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2021.10.19

545

すでにお申し込みされている添削メンバーの方のみ投稿ください(メンバー募集は4月で終わっています。追加募集の予定はありません)。最低、月に1回の投稿がノルマです。これが無き場合は登録取り消しになりますので、ご注意ください。

コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性があります。その際は他のフォームに再投稿していただけますでしょうか。お手数ですが、よろしくお願いいたします。(従来のDMによるお問い合わせは取りやめといたしました。ご理解くださいませ)

コメント

では添削いたします。

>東大 2006年

>第3問

>A

>(1) a-中国 b-台湾 c-マレーシア

いいですね。適切です。

>(2) パソコン生産の労働集約的性格が強まる。その結果、高賃金である日本は研究開発に特化した。生産拠点を低賃金の国へ移転させた。(60字)

なるほど、「労働集約的性格」という表現には感心しました。確かにその通りかと思います。PC生産は、特別な技術を必要とするものではなく、単純労働力に依存する工業になっていますよね。「高賃金」、「低賃金」という言い方も適切です。ここで無理に「円高」という言葉を使う解答もありますが、円高はむしろ1980年代のキーワードであり、PC生産が途上国へと流出した1990年代以降には相応しい言葉とは言えません。「研究開発に特化」、「生産拠点の移転」という言い方も適切です。

なお、私はこのようの書いてみました。シンプルな表現を心がけています。

「労働集約型の機械組立工業であり、高賃金の日本から低賃金の発展途上国へと生産拠点が移動。研究開発は日本で行われる。(56字)」

労働集約型というキーワードは重要ですね。同じ製造業でも労働力に依存しない資本集約型工業である鉄鋼業や石油化学工業は海外流出しませんからね。

>(3) 情報産業を中心とした「経済発展」を目指している。そのために、「政府」主導での、「人的資源」の育成や情報インフラの整備を推進している。(60字)

いいですね。とくに「インフラ整備」が気に入りました。短い字数制限で有りながら、使用するべき語句は多く、制約が多い問題だったと思います。だからこそ「なるようにしかならない」問題でもあり、テンプレート的な決まり切った形の回答が求められました。チョウセイの回答は、その要求を満たしています。

私も書いてみました。

「工業化による経済発展を遂げた両国である。高度に教育された人材資源の育成が政府主導で進み、通信回線などインフラ整備も進む。(60字)」

たとえばこういった形でしょうか。この通信回線については注目してくださいね。韓国は「若い」国であるからこそ、日本よりも早くADSL回線が21世紀初頭には全土に広がり、いち早くインターネット社会を実現させた国です。今ではADSLは光ファイバーにその位置を譲っていますが、上方化社会の進展については韓国は日本より一日の長があると言われています。機会あれば韓国における通信インフラの整備も調べておくといいですね。

>B

>(1) 「高速道路」の開通した。安価な土地と労働力を背景として、電器や半導体などの「企業誘致」が進んだ。「工業化」が進展し、雇用が増大した。
(60字)

いいですね。その通りです。とても分かりやすいですよ。こちらも使うべきキーワードが多く、それに沿って「解答のひな型」をつくることがポイントとなっていました。その中で「安価や土地と労働力」や「電器や半導体など」といったような具体的なワードも使えています。合格圏の解答(回答)でしょう。

統計がポイントの問題でしたね。1980年は高卒就職者数が極めて多く、そして県外就職者こそ現在に比べとくに多かったわけです。彼らはどこに就職したのでしょうか。おそらく東京の工場なのではないでしょうか。

主な勤め先が「東京の工場」から「県内の工場」に変化したことについて、キーワードを使いつつ確実に説明することが大事だと思います。

「企業誘致」、「高速道路」は使えます。これらにより「工業化」が進展したことを述べましょう。「新幹線」はどちらでもいいかなとは思います。人間の移動は便利になりますが、新幹線は貨物(工業製品)の輸送には用いませんものね。

「高速道路整備により製品輸送が容易となり、新幹線開通で大都市圏とのアクセスが向上。工場や企業誘致により県内の雇用が増加。」(59字)

こういった形でしょうか。納得はできると思います。

なお、データ自体、とても興味深いものですので、再確認しておいてくださいね。「高卒就職者数」については実数、「県内就業者の割合」「県外就業者の割合」は割合で示されています。人数そのものが大きく減少するなかで、とくに際立って減少しているのが県外への就職者というわけです。おもしろい傾向ですよね

>」(2) 「情報化」・「国際化」が進展したことで、各種機能が東京に「一極集中」して雇用が増大した。そのため、関西圏から東京圏へとシフトした。(59字)

いいですね。こちらもわかりやすいです。「関西圏」に言及する必要はなかったかと思いますが、「東京圏」へのシフトはその通りです。

例えば「各種機能」についても具体的にも書けたかなとは思います。「金融や経済」、「中枢管理機能」など。(1)では具体的な事例を挙げることができたのですから、こちらでもそれは可能だったと思いますよ。

私も書いてみました。

「サービス経済化や情報化が進むことで中枢管理機能の東京への一極集中が高まった。航空路線など交通手段の整備も背景にある。(58字)」

このような形でしょうか。地方と東京とのアクセスの良さは背景に必ずあると思いますので、これに関しても言及してみました。

本問の難しいのは、数の捉え方です。1980年から1990年は母数となる高卒就職者が減少しているのですから、実数として東京で就職した人が増えているのか微妙なところですよね。むしろ他の地域での減少率が高く、東京の割合が相対的に上昇しているだけとも言えます。東京への雇用が増加したと素直に言い切れないことが難しいところなのです。完璧な回答が求められる問題でもなかったかなとは思います。

>(3) 「商業」・金融を中心とする「サービス経済化」が進展した。企業支社や国の出先機関が集中する「地方中枢都市」である仙台市や福岡市が成長した。その結果、雇用機会が増大し、地方の労働者を吸収し得た。(99字)

いいですね。うまく書けていますよ。この大問の難しい(というか、問題としての完成度が低い)ところは、(1),(2),(3)について問題内容に明確な差がないので、いずれも同じようなことを書かざるを得ない
点ですよね。でも、それで良かったと思いますよ。大筋は同じでも、微細なところを調整し、それぞれの設問に呼応した内容を記述する。もちろん(3)の最大のポイントは「地方中枢都市」でしたね。「仙台」や「福岡」など具体的な都市名が挙げられている点がいいと思います。「サービス経済化」や「情報化」、「高速道路」などのキーワードの使い方も適切です。

さらに演習を進めましょう。

  • 2021.10.26 11:02
  • たつじん

東大 2006年



第3問


A

(1) a-中国 b-台湾 c-マレーシア

(2) パソコン生産の労働集約的性格が強まる。その結果、高賃金である日本は研究開発に特化した。生産拠点を低賃金の国へ移転させた。(60字)

(3) 情報産業を中心とした「経済発展」を目指している。そのために、「政府」主導での、「人的資源」の育成や情報インフラの整備を推進している。(60字)


B

(1) 「高速道路」の開通した。安価な土地と労働力を背景として、電器や半導体などの「企業誘致」が進んだ。「工業化」が進展し、雇用が増大した。
(60字)

(2) 「情報化」・「国際化」が進展したことで、各種機能が東京に「一極集中」して雇用が増大した。そのため、関西圏から東京圏へとシフトした。(59字)

(3) 「商業」・金融を中心とする「サービス経済化」が進展した。企業支社や国の出先機関が集中する「地方中枢都市」である仙台市や福岡市が成長した。その結果、雇用機会が増大し、地方の労働者を吸収し得た。(99字)

  • 2021.10.20 18:18
  • チョウセイ

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