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2021.04.17

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コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性がありますので、ツイッター(@ts914)にDMをいただけますでしょうか。早々に対応いたします。

コメント

では添削いたします。

>2013年度 第一問設問A(風化作用の強度分布と世界の気候、土壌の問題)

>(1)高緯度帯では内陸性気候で低温少雨で、低緯度帯では年中高温乾燥であるため、降水が見られず、風化が進まないから。(54字)

悪くありませんが、もう少し具体性が欲しかったかなとは思います。「低温少雨」や「高温乾燥」がなぜ風化が進まない理由になるのか、ちょっとわかりにくい印象です。

まずは図の読解ですね。「風化作用の弱い地域」のうち、低緯度側にあるのは[北アフリカ]や「アラビア半島」ですね。砂漠であることは間違いありません。一方、高緯度側は「カナダ」や「ロシア」の広い範囲です。

まず風化について考えてみましょう。岩石が細かく砕かれて、細かな砂になる減少です。

主に二つのパターンがあります。

一つは「吸水と乾燥」によるもの。岩石が水を含み、それが乾きます。これが繰り返され、岩が砕かれます。

一つは「膨張と収縮」によるもの、短時間のうちに気温の上昇と下降などで岩石が膨張と収縮を繰り返し、やはり砕かれます。

「乾燥地域では水が少ないため吸水による風化作用が弱い。高緯度地域は気温日較差が小さく膨張収縮による風化作用が弱い。(56字)」

字数制限が厳しいので十分な解答とは言いにくいですが、こんな感じでしょうか。前半では「水がないので風化しない」、後半では「気温差が少ないので風化しない」ということです。

>(2)低緯度の熱帯地域にあたり、年中高温多雨で豊富な水を使用することができ、また日射量も多く気候が適しているから。(54字)

これはとてもいいと思います。完璧な解答(回答)です。簡単な内容ですが、しっかり字数を使って詳しく記述している点も素晴らしいです。

>(3)(a)では夏季の南西季節風やサイクロンによる多量の降水で河川が氾濫し、上流から運ばれた肥沃な土壌が供給され、(b)では豊富な植物の枯死により腐食に富んだ土壌が絶えず供給されるから。(90字)

いいですね。ただ、今後一つのアイデアとして意識して欲しいことに「短文によって構成する」ということがあります。

一般に一つの文の長さは、最長でも50〜60字です。できれば30〜40字までで一旦切って欲しいところです。

30字制限ならば、1つの文章で問題ないでしょう。60字制限ならば、1文にしてしまうことも可能ですが、できれば2つに切ってください。今回のように90字ですと、さすがに1つの文だけで構成するのは好ましくありません。最低でも2つ。できれば3つの文に切ってください。

ですので、せいたんさんの回答もこういった形になります。

「aでは夏季の南西季節風やサイクロンによる多量の降水で河川が氾濫し、上流から運ばれた肥沃な土壌が供給されるから。bでは豊富な植物の枯死により腐食に富んだ土壌が絶えず供給されるから。(87字)」

この方がずいぶんと読みやすくなったとは思いませんか。

それを踏まえて内容に踏み込んでいきましょう。

まずaとb、それぞれで土壌の更新がもたされる自然的要因を述べることが求められていますね。私なら先に「aは〜」といったように言い切ってしまい、その後に詳しい説明を加える形にします。aの説明が終わった後で、改めてbの説明に移ります。

こういった形でしょうか。

「aでは河川氾濫による。夏季の南西季節風やサイクロンにより多雨となり、上流から周辺の沖積平野へと腐植土が運ばれる。bでは旺盛な植物の生育。年中高温多雨で腐植土が常時供給される。(87字)」

意味的には問題ないと思います。地理の論述問題は小論文ではありませんので、文章力は問われません。むしろ「箇条書き」を意識して、事実のみを淡々と連ねる形で十分です。うまい文章を書こうとはせず、自分の意図することを確実に伝えることを最優先に考えてください。

>〈感想〉
疑問に思うことがあり、赤本の(3)の解答では(b)のジャワ島の火山灰が肥沃とかいていますが、火山灰土壌は本当に農業生産性が高いのでしょうか?シラス台地では酪農が盛んなはずなので、そう思いました。

