの違いも現れています。上昇率の高低で州を分けてみます。

(高)ミシガン・オハイオ・ケンタッキー・テネシー・イリノイ・インディアナ

(中)ペンシルベニア

(低)テキサス・カンザス・ノースダコタ

こういった感じでしょうか。

五大湖沿岸では失業率の上昇が顕著。重工業の衰退による。農業を基盤とする小麦地帯に位置する州では失業率の上昇は緩やか。(58字)

「地域的特徴」を明確にしています。五大湖沿岸の工業地帯と、小麦を中心とした農業地帯。また、リーマンショックを取り上げてしまうと、製造業のみでなく商業やサービス業を含めたアメリカ合衆国全体の産業への影響を論じることになり、今回は無理に登場させる言葉でもなかったような気がします。

「金融」についても触れていませんが、メガロポリスを構成するフィラデルフィアを含むペンシルバニア州で失業率がさほど上昇していないことを考えると、やはり「金融」ではなく、自動車を中心とした「重工業」にターゲットを絞ってしまって良かったように思います。ミシガン州にはデトロイトが位置し、さらにオハイオ州も日系の自動車工場が多く進出しています。

工業地域と農業地域との対比が本問の最大のポイントだったのではないでしょうか。

>(3)
>第一期は、北東部からサンベルトやシリコンバレーなどの新規開拓された業種が集う地域へと被雇用者が流動した。第二期では、製造業の衰退と金融・サービス業の隆興により、製造業から他産業への被雇用者の流動が見られた。

こちらも良問ですね。やはり統計を分析する力が求められています。

まず第1期。
A(変化なし)
B(低下)
C(やや低下)
D(変化なし)
E(やや上昇)
F(変化なし)
G(やや上昇)
H(変化なし)
I(やや上昇)

こういった形でしょうか。BとCでの低下、E、G、Iでの上昇が明確です。

北東部や五大湖沿岸の旧来の工業地域(鉄鋼業や自動車工業など重工業が発達)で低下しています。サンベルトである南部、そして太平洋岸で上昇しており、こちらは知識産業の発達が見られる地域です。

では第2期について見てみましょう。

A(やや低下)
B(低下)
C(変化なし)
D(やや上昇)
E(変化なし)
F(変化なし)
G(やや上昇)
H(やや上昇)
I(変化なし)

なるほど、Iにおける上昇の度合いが低下した程度でしょうか。あまり第1期と大きな違いはないようです。

よって、こちらは「実数」に注目しましょう。アメリカ合衆国は比較的人口増加率の高い国であり、労働者の数も増えているはずです。しかし、第2期は「18950」から「12781」へと極端に数が減っています。こちらについて論じたらいいのではないでしょうか。

与えられている文字数制限は90字です。二つのトピックについて書くのですから、45×2が目安ですね。。

第1期。重工業の衰退により北東部や五大湖沿岸で数値が低下。知識産業の発展によりサンベルトや太平洋側で数値が上昇。第2期。製造業被雇用者数が大きく減少。産業構造の変化が顕著。

このような文章にしてみました。第1期では製造業の範囲内における業種変化(重工業→知識産業)を、地域の違い(北東部など、サンベルトなど)に関連付けて論じました。第2期では全体の被雇用者数について言及しています。文字数が限られているため。「産業構造の変化」という言葉のみで片付けています。

良かったら参考にしてください。

>どんなにわからない問題でも、参考にするのは論述の指針だけで、模範解答を見ずに書けるようになりました。解説が何を言いたいのかかなり理解できるようになってきました。

とても素晴らしいと思います。今回はのいさんの実力上昇に合わせて、私もあえて「辛い」採点をしてみました。まだまだ向上するはずですよ。出題者は受験生に「うまい文章」を書かせようとしているわけではありません。本問については、冷静で客観的な「数値の分析」こそ重要だったと思います。統計から得られる情報を、あえて「そのまま答える」ことこそ大切です。出題者の作問意図を捉えて、それに呼応するような解答(回答)を心がけてくださいね。

  • 2020.09.18 15:20
  • たつじん

2012年度第1問_1(ユーラシアとアメリカ合衆国の自然・産業・文化より)


設問A
(1)
ア・・・c(b)
イ・・・b(c)
ウ・・・a
(2)
カ・・・Z
キ・・・Y
ク・・・W
ケ・・・X
(3)
(Sは森林地帯の深い淡水湖で、製紙工場の排水などで水質が悪化した。)Tの周囲は乾燥気候に属し、人為的な灌漑が発達したため、水深は浅く、塩分濃度は高くなり、面積が縮小した。
(4)
W・・・プロテスタント(カトリック教)
Z・・・チベット仏教


設問B
(1)
a・・・3
b・・・4
c・・・5
d・・・2
e・・・1
(2)
2005年以降、リーマンショックの影響からアメリカ全土で失業率が増加したが、特に北東部の金融や工業が発達したメガロポリスや五大湖周辺での失業率の比率が大きかった。
(3)
第一期は、北東部からサンベルトやシリコンバレーなどの新規開拓された業種が集う地域へと被雇用者が流動した。第二期では、製造業の衰退と金融・サービス業の隆興により、製造業から他産業への被雇用者の流動が見られた。



どんなにわからない問題でも、参考にするのは論述の指針だけで、模範解答を見ずに書けるようになりました。解説が何を言いたいのかかなり理解できるようになってきました。

  • 2020.09.16 06:22
  • のい

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