そうなんですよ。この問題については私もおおいに疑問なのです。問題自体の完成度が低いとも思うのですが、あるいは東大の先生でこういった火山性の土壌に関する研究をされているかたがいらっしゃるのでしょうか。何ともわかりかねます。

例えば、火山灰に由来する土壌で肥沃とされているものに、東北地方の黒ボク土や関東地方の関東ロームがありますが、これも火山灰そのものに肥沃な成分が含まれているわけではありません。例えば関東ロームについては、富士山や浅間山の爆発により火山灰が関東平野に降り積もったわけですが(上空の偏西風の影響です)、この上に植物が繁茂し長い時間をかけて腐植が形成されたことが肥沃である理由です。

シラスについては桜島の火山灰が大隅半島に積もったものですよね。笠野原台地一帯をシラス台地とも言います。白っぽい色をしていることからシラスと呼ばれるようですね。

水はけが良いことから根菜の栽培に適し(というか、水もちが悪いので水田耕作には適さないわけですね)、鹿児島県西部から宮崎県南部にかけての一帯はサツマイモの栽培に特色がある地域となり、これが餌として豚や牛、鶏の飼育に利用されています。

とはいえ、だからといってシラスが肥沃とはいいにくいですよね。むしろ肥沃ではないからこそ、イモ類のような厳しい自然環境でも生育できる作物をつくっているわけですし。

以上より、本問についてはbの説明は何とも困難だったかと思います。部分点狙いで十分な設問だったでしょう。

ちなみに。。。

シラス台地は「酪農」ではありませんよ。酪農はホイットルセー農牧業区分による農牧業の形態の一つで、「牧草地にて乳牛を飼育し、生乳や乳製品を近隣の大都市へと出荷する商業的な農牧業」のことで、北部ヨーロッパ(北海やバルト海沿岸)

せいたんさんは何気なく酪農という言葉を使ったのかも知れませんが、ホイットルセー農牧業区分は地理で最も重要な考え方であり、安易に使うべきではありません。使用するならば、しっかりと意味を確認し、厳密に用いてください。

ここは単に「家畜飼育」とするのが適切です。「放牧」も一般名詞であり、こちらの言葉を使うことも可能ですが、おそらくシラス台地では放牧はメインではないでしょう。イモ類など飼料作物を栽培し、家畜小屋で飼育する形が一般的かと思います。

以下の言葉は間違えやすいので、今後は使用には細心の注意を払ってください。

「酪農」・・・ホイットルセー農牧業区分
「遊牧」・・・ホイットルセー農牧業区分
「移牧」・・・酪農に含まれる。高度差を活かした放牧。
「放牧」・・・単なる放し飼いのこと。一般名詞なので、どのように使ってもいい。
「牧畜」・・・放牧と同じと思っていい。こちらも単なる放し飼い。

論述問題は「文章力」などどうでもいいのです。「言葉の正確な用い方」が問われているのです。注意しましょうね。

全体としてとてもよく書けています。本問は難問が多かったと思いますよ。(1)や(2)は内容に比して求められる字数が長かったため、自分で工夫して文章を組み立てる必要がありました。(3)はせいたんさんもご指摘のように、頭をかしげる部分があります。とはいえ、こういった難問であっても、それなりの回答を書き上げる力がありますので、十分だと思いますよ。次回も期待しています。

  • 2021.04.18 13:24
  • たつじん

2013年度 第一問設問A(風化作用の強度分布と世界の気候、土壌の問題)

(1)高緯度帯では内陸性気候で低温少雨で、低緯度帯では年中高温乾燥であるため、降水が見られず、風化が進まないから。(54字)

(2)低緯度の熱帯地域にあたり、年中高温多雨で豊富な水を使用することができ、また日射量も多く気候が適しているから。(54字)

(3)(a)では夏季の南西季節風やサイクロンによる多量の降水で河川が氾濫し、上流から運ばれた肥沃な土壌が供給され、(b)では豊富な植物の枯死により腐食に富んだ土壌が絶えず供給されるから。(90字)

〈感想〉
疑問に思うことがあり、赤本の(3)の解答では(b)のジャワ島の火山灰が肥沃とかいていますが、火山灰土壌は本当に農業生産性が高いのでしょうか?シラス台地では酪農が盛んなはずなので、そう思いました。

  • 2021.04.17 18:32
  • せいたん

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